34話 風牙狼1
「ふぅーー気持ちいいな~。朝風呂最高~」
湯船のお湯を顔にかける。新しい身体は眠気などはなく起きれるのだが、人間だった頃の癖か気分の問題で顔にお湯をかけた。
早朝にスリープモードから起動すると、身に覚えのない部屋だったので慌てた。エイラ少佐に説明を受け覚えだして、朝一番に風呂に入った。
湯船に浸かって思考を巡る。
「風呂か..普通の家に風呂は無いよなーー」
手で顎を抑えながら考える。
「ヘイロスさんは結構金持ちなのかな? 道楽で商隊をやってると思った。そう言えば商会の名前は....アカベリー商会だったはずだ覚えておいて損はないな..。それにしてアカベリーかベリーちゃんから名前を取ったのかな?」
目を瞑りながら考え事をしてると思い出す。
「久しぶりにステータス確認するか」
ステータスオープンと念じる。
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名前 ロキ
種族 混成鋼体
性別 男性
種族level level19
職業 短剣格闘level3
称号 異世界人 転生者 戦闘狂 生還者
HP 2420
MP 756/884
腕力 698(60)
体力 601(15+15+5)
俊敏 711(15+15+20+20)
魔力 345
精神 353
装備
武器
右手 鉄の短剣
左手 鉄の短剣
防具
頭 なし
身体 風牙狼の軽装
腕 風牙狼の籠手
足 風牙狼の足鎧
靴 風牙狼の靴
アクセサリー
首 なし
腕 なし
右指 なし
左指 なし
魔法
なし
闘技
<正拳突きlevel3> <狼牙衝撃波level2> <鋼槍貫き手level2>
戦技
<強刃十字切りlevel1>
スキル
常時スキル
<闘気level3> <基礎格闘技level5> <身体操作level5> <自己治癒率アップlevel3>
<戦気level2> <短剣術level3> <疲労回復level3> <胃袋効果強化level4>
<毒異常耐性level3>
発動スキル
<腕力一時向上level3> <俊敏一時向上level3> <闘技level3> <戦技level1>
ユニークスキル
<完全適用level7> <負けず嫌い>
NS因子スキル
<生存本能level3> ??????
サポートスキル
<戦闘モードlevel3>
兵装
なし
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「――種族levelが19か、あと1で20だな。20に成れば新しい職業が獲得できるな」
新しい職業はいったいなんだろうとイメージして呟く。
「新しい職業かー。うーーん例えば忍者か..忍者なら火遁の術とかあるよな、他にもでっかいカエルを召喚して戦ったり、闇に紛れて暗殺する忍者もいいな~」
ニヤニヤしながら思考を巡る。
「忍者以外にも....侍か元日本人としては憧れるなー。居合切りで両断したりとか、ここは日本じゃないから飛ぶ斬撃とかもカッコイイじゃないか、あっ、日本刀がないや日本刀がなければ侍はどうなるんだ。まぁ、考えてもしょうがないか他にも職業はあるし..魔法戦士とか賢者とか魔導士とか、いや~困るな~どうしよう」
妄想を繰り返しニヤニヤしていると呆れてる声が聞こえてくる。
⦅ずいぶんと楽しそうだなロキ二等兵....気持ち悪いぞ!⦆
独り言を聞かれ気持ち悪いと言われ落ち込む。
「あぁぁぁぁ、そういえばエイラ少佐がいたことを忘れてたー ぶくぶくぶくぶく」
恥ずかしくなり両手で頭を押さえ口まで顔を湯に沈める。
エイラ少佐の冷たく怒りに満ちた声が聞こえる。
⦅忘れていただと....上官の私は忘れていただとロキ二等兵! くだらないことを考え――⦆
「――くだらなくは――」
⦅くだらない! 魔法戦士だ賢者だ魔導士だ! 適正が分からなけらば意味がない職業だ!⦆
「あぁ、忘れてたー。そうだ魔法は適正がないと使えないんだった」
⦅まったくロキ二等兵は魔法のことになると駄目な有機生命体になるな。戦闘の時は素晴らしい結果を出してるのに⦆
「えっ、あれ、今素晴らしい結ーー」
⦅――ロキ二等兵いつまで風呂に入っている。電子生命体の探索をしろ!⦆
「はい」
エイラ少佐の褒められたと思い確認しようとしたら、冷たい絶対零度の声が聞こえ飛び上がるように湯船から出る。
ロキは今、森の中にいる。アカマツ村の近くには草原だけではなく森もある、アカマツ村を見て回り電子生命体の反応がないので探索場所を変えようと思い、近くにいた住人に場所を聞いて森に来た。
この森はアカマツ村の狩人が狩りをしてる場所で、ここで狩りをした時にグリーンウルフを見たと証言してくれた。この森を教えてくれた住人が狩人だったので運が良かった。
グリーンウルフは風牙狼が進化する前の魔物になる。そのため電子生命体を探しながら、風牙狼も一緒に探索している。
「エイラ少佐、電子生命体の反応ありますか?」
⦅......この付近に反応はないな⦆
「そうですか。そしたらもう少し森の奥を探索しますか」
森の奥を薬草を採取しながら探索してると、途中エイラ少佐の指示通りに教えて貰った場所に行くと、紫色の毒毒しい果物が大きい木に実っていた。見た目は猛毒がありそうな果物なので遠慮してると、エイラ少佐がとても美味しいと言うので近づいて取ってみる。
両手で果物を持ち少し躊躇しながらゆっくり口を近づける。
「うわ、本当に大丈夫なのか? 見た目毒がありそうな感じもするけど、うーー食べてみるかー。..う....うまいな。甘くって美味しい。もう、4個ぐらい取るか」
太陽が真上にあり時間帯的にはお昼頃だと思い、先程採取した紫色の果物を食べながら森を探索する。グリーンウルフと風牙狼は見つからなかったか、ゴブリンを6体倒し魔石と討伐証拠だけ回収した。
大分奥まで森を探索したが風牙狼の痕跡は見つからなかった。電子生命体もエイラ少佐からなにも連絡がなかったが一応確認をしてみる。
「エイラ少佐どうですか、電子生命体の反応はありますか?」
⦅......ないなこの森はいない可能性が高い⦆
「そうですか。そしたら明日からは草原の方を中心に探索しますか」
迷子にならないように帰りはエイラ少佐の指示の下、アカマツ村に戻る。途中倒れた木に生えてるキノコ、少なくなっていた毒キノコをイヤイヤ回収した、後、紫色の果物もあったの今日明日で食べれる量だけ採取した。毒キノコは残念だった昨日一気に大量に食べたから残り少なかった。それをエイラ少佐は見ていた本当に残念だ。
森の抜け草原を出ると風が土の匂いを運んでいた。草原を見渡すとアカマツ村の方角とは逆方向に大きい岩が見える周りは草しか生えていない草原なので目立つ。あそこに何かないかと思い目印にして向かうことにした。
「まだ戻るには時間は早いし..どうするかな..あそこに見える岩か石かわからないけど行ってみるか」
草原に生えてる雑草は種類が豊富のようだ、綺麗な白い花を咲かせるものもあれば、草がロキの背丈以上の長さで生えているものがあり、視界と進行を邪魔している。
「この草の葉っぱ邪魔だな、目の前が見え辛いな。遠くからだと分からなかったけど、視界不良で大変だ」
⦅ロキ二等兵、魔物がいる静かにしろ⦆
その言葉と同時に身を隠すようにしゃがむ。
⦅エイラ少佐どこに魔物がいますか⦆
⦅ロキ二等兵から右に5m程だ⦆
そんな近くに魔物がいることに驚く。
⦅えっ、本当ですか全然分からなかった⦆
⦅ナノメタルもこの草原では視界不良だ、もう少し慎重に進むべきだ⦆
⦅了解しました⦆
⦅それで魔物はどうする⦆
⦅当然狩ります。背後から襲われたくないので⦆
腰に装備してる短剣を両手で抜く。
視界を邪魔している草を手で払い、しゃがみながら進む。進行速度は遅れるが魔物に気を付けながら進んでいると、くちゃくちゃと何かを食べてる音が聞こえてくる。
⦅食事中ですか?⦆
⦅あぁ、食事中だ。獰猛で肉食の魔物だ気を付けなさい⦆
ロキは真剣な顔して頷く。
一歩一歩と近づき食事中の音も大きくなる、目の前にいる気配を感じ、ゆっくり視線を向けると、見えてきたのは土で汚れているが白い毛でふさふさし、つぶらな真っ赤な瞳をしたウサギがいた。だがその額には鋭く長い角が見える。
⦅う..ウサギか? フワフワして可愛いな..尻尾が揺れて可愛い。毛が白いんだな、雪国でもないのに白いんだ⦆
ウサギに似た魔物を見て魅了されていたが。
⦅..でも、額に角があるなあれは危険だな。それにしても瞳も真っ赤で可愛いな。一生懸命食べているけど何を食べているんだ。......えっ⦆
魔物が食べていたのは白い毛でウサギに似た魔物だった。共食いを見て絶句した。
⦅あれは..もしかして⦆
⦅共食いだ⦆
⦅......⦆
⦅ロキ二等兵あれは、一角ウサギだ。一角ウサギは雑食性で何でも食べる。それが同じ種族でもあっても弱い個体は強い個体の糧になる。そして当然好物は人間の肉だ!⦆
ロキは目をつぶり力を込めて、気持ちを切り替えるように目を開く。
⦅..行きます⦆
<戦気>スキルを両手の短剣に纏い攻撃に移ろうとした瞬間――一角ウサギが突然こちらを振り向く。
ロキはまさかと絶句しながらも、立上り戦闘態勢に移る。
⦅な、なんでーー⦆
⦅ーーたぶん<戦気>スキルだ。敏感な魔物は<戦気>や<闘気>スキルを感じとることができる⦆
⦅そんなことができるのか⦆
ロキが驚愕してると。
⦅ロキ二等兵、今は目の前の一角ウサギに集中しろ⦆
⦅..はい⦆
短剣を構えなおす。
一角ウサギは威嚇するかのように、角を上下左右に振り回す。ロキは角に警戒しながら忍び足で近づく。最初に攻撃を仕掛けてきたのは一角ウサギだった。鋭い角を前にしてロキ目掛けて突っ込んできた。ロキは一角ウサギの注視して警戒していたが驚いた。
「....なっ、早い」
一角ウサギの攻撃を寸前で避けたが、角が鎧を掠めた。
一角ウサギは直ぐに振り向き威嚇する。
ロキは身体にダメージがないか確認する。
「危なかった。あんなに瞬発力があるとは思わなかった」
⦅一角ウサギの角には気をつけろ、普通の人間の胴体であれば風穴が空くぞ。ロキ二等兵の頑丈な身体でも深刻なダメージを受けるぞ⦆
ロキは攻撃力の<戦気>よりも、身体能力が向上する<闘気>スキルに切り替える。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
<闘気>スキルを纏い気合を入れろ共に両手で持っていた短剣を右、左と順番に一角ウサギに向かって投てきする。
一角ウサギは短剣を避けるように横に回避する。
ロキは一角ウサギが短剣を回避し着地するタイミングに近づき蹴り上げる。
「ブッ!」
可愛らしくない泣き声を上げた、一角ウサギが宙に上がって身動きできない状態の胴体に――。
--<闘技>正拳突きーー
一角ウサギは吹き飛び何度かバウンドしながら地面に倒れそのまま絶命する。
他の魔物がいないか周囲を警戒し、いないことを確認すると力を抜くため息を吐く。
「ふぅーー」
全身の力が抜け<闘気>スキルも解除され一息つくことができた。
投てきした短剣を回収し、解体するため一角ウサギに近づく。
一角ウサギの解体してる時にエイラ少佐の声が聞こえる。
⦅ロキ二等兵、なんで今回の戦闘は<戦闘モード>を使わなかったのだ⦆
解体しながら答える。
「今回の戦闘は一角ウサギ一体だけでしたので、使用しませんでした。それに<戦闘モード>は強力な力なので温存したいと思いました」
⦅....ロキ二等兵の考えは理解した。だが魔物が一体だからといって決して手を抜くな⦆
⦅了解しました。エイラ少佐⦆
解体した肉を大き目な葉っぱに包みリュックサックに入れる。もちろん魔石と討伐証拠も回収し内臓るいは捨てた。
「今晩の献立は一角ウサギの肉だな」
リュックサックを背負い大きい岩に視線を向ける。
「良し後少しだ」
一角ウサギの戦闘から数分達歩き続けると、草原の草が視界を邪魔して見え辛い。
「エイラ少佐方向は会ってますか?」
⦅大丈夫だ。あと少し行けばたどり着く⦆
歩き続けるとようやく目的地の岩にたどり着くことができた。岩の大きさは推定15~20メートルぐらいある大きさで驚愕した。
「これはでかいな~なんでこんな岩が草原にあるんだ。なんか石質もこの辺とは違うような、色も違うから別の場所から来たのか。まぁ、とにかくいい目印になるか」
視線を傾けながら目の前の岩の大きさを確認した。
「この岩を一周してみるか、どのぐらい大きいか分かるし」
岩の周りを半周歩いてると、その先に水たまりができており、近づいて良く見てみると地面から気泡出ていた。
「こんな所に水があるのか、雨で水たまりができたのか? うん? 違うな少ないけど水が地面から出てるから湧き水か」
他にないか周辺を見渡すとぬかるみになっている箇所があり、その場所に獣の足跡を見つけた。
「この足跡は?」
⦅少し調べてみる時間をくれ。......分かったぞ風牙狼の足跡だな。しかも複数ある⦆
「ここにいたのか」
⦅あぁ、ここで水を飲んでいたんだろう⦆
「明日からこの周辺を探し見よう」
⦅今日はいいのか⦆
ロキは太陽を見る。
「もう少し時間が経ったら日が沈みそうなので戻ります。それに晩御飯の準備しないと」
風牙狼の痕跡を見つけ足取り軽く帰路につく。




