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蒼銀の死神ーRapis Silver Jokerー  作者: 折鶴夏葵
1章 初めての学園生活
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15話ーその胸に確かな決意を


「ねぇ、マスター。…魔族はきっと、また現れるよね?」

「!?ラピスっ、まさかあなた」


ブランシェには、ラピスが何を言いたいのかが分かってしまった。


____『私がここからいなくなれば、みんな幸せに生きることができるのかな?私はヒトというものと、関わってもいいのかな……?』


それは、ラピスがギルドに入った日に言っていた言葉。

大切なモノを失くし続けた、孤独な少女の心に秘められていた本心。

ブランシェは忘れることができない。

本心を告げた時のラピスの、人形のような瞳を。


「マスター、私はいなくなったりはしないよ。私はもう、『守る側』の人間だから。……私にとって大切な『今』を、壊させたりしない。あの時みたいな、ただ守られるだけの子供じゃない」


強い決意を秘めたラピスラズリの瞳には、あの日とは違い、光が灯っている。

立ち上がったラピスは、ただそれだけ告げると部屋を後にした。




「ラピス。もう帰るのか?」


ギルドのホールへ出て行くと、カイルがラピスに問いかけた。

本当は今日も寮から出てはいけないため、ばれない様にするにはカイルの魔術が必要だった。


「うん、寮まで頼んでもいい?」

「ああ、そのことか。いいぞ」


その言葉を聞くと、ラピスはカイルのコートの裾をきゅっ、と掴み目をつむる。

カイルの魔術は空間を操るものであり、学園側に外出していたことがばれないのは、その魔術が目的地と現在地を亜空間で繋ぐからだ。

ラピスも使えないわけではないのだが、あまり得意ではないためにカイルを頼っている。




「ほら、着いたぞ」

「……うん、ありがと」


ラピスが目を開けると、すでにそこは自室だった。


「てかお前、まだ怖いんだな。亜空間が」

「だって」


ラピスは亜空間に閉じ込められたことがあり、未だに苦手意識を持っている。

そのため、この魔術が得意ではないのだ。


「ま、別にいいけどな。これも俺の仕事の一部だし」

「…ごめん」

「気にするなって。じゃ、俺は戻る」

「うん」






「…シュリ、出てきて」


そういうと、ラピスの刀にはめ込まれた透明な精霊石が輝いた。


『どうしたの、ラピス』


光とともに現れたのは、淡い赤に光る精霊___シュリだ。


「学園を襲った魔族がどこにいるのか、調べられる?」

『もちろん!皆にも呼びかけとくよ。そうすればきっとすぐに分かっちゃう。あたしたち精霊はどこにでもいるからね』


えっへん、と胸を張るシュリにラピスは微笑んだ。


「じゃあ、お願いね」

『うん、今から行って来る!』


シュリは背に生えている羽を動かすと、窓から飛んでいった。



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