28話ー本当の“友達”に
(なんで、リィル…?)
ラピスには、何故今自分の傍にリィルがいるのかが理解できなかった。
___リィルはあの時、私に『恐怖』を感じていたのに
一度恐怖の対象となってしまえば、それが簡単に振り払えないと、ラピスはそう考えていた。
自身もそうなのだから。
ジンはテントを出て行き、中にはラピスとリィルが残された。
ラピスは不安げに瞳を上げた。
沈黙を裂いたのは、ラピスだった。
「……私が、怖くないの?さっき、あんな」
あんな目で、私をみていたのに…
そういうと、ラピスはまた黙りこくってしまった。
どうしようもなく、悲しかった。
いくらラピスがそういう視線に晒されようと、すぐ傍にはギルドの仲間たちがいた。
独りではなかった
・・・きっと独りでは、耐えてこられなかった
壊れてしまっていた
・・・もしも皆に会えてなかったら
『自分という存在は独りではない』と
そういってくれたひとを失くしてきたのに
現れても、また失くしてしまうと思ってきたのに
差し出された手を・・・とってしまった。
『孤独』には勝てないんだ、と分かってしまった。
入学の日、ひとりだったラピスに声をかけてくれたのは他でもないリィルだった。
(私は…、きっと)
__そんなリィルを仲間だと、勘違いしてしまったのだろう
(馬鹿みたい、私……)
「ラピス」
リィルが唐突に口を開き、ラピスはびくり、と反応した。
「私と、友達になろうよ」
リィルが紡いだ言葉は、ラピスにとって信じられないものだった。
「とも…だち?」
「私さ、ラピスのこと、何も知らなかった。…なのに、傷つけた。ごめん。だからこれからはお互いのこと、よく知ろうよ。私はラピスと、友達になりたい」
「怖く、ないの」
「きっともう、大丈夫だよ」
笑顔で返したリィルを見て、ラピスの頬を熱いものが伝う。
___涙だ。
「あり、がと…リィ、ル」
ラピスはただ泣き続けた。




