第十話「奇跡の押し売り」
ナイアルトも退けた。モンスターも帝国騎士団があらかた片付けた。これで大団円。
とは行かないらしい。まずいな。
「なぁ?世界改変進んでね?」
≪ええ。街の外はほぼ完全にヤバイ感じになってます。≫
これはどうしようかな?
「この聖力の結界は何時までもつ?」
≪とりあえず邪魔さえ入らなければ理論上は何時まででも維持できます。伊達に伝説の聖剣名乗ってません。ただ、結界の範囲はこれが限界です。≫
街一つ覆える結界を剣一本で使えるんだから規格外だ。もし、この聖剣がなかったら帝都はこの世界から消えていたことだろう。
「なぁもしかして、世界改変の影響って広がってんのか?」
≪おそらく。帝都の外の聖気がどんどんなくなっていっている感じがします。≫
「ナイアルトが直接的な原因じゃなかったのかそれとも手遅れなのか。どっちにしても次の手を考えないとな。」
≪・・・それなのですが。≫
「何か名案でもあるのか?」
≪私はアーサーさんにしか使えない剣と言うわけではありません。熟達した聖力の使い手なら扱うことができます。≫
「ふむ?」
≪アーサーさんは聖力を扱う腕前には申し分ないのですが扱える量はあくまでも中程度多くもなく少なくもなくと言ったところです。≫
「結論を言え、別に怒ったりしないから。」
≪ようは力技です。アーサーさんより聖力のある方にこの結界を拡大していただければあるいは・・・。≫
「なんだ。そんなことか。」
≪えっ?≫
思ったより世界を救うのは簡単なことらしい。
俺は上空に雷の魔法を放った。ちょっと工夫して色を変える。一度目は赤い雷を二度目は白い雷を空に放つ。
「さて返事は・・・・。」
炎の玉が遠くでうち上がる。内容は、ええっと。
「キュウエン、ジュダク、テキアリ、エンゴモトム、テンイかな?」
≪なにをなさったのですか?≫
「別の場所に配置されてる仲間に支援要請をした。転移でこっちに来たいから援護がほしいらしい。」
俺は聖剣エクスカリバーを構えた。
≪転移魔法の軌道確保ですか?投げます?結界切れますよ?≫
だんだん声のトーンが怖くなってきた。
「いや、なんかなんかビームとかでない?」
≪私をなんだと思ってるんですか!≫
怒られた。
しかし奇跡が起きた!
天から一筋の光が聖剣に降り注ぐ。
てかこれガチなやつだ。
≪へっ?侵略者をのけた報酬?機能拡張?ビーム!ちょっとやめてください!剣の機能美をなんだと思ってるんですか!ギャァァァァァァ!≫
うん、なんかと交信してる。たぶん神様。んでもって今叫びながら光ってる。
≪覚えてろよ。≫
なんかあったらしい。めっちゃ怖い声だしてるこの聖剣。
≪ビーム、行けます。聖属性のビームが撃てるようになったそうです。畜生、剣だと思って好き勝手作り替えやがって。≫
目茶苦茶ご機嫌斜めだ。
≪どの方向に打てばいいんですか?≫
「さっき火の玉が上がった方角にお願いします。」
≪はぁ、いきますよ。はい、ビーム!≫
「へ?」
ビュワワワワワワワ!ギューン!!
構えなし。台詞なし。雰囲気なし。
ないないづくしなのにめっちゃごんぶとなビームが俺の指定した方向に飛んでいった。




