国民、レイン・ディールの祝福
めでたい事に、公爵家のお嬢さんが帝国の皇子を婿に迎えて結婚することになった。
最初は、帝国ととうとう政略結婚をするのかと心配したけど、意外と幸せそうな顔をしていて、なんだか俺も誰かと結婚したくなる。
婚約が発表されたその日から、国中が祝賀ムードに包まれて、しばらくお祭り騒ぎが続いた。
この明るい空気に乗っかって、何日も仲間と飲み歩き、俺は幸せだった。
好きなように生きているはずなのに、誰にも迷惑をかけていないから、そのうち悪いことが起きるのだろうと考えたりもしていた。
だからその予想に反して、帝国から皇子に仕える為に来た侍女さんとお付き合いすることになるとは、この時はまだ思いもしなかった。
そして近い将来、嫁さんに似た子供が生まれて、泣くほど喜んだのは、またもう少し先の話だ。
幼い頃に家族と死別した俺に、急に家族が増えて、この出会いのきっかけとなった公爵家のお嬢さんには本当に感謝することになったよ。
そう言えば話は変わるが、ライオネル・カムリ様が連れてきた労働者、珍しく使えない奴だったな。
あれは多分、個人的に何かやらかした奴に制裁を加える為に山に放り込んだんだろうな。
確か、ジークレイって言ったか?
あの人を怒らすとは、ご愁傷様としか言えないな。
この国に奴隷制度はないけど、一生それに近い扱いだろう。
まぁ、俺には関係ないが。




