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38話 風牙狼5

 ロキは<闘気>スキル纏って全力でアカマツ村に向かっていた。途中同じぐらいの年代の男性が苦悶な表情で身体の一部が食われてる状態で絶命していた。


 「ごめん仇は討つよ」


 アカマツ村の手前に行くと朝出かけた時と姿が変わっていた。木の囲いは壊され、見張り台は倒壊して家をなぎ倒していた。そして濃い血の匂いが漂ってきた。


 「..間に合わなかったのか?」

 ⦅ロキ二等兵..生き残ってる者達は一か所に集まってる⦆

 「皆、戦ってるんだ! 急ぎます」


 アカマツ村の中に入ると弓を持った者達が血だらけで倒れていた。走り続けると男性女性年代問わずゴルバ達に襲われ殺されていた。まだ、小さな子供まで犠牲になっていた。


 ロキは歯を食いしばって憎悪に満ちた感情で語る。

 「くっ、こんな子供まで殺すなんて..許さないぞゴルバ!」


 ロキはゴルバに対して認識を改める、殺意が籠った目でゴルバは敵だと認識を変える。


 エイラ少佐の指示の下、アカマツ村の皆所に向かう。


 ⦅ロキ二等兵<気配察知>スキルはどのぐらいの範囲までわかる⦆

 「..ん、半径1~2メートルぐらいだと思います」

 ⦅区別はできるか⦆

 「区別ですか?」

 ⦅魔物か有機生命体で区別することができるか⦆

 「......やってみましたけど、出来ないですね。気配はわかりますか」

 ⦅そうかわかった⦆

 「どうしてそんな質問を」

 ⦅こちらも全力でフォローしなければ、あの魔物に勝てないからだ。正直ロキ二等兵に撤退を指示したい..ロキ二等兵は撤退しないだろう?⦆

 「撤退はしません」

 ロキは強く頷く。


 ⦅ロキ二等兵より格上の魔物だぞ。勝率はかなり低いぞ、それでもか!⦆

 「撤退はしません」

 ロキは頷く。


 ロキの強い意思を感じエイラ少佐も覚悟を決める。

 ⦅ここでロキ二等兵を失う訳にはいかない。全力でフォローする!⦆

 「お願いします」


 走り続けようやく広場に着くと、ベリーが風牙狼に向かって歩いていた。これはヤバイと思い――向かうが間に合わないこのままでは――。


 ――何故と思いだした、ゴルバや風牙狼達は素早く動くことができるのは何故だ。両手足で風の靴を纏って素早く動くことができていた。それともう一つ疑問に感じたのは<戦気>だ。<戦気>は武器に纏うことができる。だから俺は――。


 ――同じように<闘気>を両足に一点集中させるそうすると力を感じる全身から足に流れる。今までにない力を感じる、これなら行ける!


 ――急加速した速さでそのまんま風牙狼に体当たりした。そのおかげでベリーの前で上手く止まることができた。


 ベリーが泣いていたので優しく声をかけ安心させる。ベリーの後ろでドランとギルトンが走ってくるのが見える。


 ロキは仇敵に出会ったようにゴルバを睨み語る。

 「リベンジ戦だ。ゴルバ!」

 

 ゴルバも憎々しくロキを睨み返していた。だが感情の奥で歓喜もした、最高の餌がきたと。

 「ナマイキナ..クロカミ」


 ロキとゴルバはお互いに睨み牽制していた。


 ドランとギルトンはベリーに駆け寄り抱きしめる。


 「ベリーちゃん大丈夫か」

 「おめめからみずが」

 「ふぅーー怪我はないようだ」


 ギルトンはベリーを抱いて、ドランが真剣な目付きで話す。

 「ロキ助かったお前は大丈夫なのか、ボロボロだぞ」

 

 ロキの装備はゴルバの戦いで多くが破損し壊れボロボロになっていた。


 「装備の方は駄目ですが、身体は大丈夫ですよ」

 肩を動かしてアピールする。


 「わかった。ギルトン、ベリーちゃんを頼む。俺はロキと一緒にここで戦う」

 「ドラン!」

 「いえ、ドランさんも戻って下さい」

 「な、なにを言ってる! あのネームドモンスターを一人で戦うつもりかロキ」

 「はい」

 強く頷く。


 「それに他の魔物、風牙狼やグリーンウルフをお願いします」

 

 ドラン少し考えてから顔を上げる。

 「ロキ一人でやれるのか」

 「任せて下さい」

 「..わかった。ギルトン行くぞ」

 「ドラン何をいってる。一人で何て無理だ」

 「行くぞギルトン! ベリーちゃんをエマ―さんに渡すんだ」

 「くそ」

 「ロキ任せたぞ!」

 「はい」

 強く頷く。

 

 ドランとギルトンが戻ろうとした時ーーベリーが話す。

 「おみやげにいちゃん。わんちゃん。めっして。めっして」

 「めっ?」

 ロキは首を傾ける。


 ドランが説明する。

 「あぁ~たぶんな。叱ってくれと言うことだ」

 「そういことか」

 「めっして。わんちゃん。めっして」

 「わかったよ。ベリーちゃん」


 3人はバリケードの方に向かって行く。


 ロキは再びゴルバに視線を向ける。

 「待っててくれたのかゴルバ」

 「サイゴノ..カタリアイ..オワッタカ..クロカミ」


 ゴルバが同胞の風牙狼に視線を動かして指示するーー襲えと。指示を受けた風牙狼が動こうとした時――。


 「――待てゴルバ一対一で殺し合おう。それとも仲間がいないと勝てないか」

 さて、こんな安っぽい挑発にのるか? 


 風牙狼とグリーンウルフがふざけるなと吠える。


 ゴルバは辺りを見渡して思考を巡り答えを出す。

 「..イイダロウ..ヨイ..ヨキョウニナル..クロカミヲ..カテニ..ゴルバは..シンカスル」

 ゴルバは戦意剥き出しに牙を見せて威嚇する。

 

 ロキは息を整え。

 ⦅ロキ二等兵上手くいったな⦆

 ⦅正直あんな簡単な挑発に乗るとは思わなかった⦆

 ⦅だが、そのおかげで一対一の戦いに持ってこれた⦆

 ⦅そうですね。群れを相手に勝ち目はないが、群れのボスを倒せば勝機はある⦆


 <闘気>をもう一度足に集中させる。


 ロキとエイラ少佐が同時に重ね語る。

 ⦅<戦闘モード>開始⦆

 ⦅ロキ二等兵ゴルバを討伐せよ⦆

 ⦅了解⦆


 ロキは先手必勝で一気にゴルバに駆け寄り、顔に向けて蹴り上げるがーー蹴り上げた蹴りは空をきる。ゴルバはロキの動きを読み切っていた。


 「なっ」

 「ゴルバト..オナジチカラ..ナマイキナ!」

 ゴルバは回転して後ろ足でロキを吹き飛ばす。


 「くっ......読まれてたか」

 ――ロキは吹き飛んだが上手く足から着地して、直ぐに立ち上がって構えなおす。

 

 ロキは足の<闘気>を全身に移動させ纏う。

 「ふぅーー簡単にはいかないか、ならこれでどうだ!」

 

 <腕力一時向上>と<俊敏一時向上>スキルを同時に発動する。


 ゴルバの突進を防ぐため近づいて、殴る蹴りの攻撃を繰り返していく、決定的な攻撃ではないがゴルバは近接戦闘は苦手としていた。


 ゴルバは今までに自慢の牙でどんな魔物も切り裂いてきた。必殺の一撃として生きて来た。短時間での戦闘に勝利してきた。ロキとの戦いは初めての長期戦だった。

 

 ロキは接近戦で動きが鈍っているゴルバに向かって必殺の――。


 ーー<闘技>”正拳突き”ーー


 ――一撃を与える。


 ゴルバは口から血を吐きながら痛みで苦悶な表情で吠える。

 「グゥゥゥウゥゥゥ..ナマイキナ!」


 風を纏った鋭い爪で攻撃を繰り返す。

 

 ロキは危険な攻撃だと察知し回避に専念する。


 戦いの外から皆の声が聞こえてくる。

 「ロキ頑張れーー」

 「若いのーーやっちまえーー!」

 「ロイド爺さんの仇を討ってくれーー!」

 村の人達の応援が聞こえてくる。


 ロキは思考を巡り考える。ゴルバ相手に只の殴打や蹴りでは大してダメージは与えられない。先程の

<闘技>”正拳突き”でダメージを与えることができた。


 使える<闘技>は”狼牙衝撃波”と”鋼槍貫き手”だ。


 勝つために生き残るために最善の力を考える。


 だが、まずはゴルバの突進を防ぐため近づいて殴打を繰り返す。ゴルバも負け時と爪攻撃や頭で体当たりしてくる。


 体当たりは助走がないので吹き飛ばされるがダメージは低い。


 吹き飛ばされてゴルバと距離があるので腰に手をかけ薬草を取り出す。

 「もぐもぐ。これでHP回復だ。おいおいゴルバそんなに睨むな。道具を使うのは人類の専売特許だ」

 「ガァァァァァァァァ」

 

 ロキは再度同じように殴打をゴルバの目元目掛けてやると、当然ゴルバは嫌な表情をして体当たりしてきた。ロキは吹き飛ばされる前に――。


 「ここだーー」

 ――ロキはしゃがんで体当たりしてきた態勢を利用して、ゴルバの剛毛に掴み牛並みの身体の背中に乗ることに成功した。


 「オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、固い毛しやがって! これでどうだ!」

 ゴルバの背中に乗ったロキは殴打を繰り返す、予想以上に剛毛で驚いたが、何度も殴打を繰り返すとゴルバの口から苦悶に満ちた声で吠える。


 「グゥゥゥゥウゥゥゥ..ゴルバ..ニノルナ! ..クロカミ..ドケェェェェ」

 ゴルバは暴れ回る。ロディオマシーンのようにロキを落とそうと暴れ回る。


 ロキも必死に背中に捕まる。

 「ぐっ、暴れるなこの野郎!」

 左で剛毛を掴み、右手で殴打を繰り返す。


 ゴルバはロキを振り落とそうと円を描いて走り回る。

 「クロカミーーーーーーー」


 ゴルバのスピードがどんどん上がり、ロキに遠心力Gが加わる。

 「きつい苦しい」


 ゴルバのスピードは更に上がり怒りの咆哮を上げる。

 「ドケェェェェェェェェェェェェ....」


 ロキは遠心力に耐え切れず――。

 「ぐっ駄目だ! がはっ!」

 ――手を放したロキは地面に叩きつけられる。


 ロキの脳は混成鋼体の身体で強化されてるため、酷く混乱はすることはないが、多少の影響は受けていた。

 

 ロキは仰向けに倒れていた。状況を確認するため苦悶な表情で上半身を上げると、大きい影が迫ってきた――。


 「なっ!」


 ――ゴルバがロキを押し潰そうと迫ってくる。


 ロキの目の前まできたゴルバを見上げて口角を上げる。


 「このタイミングを待っていた!」

 

 ゼロ距離ーー<闘技>”狼牙衝撃波”ーー


 無数の狼の牙がゴルバの腹部分に攻撃を繰り返す。


 ゴルバは痛みで絶叫する。

 「ギャァァァァァァァァァァ!?」


 ロキもまたゴルバ攻撃を受けて吹き飛んでいた。だがその表情は明るかった。

 「どうだゴルバ! お前の身体で一番柔らかい腹部分での超至近距離のショットガンの威力は!」


 ゴルバは痛みでのたうち回っていた。同胞の風牙狼達も心配してる声で吠える。

  

 ゴルバは痛みを我慢して立ち上がる。腹から大量に出血してるが、それよりも怒りで一杯だった。

 「ユルサン..ユルサン..ユルサンゾ..クロカミ! カテノブンザイデーー! ユササンゾ!?」

 

 ゴルバが喉に力を溜める。

 

 「クロカミーーーーー! ガァァァァァァァァ」(ーー”風狼憤怒咆哮”ーー)


 ゴルバは口から怒りの砲撃を放った。その威力でロキの後ろに有った家を吹き飛ばし破壊していった。離れていたバリケードの方も衝撃で吹き飛び、そこに居た人達も影響を受けた。

 

 ロキは遠心力の影響力で躱すこともできず直撃をくらい吹き飛び何度も転がった。

 「ぐっ.............あ、ぁぁぁぁ」

 ⦅ロキ二等兵!⦆

 ロキは余りの痛みで返事を返すことができない。


 ゴルバは地面に倒れたロキを見て力を込める。自慢の牙と手足に風を纏う。

 「クロカミーーーーーー」


 力強い足音が聞こえてくる地面を揺らすほどの強さで畏怖を感じる――。


 ⦅ロキ二等兵! 逃げろ!⦆

 

 ――足音がどんどん近づいて迫ってきている。エイラ少佐の声で必死さがわかる。なんとかしようと抗うが、身体に強い衝撃と痛みを感じ宙に浮く感じで吹き飛び。


 「うぅぅぅうぅぅ、がっ.........」

 ⦅ロキ二等兵----!⦆


 ロキは遠くなる風景、逆に流れていく風景を眺めると。

 

 ゴルバが牙と手足に風を纏い血だらけの身体で勝利の雄叫びを上げていた。

 「クロカミーーーーーーーーー!」 


 ロキは地面に激突すると手を上げて――。


 「負 け た く な い」

 

 ーーユニークスキル<負けず嫌い>が発動しましたーー

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