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2章プロローグ

―――雨が降った。


深夜。瞬時に辺りを覆い尽くした雲からは時を待たずして大粒の水滴が落ちてきた。


――地面を叩く水音、充満する土の濡れた匂い。


降雨の少ない村を歓喜が包んだ。


「あれ?」


桶を持って家を飛び出してきた村人の1人が気づく。


”雨の色がおかしい”


深夜の暗闇の中でもそれらが異常なことは一目瞭然だった。

緑色をした雨粒は周囲の土壌に染み込み、溜め池をもその色に染めていく。


バケツを引っくり返したようなそれは、しかしながら決して恵みになるものではなかった。

村人は知らなかった。この雨がどのような災禍をもたらすのかを。


―――数日後、地図から1つの村が消えた。


――――――

―――



「――爺さん。あんたが育てたクソガキはいつまでたってもどうしようもないガキのままだ。国民どころか、てめぇの生まれ故郷すら守れなかった。」


誰も居ない部屋を押し殺した静かな慟哭がこだます。


「もう引けないところまで来ちまった。助けも望めねぇ...でもな、絶対に落とし前はつけてみせるさ」


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