24話ー出逢い
「久しぶりね、皆」
「…マスター、一人増えてないか?」
「細かいことは気にしなくていいわ」
「いや、細かくはないとおも」
「細かいことは気にしなくていいわ」
「はい……」
カイルの指摘を圧力をかけて黙らせたブランシェ。
出発した時にはシュリも含め四人だった一行は、五人となって帰ってきた。
「初めまして…ヒカル・ヤナギです。これから世話になります」
軽く頭を下げたのは皇国では一般的な色合いの髪と瞳をもつ青年だった。
年は二十歳を過ぎたくらいだろうか。
全ては二日程前に遡る。
「…で、お前が魔族を封じたって事か」
「はい。…正直、未だに混乱してます。自分でもどうやって呼び寄せたのか分かりません」
ラピスが帰還した後、三人は件の青年に事情を聞いていた。
青年の名はヒカル・ヤナギ。
妹を亡くし、魔族と相対した人物だ。
チカラに目覚め聖獣を操ったことも、一部には知られている。
この里はそもそもティラードの系譜に生まれた者が住んでおり、齢25を迎えた者だけにその事実が知らされる事となっている。
その為現在齢21のヒカルは、チカラを目覚めさせるまではそんな重大な事実を知らなかったのだ。
カラギアは話を聞きながら考えを巡らせる。
いつこの場所に民が住んでいるという情報が漏れたのか。
漏れたのだとすれば情報源は何なのか。
そして___来るべき時が近づいているという、確かな予感。
「お前は、これからどうしたいんだ」
ヒカルに向けられた言葉。意志を問い正す言葉。
カラギアは人を無視する強引なやり方を好まない。
ヒカルは俯き、目を閉じている。
自分が何をしたいのか。
魔族への報復?___それは違う。もう既に妹の仇は打った。
このまま里で暮らす?___そうすれば、次は里の皆が危なくなるかもしれない。
よって答えは…
「俺は……里を、出ます。魔族にも魔族の伝令役がいるのなら、俺はもう目を付けられている事になります。…里を、皆を危険に晒したくないです」
その言葉に顔を上げたのは里長だった。
悲しそうにヒカルを見つめ、目を伏せる。
カラギアはヒカルの目を真っ直ぐ見つめた。
ヒカルもまた、カラギアを見つめる。
「じゃ、お前はブランシェのギルドに入れ」
「………え?」
「何言ってるのカラギア!?」
一拍置いて呆然とするヒカルと声を上げるブランシェ。
カラギアは真面目に頷いた。
「その方が安全だしな」
「それは分かるけど、どうしてうちのギルドなのよ」
「考えてみろ。俺のギルドの連中は血の気が多い」
「そうね」
「つまり乱闘が絶えない」
「しっかりしなさいよ」
ブランシェの容赦ない言葉が心にグサリときたのか、カラギアの顔が翳る。
「…ともかく、俺のギルドにこいつを入れるのは忍びないって事だ」
「確かにそうね……。よし、ヒカルの事は任せなさい。あ、敬語はなしよ」
良い笑顔でブランシェは告げた。
「宜しく頼む」
ヒカルは少し戸惑いながらも、頭を下げた。




