表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼銀の死神ーRapis Silver Jokerー  作者: 折鶴夏葵
2章 夏期休暇
47/85

7話ー道中


草原を走る影。

獲物は鋭い牙を持ち、蛇の様な体からは体毛に覆われた四つの足が伸びている。


異形の魔物は、草原を駆ける。

本能で、自分に勝ち目が無いことを悟っていた。


追いかける影は小さい。

だが、確かな殺気を魔物に向けていた。


キラリ、と魔物の視界に入ってきた光。


ギシャアアアァッ


魔物の断末魔が、広い草原に響く。


事切れた死骸に近寄っていくのは、蒼銀の髪を持つ少女。

ニヤリ、と笑うその姿は、妖しくも美しい。


「あー、ラピスにまた負けちまった」

「当然。…私、負けないもん」


ラピスは駆け寄ってきた少年___カイルに微笑む。


美しい、の一言に尽きる笑顔なのだろうが、血にまみれた死骸が背後にある所為で、恐ろしい。

手早く討伐部位を剥ぎ取るラピス。

カイルは慣れているので特に気にしないが、後から駆け寄ってきた面面つらづらはひくり、と頬を引き攣らせる。


それもそのはず、ラピスは嬉々とした表情で部位を剥ぎ取っているのだから。

その反応は正しい、ただカイルが慣れているのがおかしいだけだ。


「…おい、いつもこんななのか?」

「?それがどうした」


完全に感覚が麻痺している、と黒曜のメンバー以外の者は思った。

そんな周りの様子を見て、カイルは苦笑する。


「まぁ、始めは驚いたけどな……。いや、慣れって恐ろしい」


気にならなくなったのは何時ごろからだったか、とカイルは考えるが、思い出せないようだった。

意外とカイルは順応性が高いのかもしれない。


今は五大ギルドの精鋭たちがカナン皇国へと向かっている最中だ。

船のある港を目指し、草原を進んでいる。


大陸内であれば基本は馬車で、別大陸に行く場合は転移陣か船を移動手段として使うため、帝都から皇国までは丸三日かかる。

無論、途中で魔物に襲われることもあり、その度にメンバー達は魔物を狩る。


この行事は年に一回、魔物が活発に活動する夏に行われている。

定期的に狩っていかないと魔物の個体数が増え、各地に被害を及ぼしてしまうからだ。


その為、道中で発見した魔物をひたすら狩っていく。

「獲物は早い者勝ち」と決まっているので、各ギルドのマスター以外は馬車に残らず魔物を狩る。



「クソッ、やっぱり死神の嬢ちゃんか」

「見たか!私たちのエースの力!!」

「う…3000ギルを無駄にした」

「ガハハハ、10000ギルの儲けだ」

「よく懲りないな、お前ら」


…馬車に残ったマスター達が「誰が魔物を一番多く狩るか」という賭けが行われているのは余談だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ