29話ー蠢く者
短いです。
「やられたか……堕とすまでにあれだけチカラを集めたのに泡になったな」
残念そうな声色とは対照的に、男の表情は楽しげだ。
豪奢な椅子__玉座に座る男は笑う。
自らが紡ぐ終わりを邪魔する異端分子。
地に倒れる下僕達。
亡き神に仕える憐れな守護者。
だがそんなことで復讐を諦めなどしない。
全てを奪われたあの日、立てた誓い。
決して忘れないと決めたあの感情。
「この世界の…」
癒えない悲しみ。蓄え続けた憎しみ。
込み上げる怒り。狂った心。
この男のしていることが正しいかは分からない。
けれどこの世に生きる者に、それを否定する権利はない。
___全てを、葬り去ってやる。
男は傍らの花を握り潰した。
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からん
だれ?
からん、ころん
旅人だよ。
しゃん
面白い音。
しゃん、しゃん
そうかい?
からん、ころん、からん
うん、はじめてみた。
しゃん、しゃん、しゃん
僕が履いているこれはゲタ、持っているのは鈴と言うんだよ。
なんでおとがするの?
さぁ、分からない。けれど癒すための音であるのはたしかさ。
なにをいやすためのおとなの?
僕は、全てを癒すための音だと思ってる。
すべて…?
きっと君にも分かるときが来るさ、次に会うときは答えを聞かせてくれないかい?
うん!やくそく
ああ。またな、坊や。
癒しの音 聖なる音
巡った季節の情景
またいつか会うその日まで




