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蒼銀の死神ーRapis Silver Jokerー  作者: 折鶴夏葵
2章 夏期休暇
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18話ー精霊の解放


里の朝は早い。

朝靄あさもやの中をラピス達は進む。


精霊を石から解き放つ為に、真相を解き明かす為に。

ラピスはしっかりと前を見据え、歩く。





里の祭壇で、儀式は行なわれようとしていた。

今まで精霊が閉じ込められた事は一度も無い。

万全を期すため、祭壇で行なう事となったのだ。


『ラピス』

「うん…大丈夫。分かるから」


里の面面とブランシェ達が見守る中、ラピスは息を吸い込んだ。



【解放__それは自由  どこまでも広がる蒼穹の空

 解放__それは希望  暗闇の中に射す光

 縛りは無い  鎖は消える  永久とこしえのチカラ

 今此処に   解き放て】



瞬間、石から光が溢れ出した。

辺りは淡い緑色の光に満ち、やがてひとつに集束し始める。


「解放、出来たの…?」

『はい、私は此処にいます』


ラピスは声を聞き、勢いよく顔を上げた。

視線の先には黒い髪に新緑の瞳をした精霊。


『ありがとうございます、姫。そしてはじめまして。私はリラといいます』

「はじめまして。…私は、私にしか出来ない事をしただけだから、気にしないで」


ふるふると首を横に振る。

そんなラピスに


「…あなたは、何で閉じ込められてたの?」

『リラ、と呼んでいただいて結構ですよ』

「リラ」


ラピスが名を呼ぶと、リラは嬉しそうに顔を綻ばせた。


『はい!何でしょうか、姫』

「リラは、何で閉じ込められてたの」


リラは口を開きかけ、少し考えてからラピスに言った。


『まず、此処では話せません。さ、こちらへ…精霊界に翔びます』

「精霊界、に?」

『そう。王達がお待ちです』


“王達”


「何で…」


ラピスの問いには答えず、リラはその場にいた一同へ「姫をお借りしますね」と告げると呪文を唱え始めた。


『偉大なる精霊の調べの下へ  繋げ 回廊』


目を開けることすら出来ない程の閃光が走った。





「っ…。此処、まさか」


目に飛び込んできた景色にラピスは見覚えがあった。

忘れもしない三年前の記憶。

師を自らの手で殺めた直後、かくまわれた場所。


『…はい。確か貴女は、此処を訪れた事がおありでしたね。王達から聞いています』

「そう。私は三年前に此処に匿われた。…魔族から、身を隠すために」



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