23話ーサバイバル開始
「はあああっ!!」
ギシャアアアッ
カチン、と刀を納める音が響く。
辺りには、本来ここには生息していないはずの魔物であった残骸が散らばっている。
ラピスはそれらを一瞥すると、バタリと倒れ込んだ。
「ラピスっ!だ・・・ぶ・・・・!・・・」
リィル達の声が、段々と遠くなっていく。
「なんで……」
ラピスの視界は闇に覆われた。
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ー3時間前ー
「昨日はお疲れさん。といっても今日からが本番だがな」
教師の言葉に、生徒たちが落胆する。
昨日はこの森に自力で辿り着くというものであったが、ラピス達8班以外は最短でも7時間かけて来たために、一日寝た程度では疲れは取れないようだ。
そんな生徒に苦笑を漏らしつつ、教師は告げる。
「今日から2日間、この森で各班対抗のサバイバル戦を行ってもらう。前日に配ったこのバッチ、全員つけているだろう?これが壊れた奴から脱落だ。班の奴が脱落すると、その人数によって異なるペナルティが与えられる」
ラピスは胸元に付けられたバッチを見やる。
そこには弓矢の象られた校章が描かれている。
「5分後から始めるぞ。ちなみに食料などは自身で調達すること」
「ラピス、頑張ろうね」
「うん」
「でも、どうするんだ?」
ラピスとリィルが話しているところへ、ジンが口を挟む。
「何が?」
「食料とか、拠点とかのことだ。2日間行動できるだけの範囲だが」
「あ、ジンでもそれは考えたんだ、偉いえらい」
「ルカ、人を何だと思ってんだ」
「考えなしのイノシシ、いだっ」
ルカはジンに後頭部をはたかれる。
ジンはルカを睨みつけたままだ。
「だって。ラピスは意見とかある?」
「え、まさかのスルー!?」
「水は魔術で補える。…拠点にするならあっち」
2人はルカの言葉を無視して、話を進める。
ラピスが指したのは生い茂る木々のある場所。
とても拠点を作れるような気はしない。
___パンッ
空を見ると開始の合図である狼煙が上がっている。
「行こう」
「おいっ、待てよ」
ジンがラピスの肩を掴むが、ラピスはそれを反射的に払いのけ走り始める。
「…よし」
後ろに誰もいないことを確認すると、ラピスは語りかけ始めた。
「みんな、いる?」
『ひめだ!うん、ここにいるよ』
『ひめ!はじめましてっ!』
現れたのは小さな光___精霊だ。
話し方からして、生まれたばかりなのだろうとラピスは考える。
「私、ここに拠点を作りたいの。作っても平気?」
『へいき!ひめのためだもん。ぼくたちが作ってあげる』
作り上げられたのは立派な家。
精霊は自信満々に胸を張るが、あまりにも目立ちすぎる。
ラピスは申し訳なさそうに告げる。
「えっと、もう少し目立たない、テントとかでいいの」
『テント?…テント!』
次の瞬間には、葉が合わさってできた2つのテントが出来上がっていた。
「ありがとう、2人とも」
ラピスがなでると、精霊たちは嬉しそうにする。
「ラピスー?何処ー」
「!2人とも、またね」
小声でラピスがそういうと、精霊たちは名残惜しそうにしながらも去っていった。




