30話 風牙狼の情報
ウィリアム達と分かれてから冒険者ギルドに向かうことにした。ハルカから風牙狼の素材があれば作成できると聞き情報収集することにした。
冒険者ギルドの中に入ると依頼板に冒険者が集まって依頼を見ていた。
「おい、午後の依頼が貼ってあるぞ」
「いいのないかね~」
「誰か私と一緒に依頼やりませんか?」
「護衛依頼でもやるかな」
「外に出る前にポーションの補充しないとな」
「最近護衛依頼が多いな」
「なんだお前知らないのか? 最近、盗賊団の被害が多いから冒険者を多めに雇てるんだよ」
「だからか、近隣に行く衛もあるからな」
「騎士団はなにやってるのか」
「グリーンウルフでも狩りに行くかな」
グレーテル城塞都市の冒険者ギルドでは午前と午後で一日2回新しい依頼が貼り付けられる。
ロキは依頼板を見ると人が混んでいたので受付に向かう。
⦅依頼板は....後でいいか人が多すぎる。討伐証拠の買取もあるし風牙狼の情報も聞きたい⦆
受付に並び数十分経ち順番が来ると目の前の受付カウンターに青色の髪をポニーテールにしている人間の女性だった。当然ながら美人だ。
女性は笑顔で応対する。
「いらっしゃいませ。ロキさん」
初対面の人で名前を言われて驚く。
「..えっ、名前なんで知ってるんですか?」
女性は眉をひそめる。
「あっ、ごめんねロキさんは有名だから」
「ゆ、有名ですか?」
「副ギルドマスターのお気に入り有名だよ」
「お気に入りですか?」
「うん。それと私はリリアナよろしくね」
「俺はロキです。よろしく」
「それで本日は討伐報告ですか」
「あ、はい」
ロキはリュックサックから荷物を取り出し、ギルドカードと一緒に渡す。リリアナは笑顔でギルドカードと素材を回収して査定に入る。
討伐証拠と魔石の査定が終わり買取金とギルドカードを渡される際に質問する。
「リリアナさん風牙狼の情報はありますか?」
「..風牙狼ですか..少々お待ちください」
リリアナがマジックデバイスを調べてる。
リリアナが答える。
「風牙狼は最近はありませんでしたが、60日前にアカマツ村付近の森で見つかったと報告があります」
「本当ですか!」
「はい。確かな情報です。討伐の報告もありませんでした。ですが、60日前の情報ですから移動した可能性もあります」
「そうですか。情報ありがとうございます」
「いえ。お仕事ですので」
リリアナから風牙狼の貴重な情報を聞き今後のことを考える。
⦅エイラ少佐、アカマツ村行ってもいいですか⦆
⦅風牙狼か? 60日前の情報だろ⦆
⦅古い情報ですが行って確認したいです⦆
⦅ロキ二等兵が使う装備だ判断は任せる⦆
⦅本当ですか、電子生命体を探さないといけないのにありがとうございます⦆
⦅それに場所を変えて探すのも悪くない⦆
⦅それじゃ、しばらくはアカマツ村を中心に探しましょう。後はどうやって行くかだな場所が分からない⦆
⦅......ロキ二等兵それだったら護衛依頼でないか探してみたらどうだ⦆
⦅そっか依頼か早速探して見よう⦆
ロキは依頼板に向かと。まだ人がいっぱいで混みあっていた。
午後の依頼は明日からの護衛依頼が多くあり、王都クロスや迷宮都市ラクスへ行く護衛依頼は人気がある。それ以外の近隣の村等の護衛依頼は人気がない。
ロキが依頼を探してると冒険者達の話し声が聞こえてくる。
「....ろくな依頼がないな今日は帰るか」
「おい、メリーこの依頼一緒にやろうぜ」
「迷宮都市ラクスの護衛依頼かーーどうするかな」
「迷宮都市ラクスと言えばよ知ってるか?」
「な、なんだよ。もったいぶるなよ。教えろよ」
「俺も酒場で聞いたんだけど迷宮都市ラクス近辺で行方不明が多発してるんだよ」
「行方不明だ~~」
「あぁマジだよ。迷宮都市ラクスから来た冒険者から聞いたんだからよ」
「そんなのよ~魔物に襲われたんだろ。なんも不思議じゃねぇだろが」
「んなの分かってるよ。だがよ、行方不明になった奴等にBランクの冒険者がいるんだよ」
「Bランクだーー。益々ありえねーよ。Bランクだぞ、俺達見たいなCランク冒険者じゃねぇだろ」
「そうだよ、その凄腕のBランク冒険者が行方不明なんだよ」
「そりゃ~やべ~な~」
「あぁ、やべ~な~」
迷宮都市ラクス近辺で起きてる行方不明を聞いていたが、今は興味ないと聞き流す直ぐにアカマツ村関連の依頼がないか探す。
最初に見た依頼板の端から端まで見たがなかった、それを3回目の依頼板で繰り返してると。
「――ない。ここはどうだろう。うーーんここもないか~~。ここはどうだアカマツ村....アカマツ村..えーーとアカマツ村。うん? あ、あったアカマツ村護衛依頼だ。内容は? どうだ」
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依頼主: アカベリー商会
依頼内容: アカマツ村への護衛
応募資格: Dランク以上
応募期間: 期限の前日正午まで
応募内容: グレーテル城塞都市からアカマツ村まで2~3日間の護衛任務
報酬: 10000ゼニ―
備考: 護衛中の食事は各自で用意。護衛中の障害になる魔物討伐された魔物の素材は冒険者に分配される。
滞在期間有り最短で2日、最長で20日
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「ふーーん。2~3日ぐらいでアカマツ村に着くのか。でも滞在期間があるのか? これは普通なのかな?」
護衛依頼に滞在期間があることに疑問に感じてると。
⦅ロキ二等兵、アカマツ村で探索するんだ都合がいいだろう⦆
⦅....確かにそうですね。なにかあれば依頼者に質問すればいいし、それにアカマツ村の場所が分かれば問題ないですね⦆
もし滞在期間が短ければ周辺の探索ができないが、場所が分かれば一人で来ればいいと判断した。
「後は依頼を受理した後にポーションやテントを買いに行ったほうがいいかな」
⦅ポーションやテントは必要か?⦆
⦅..えっ、ポーションは回復に必要です⦆
⦅薬草があるだろう⦆
⦅お金もあるしポーションで回復を⦆
⦅薬草で十分だ⦆
⦅....分かりました⦆
ロキは悲痛な表情をして渋々納得する。
今までずっと薬草で回復をしていた。当然なにも味付けなどしていない草のままだ。口に含むと土の匂いがし噛み締めると口全体に生臭い匂いが充満する。そうまずいのだ。毒キノコとは違うまずさだ。そのため薬草からポーションに変更しようとしたがエイラ少佐に止められた。ロキは知らないポーションもまずいことを知らない。
ポーションを止められたロキはオドオドしながらテントの有無を聞く。
⦅外で寝泊まりするのだからテントは必要ですよ⦆
⦅必要ない⦆
⦅お金もあるしテ――⦆
⦅ロキ二等兵お前のために言ってるんだ。テントが必要ない理由は周囲への警戒で察知系のスキルを獲得するためだ、薬草は回復系のスキルためだ⦆
ロキは俺のためと言われ、何も反論できず肩を落として納得する。
⦅......分かりました⦆
アカマツ村の護衛依頼板の前に数十分いたが、他の冒険者が見に来ることはなかった。そんなに人気が無い依頼なのか若干の不安を持ちながら受付に向かう。
「あっ、リリアナさんこの依頼をお願いしたいんですが」
受付カウンターにいたリリアナにギルドカードを渡す。
リリアナが依頼の作業してると少し驚いた表情をする。
「あら、この依頼は....」
ロキは不安な気持ちで言う。
「な、なんかあるんですか」
リリアナが右手で口を抑えながら苦笑いをする。
「....えーーとね。この依頼はね余りにも人気が無いから20日以上ずっと残ったものなの、ロキさんが依頼をやってくれて助かるわ」
「..どうしてそんなに人気がないんですか?」
「そうね。他の護衛依頼に比べてお金が安いことと、それに一番の理由は滞在期間ね」
「やっぱり滞在期間ですか、他の依頼を見ても商会のお店の前か、冒険者ギルドで依頼達成でしたから」
「そう滅多にないわね。滞在期間があるのは..理由はここで言えないけど依頼者本人に聞いて下さい。えい! 頑張って下さい。もう受理しましたから断れませんよ」
リリアナはロキに依頼を断るかもしれないと思い。断る前に依頼を受理した。その後、笑顔でギルドカードを返却する。
ロキは少し戸惑いながら言う。
「べ、別に依頼は断りませんよ。ただ他にも冒険者はいますか?」
「あら、そうだったの? うーーんと他の冒険者はいますよ、アカマツ村の出身がいますからロキさんのおかげで募集限度人数が決まりました。では明朝の護衛依頼よろしくお願いします」
リリアナは笑顔で手を振って応対した。
冒険者ギルドを出たら外はすっかり夕日色に染まっていた。冒険者達や外で食事する街の住人は店を周り、今晩の飯処を探している。店の人達も広場や道路で呼び込みをしていた。
「凄いなーー。お店への呼び込みが、日本も駅前は凄かったけどこっちの方が凄いな」
呼び込みをしているのは男性だけではない、女性の呼び込みもいる。着ている服が薄地で大胆な服装だ、殆ど水着みたいな恰好だ。あちらでは男性客が甘い声で誘惑されてお店に連れて行く所が見える。
綺麗な女性で呼び込みをする店は、碌な店がなかったと思い出すと身震いする。
「うぅぅぅぅ、嫌なことを思い出した」
⦅ロキ二等兵どうした⦆
⦅いえ、昔のことを思い出して....若い時に横浜でぼったくりに会って酷い目に....⦆
ロキは嫌な記憶を思い出したくないと急ぎ足になる。
⦅ロキ二等兵本当に大丈夫か⦆
⦅大丈夫です。さぁ、急ぎます。今ならまんぷく亭の宿も空いてるでしょう⦆
このハニートラップだらけの広場からいち早く離れる。
まんぷく亭で無事を泊まることができた。まんぷく亭の女将も覚えてくれて心配してくれた。久しぶりに人情の温かみを感じることができた。ちなみに食事はオークシチューだった。旨かった、トロトロのオーク肉が絶品だった。
部屋に戻りベッドの上に座ると明日のことを考える。
「明日から護衛依頼でアカマツ村に行き。当分はそこを拠点に風牙狼と電子生命体を探します」
⦅当分はそれでいいだろう、ではいつも通り毒キノコを食べてスリーブモードに入りなさい⦆
リュックサックから毒キノコを取り出すと。
⦅ロキ二等兵、今日から倍に増やしなさい⦆
ロキはその言葉に固まる。
「えっ、倍ですか? どうして?」
⦅スキルlevelを上げるためだ、文句はないだろ⦆
エイラ少佐がいつもより弾むような喜びな声で話した。
ロキはエイラ少佐からのプレッシャーを感じた。嫌々ながら手をリュックサックに入れたが、どうしても勇気がでない毒キノコを出す勇気がそうするとーー。
⦅ロキ二等兵早くしろ⦆
エイラ少佐のいつも以上の冷たい声が聞こえた。
ロキは諦めリュックサックから毒キノコを取り出しベッドに置く。いつもの倍になった毒キノコを眺めて..一気に口に運ぶ。
「うっ! うぐ、まずい。オークシチューの味が毒キノコに上書きされていく......」
毒キノコを食べたままスリーブモードに入ったロキを見て楽しんでいる者がいた。
⦅ふっふっふっふっ面白い! いいデータが録れそうだ。ふっふっふっふっ⦆
ロキは今日も実験台にされて一日が終わる。
読んでいただきありがとうございます。
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