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29話 オークメイジの遺品

 俺は今グレーテル城塞都市の中にいる。古き新緑の森で冒険者まがいの盗賊達を討伐してから、マラソンで移動し丁度昼頃に着いた。


 街の様子を見ながら手を組む。

 「さて、どうするかな? 冒険者ギルドに先に行くべきか? ナタリー魔道具屋でネックレス見てもらうか? 変態筋肉の武器屋によるか?」

 ⦅ここから近いのはナタリー魔道具屋だ⦆


 エイラ少佐が助言してくれた。


 「行ったり来たりするのは面倒だからナタリー魔道具屋に先に行きますか」


 ナタリー魔道具屋に向かいながら聴覚機能で聞き耳立てていた。


 「おかぁさ~んどこいるの~。ふぇ~~ん」

 「我等疾風怒濤の天上天下団、どんな悩みも一発解決、どんな商品もある、何でもある無敵な商隊だーー。ダンディ~だろ~~」

 「店主この野菜高いんじゃない。これぐらいにしてよ。お・願・い。......はぁっ、こんなにお願いしてるのにふざけるな。二度と買いに来ねぇぞ」

 「......奥さん勘弁して下さい。この前も安くしたじゃないですかーー(二度と来ないでくれ)」

 「マユちゃ~~ん。どこにいるの」

 「また、馬車が襲われらしいぞ」

 「あぁ、聞いたよ。襲われた馬車の客が殺されたらしいな」

 「男達は殺され、女を連れ去られた。酷い話だ」

 「領主様はなにやってるのかね」

 「第二騎士団が盗賊の討伐に出てるけど、拠点がわからないらしい」

 「なにやってるのかね」

 

 ロキが聞き耳をしてるとエイラ少佐が呆れる。


 ⦅ロキ二等兵いい趣味だな⦆

 ⦅情報収集ですよ。エイラ少佐だってナノメタルでやってるじゃないですか⦆

 ⦅....一緒にするな⦆


 理不尽だなと思う。

 ⦅まぁ~いいですよ。それにしても電子生命体は見つかりましたか?」

 ⦅反応はないな⦆

 ⦅この近くにはいない可能性が高いですね⦆

 ⦅その可能性は高いな⦆

 ⦅別の地域を探しますか?⦆

 ⦅検討してみよう⦆

 

 エイラ少佐と会話しながら歩くと、ナタリー魔道具屋が見えて来た。


 店の中に入ると店主のナタリーが笑顔で挨拶して俺に気づいた。


 「いらっしゃいませ~。あれ、新人冒険者かまた来てくれたんだね」

 

 ナタリーの親しみやすい笑顔に反応してしまったが、騙されてはいけない、あれは只の接客対応だ。絶対に騙されないぞ。


 決意してるといつも以上に冷たい声が頭に響く。

 ⦅ロキ二等兵うざい。早くネックレスのことを聞け⦆

 

 うざいと言われ傷つくが、なんとか踏ん張り頬を引きながらナタリーに話しかける。

 

 「あ......また来ました」

 

 ナタリーが心配そうに覗く。

 「だ、大丈夫。顔が強張ってるけど」

 「大丈夫です。ここに来る前に上司から悪口を言われたけなので」

 ⦅ロキ二等兵、お前はまた......覚えておくぞ⦆

 心の中で負けないと念じりながら立ち続ける。


 ナタリーが本当に大丈夫なのと再度覗く。

 「本当に大丈夫。顔色悪いよ」

 

 ロキは大袈裟に手で大丈夫ですとアピールする。

 「はははは、大丈夫ですよ本当」

 

 ナタリーは苦笑いしながら対応する。

 「それで今日はなにか買いに来たの」


 「これを見て貰いたくて」

 ロキはリュックサックを床に置きネックレスを取り出す。


 ナタリーはネックレスを見つめる。

 「これはどうしたの?」

 

 ネックレスをカウンターに置き。

 「このネックレスの鑑定をお願いしたいんですか」

 「鑑定? できるけど、冒険者ギルドにも担当がいたはずだけど」

 「見てもらうとした時は担当者が不在でしたので」

 「そうなのね。鑑定料は500ゼニーだよ」

 ナタリーは手を広げて500ゼニーだよとアピールする。


 ロキは銅貨を5枚取り出しカウンターに置く。

 「これで鑑定お願いします」

 「では早速鑑定させて頂きます」

 ナタリーは引き出しから魔道具を取り出す。タブレット端末見たいな形だ。


 ロキはナタリーが使ってる魔道具を見る。

 ⦅エイラ少佐はあれは何ですか⦆

 ⦅あれは、魔力付与の属性を調べる探知機だな。どの属性で効果がわかる魔道具だ⦆

 ⦅便利な魔道具だな。だけど<鑑定>スキルはないんだな⦆

 ⦅ロキ二等兵、何度も言うが<鑑定>スキルはユニークスキル以上の価値だ⦆

 ⦅そうでした⦆

 

 <鑑定>スキルは誰もかが最初に得たいと思うスキルである。人類や魔物を鑑定するだけで相手の強さがわかり、そして弱点もわかる。弱点をつけばどんな強敵でも倒すことができる。強さだけではなくアイテムの鑑定もだ。鑑定するだけで商品の価値がわかり転売するだけで行商人チートができるわけだから、無双を嫌う神が<鑑定>スキルをユニークスキル以上に獲得条件を高めた。このハオの世界で<鑑定>スキル持ちが存在するか不明である。


 ナタリーが魔道具を調べながら質問する。

 「それにしても、このネックレスはダンジョンで手に入ったの?」


 ロキは右手を上げて横に振る。

 「違いますよ。オークメイジが持っていました」

 

 ナタリーが顔を上げて驚く。

 「えっ、オークメイジ!」

 「はい。オークメイジです」

 「新人君この前冒険者登録したばかりだよね」

 「強くなるため修行しました」

 

 ナタリーは苦笑いしながら答える。

 「修行か....。それにしても新人君なんて失礼だったね。一人前の冒険者だからロキと呼ぶよ」

 「気にしないでください。ナタリーさん」


 会話をしていると魔道具から音が鳴り響いた。

 「丁度終わったね。調べるから少し待って」

 

 ナタリーは魔道具を覗き話しだす。

 「ふむ。分かったよ。属性は火だ。そして効果は火属性の魔法の威力を30%上げて、耐性も20%向上するね。これは火属性限定だけど凄い効果だね」

 

 ロキはネックレスの効果を聞いて喜ぶ。

 「確かに凄い効果だ。だから、オークメイジは火属性の魔法を使ってきたのか」

 ロキはオークメイジと戦ったことを思いだしていた。


 ナタリーは両手を叩く。

 「このネックレスはダンジョン産並の効果だね。それでどうする売るのかい。高く買うよ」


 ロキは腕を組んで悩む。ネックレスの思わな価値に。

 「ちなみにいくらで買取ますか」


 ナタリーは指を三つ立てた。

 「このぐらいかな」

 「30000ゼニーですか?」

 「違うよ。300000ゼニーだよ」

 「結構高いですね」

 「このぐらいの価値はあるよ。それでどうする」

 

 ロキは悩んでいた。今は魔法が使えないから売るべきだと思うが、今は使えないだけだ寝て覚めたら使えてるかもしれないと思考を巡る。


 エイラ少佐が呆れたように話す。

 ⦅それはない。阿保か!⦆


 ロキは頭の中で響く邪念を捨て決意する。

 「売りません」

 「うーーん残念」

 ナタリーはロキの表情を読み切って諦めた。


 「鑑定ありがとうございました」

 「また、いつでも来てロキ。ネックレスの買取も待ってるからね」


 ナタリー魔道具屋を出て歩き考える。


 ⦅ネックレスの価値が結構したな正直驚いた⦆

 ⦅そんなことよりも必要ないのに、何故売らなかったのだ⦆

 ⦅今すぐ売る必要もないですから。それにお守りみたいなものです。持ってたらなにかるかもしれない⦆


 エイラ少佐が呆れ答える。

 ⦅ロキ二等兵、私の話しを聞いてるのか。今はなにを言ってもしょうがないな。それで次はどこに向かうんだ⦆

 ⦅はい。 ..武器屋に行きます⦆


 武器屋の近くまで来たが拒絶するかのように身体がいうことを利かない。変態筋肉に会いたくないと拒絶してようだ。


 ロキが身体の自由が効かないと悩んでいると肩を叩かれた。もしかして変態筋肉か?

 

 ビクビクしながら視線を向けると変態筋肉の娘のハルカさんだった。

 「久しぶり覚えるかな?」

 「ハルカさんですよね。良く自分の事覚えてましたね」

 「覚えてるよ。私が作成した装備を着てるんだから......それにしても」

 ハルカの目線が厳しく身体を見てくる。


 ハルカは困ったような表情をして答える。

 「この装備劣化は酷いね。大事に使ってくれるのは嬉しいけど、そろそろ限界だよ」

 

 ロキは頷く。

 「そのことで相談があります」

 

 ハルカが頷き。

 「相談? それでしたら立ち話しも何ですから、マリ装備屋で話しをしましょう」

 「マリ装備屋?」

 「もしかしてお店の名前知りませんでした」

 「はい。お店の名前」

 「うん。お母さんの名前だね。昔は嫌がってたけどね。ーーお店に行こうか」

 

 マリ装備屋に入ると、目の前に暑苦しい山が見えた。その山は時たま跳ねるようにピクピクと動き、また山の恵みが噴き出る。そう変態筋肉が筋肉を膨張させ、身体中から汗が噴き出る。


 見苦しいものを見せられ、通行に邪魔な筋肉。


 隣にいたハルカが声を上げる。

 「お父さんお店の出口でやらないで邪魔だよ」

 「すまん筋肉が暴れ出してな。んっ」

 変態筋肉が娘から目線を変える。


 「久しぶりだな小僧。ちゃんと筋肉鍛えてるか」

 

 ロキは筋肉の事は無視し普通に答える。

 「久しぶりです。短剣の交換とハルカに相談できました」


 変態筋肉ウィリアムが答える。

 「ハルカに相談......装備のことか随分と使いこんだな。短剣は前と同じ物でいいのか?」

 「はい。お願いします」

 「良し待ってろ奥から持ってくる」

 変態筋肉ウィリアムは店の奥に向かう。


 横からハルカの声が聞こえる。

 「こちに来てロキさんでいいんだよね」

 「はい。ロキです」

 「それで相談ってやぱっり装備のこと」

 

 ロキは頷く。

 「はい。作成依頼できますか」

 「ごめんね。あれから時間は経っているけど風牙狼の素材がないの」

 「素材がないのか」

 ロキは肩を下げて落ち込む。前に来た時も素材がないから断れていた。


 ハルカが少し悩みながら答える。

 「他の魔物の素材は駄目なの?」

 「風牙狼と同じ俊敏値が上がる素材はありますか?」

 

 ハルカは可愛らしく色んな表情をして答える。

 「うーーん。無いかも剣熊だと腕力値だから~。風牙狼はこの辺りでは生息数が少ないから滅多に市場に出てこないからどうしよう」

 「そうですか。諦めるべきかな」


 ロキとハルカが悩んでいると、商品の整理をしていたマリが話しかけてきた。

 「2人で悩んでいても分からないはよ。ロキ君は冒険者なんだから冒険者ギルドで聞いた方が早いわよ」

 「そうですよね。魔物のことは冒険者ギルドで聞いた方がいいですね」

 

 ロキ達3人で会話してると店主のウィリアムが短剣を抱えて持ってきた。

 「多めに持って来てやったぞ」

 「ありがとうございます」


 その場で貨幣を渡し短剣と交換する。


 ロキは玄関の前でハルカに振り向いて答える。

 「ハルカさん風牙狼の素材が手に入ったら作成お願いします」

 「任せて。でも無茶はしないでね」

 

 ハルカが笑顔で手を振る。



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