修道長、マリア・テスラの矯正
もともと問題が山積みの修道院に、また厄介な者が増えました。
まったく、目を離せばすぐに逃げ出そうとするあの新しい修道女をどう教育したものかしら。
“私は、王女なのよ!お姫様!何でこんなことにしないといけないのよ!”
また、不快な叫び声が聞こている。
これでは、他の者にまで影響を及ぼしかねません。
仕方がありません。
本来なら、新人にさせる修行ではないのですが。
「シンシアを囚人担当にします」
この修道院に併設されている監獄棟の仕事を、シンシアに任せます。
「しかし、それは……」
「ちゃんと言われた通りの事をすれば、なんら危険のないことです。全ては彼女次第です」
本当に言われた通りのことをちゃんとこなせば、何の問題もないのです。
ただし、サボったり何処かへ逃げようとすれば、途端に囚人達の怒りが彼女にむけられることでしょう。
それは、注意事項として彼女にも説明されることです。
この機会に彼女が改心してくれることを望みます。
ですが、私の願いも虚しく、抜け殻のようになったシンシアの姿を見たのは数日後のことでした。
すっかり大人しくなった彼女は、操り人形のように言われるがまま行動するようになりました。
従順になったようですが、誰だろうとその者の言う通りにするので困りものです。
ですが、これで彼女はここでの生活がやりやすくなったのではないでしょうか。
メデタシメデタシ、といったところでしょうか。




