27話ーテントの中での世間話
リィルは、目を覚まさないラピスの傍にいた。
(何があったの?あの場所で)
駆けつけたその場所には、ラピス以外は何もいなかった。
自分たちが離れる前にあったはずの残骸すら見つからなかった。
「おい、ルカ」
「言いたいことは分かってるよ。……でもそれより、拠点に戻ろう。非常用の狼煙お打ち上げた筈なのに、これだけ時間が経っても教師たちが来ないのはおかしいし」
ルカはそう言うと、ラピスの体を抱き上げた。
「ラピスは、大丈夫なの……?」
「怪我はないみたいだから、気を失ってるだけだよ」
リィルはそれを聞くと、ほっと胸を撫で下ろす。
「起きないな」
「!あ、スノウウェル君か」
「何だと思ったんだよ、ミリアル」
ラピスとリィルのテントに入ってきたのは、ジンだった。
ジンは頭を掻きながら、声をかける。
「呼び捨てで大丈夫だ。長いだろ」
「そういうわけにも…。私、怒られるもの」
「は?誰にだよ」
間髪もいれずに聞き返す。
リィルはうーん、とうなってから強く頷いた。
「幼馴染に」
「幼馴染?付き合ってる奴でもいるのか?」
「うん、キョウっていうの。かっこいいんだよ!」
ただの惚気か、とジンは聞き流そうとしたが
「キョウって3年のかっ!?」
「へ?そうだけど…。知ってるの?」
首をかしげたリィルに、ジンはため息をついた。
「知らないほうがおかしい位だ、あの鬼神だぞ!?外部生でありながら、この学園で頂点に立っている先輩だからな」
「へっ!?キョウ、そんなこと教えてくれなかったよ?」
再びため息。
「ん……、ここ、は?」
二人の話し声が大きかったからだろうか、ラピスは目を覚ました。
「ラピスっ!目が覚めたのね、よかった…」
「リィ、ル…くるし」
リィルはぎゅうぎゅうとラピスを抱き締めたが、あまりにその力が強かったのか、ラピスは苦しそうにしている。
「ミリアル、そろそろ離してやれ」
促され、リィルは慌ててラピスを離した。




