12話ー向かう途中
レンガ造りの建物が並ぶ街を、ラピスとカイルは歩いていた。
ふいに、ラピスが立ち止まる。
「どうした?」
「……よく考えたら、もう1ヶ月もたったんだなぁと思って」
「そうか…。そういやラピス、なんで学園に入ったんだ?」
カイルがラピスを横目で見る。
「分からない。ただ、マスターが入ったほうがいいって」
ラピスがそういうと、カイルは首を捻った。
「マスターも何を考えてんだろうな。俺、いまだにあの人の考えてることがわからねぇよ」
ラピスはそれを聞いて、少し驚いた様子でカイルを見上げた。
カイルはそんな反応をされると思わなかったのか、ラピスを見た。
お互いの目が合い、カイルが先に目を逸らす。
___その耳は少し赤く染まっていた。
ラピスは不思議に思ったが、首をかしげただけだった。
「そっか…。カイルでも分からないなら、私に分からないのは当たり前かも」
「なんでだ?」
「だって、私よりもカイルのほうがマスターと付き合いが長いでしょ?」
ラピスがブランシェに拾われた時には、既にカイルはギルドに属していた。
ギルドにラピスと年の近い者はカイルしか居なかったため、最初は依頼も同じものを受けていた記憶がある。
その時カイルから『自分は4年前に拾われた』と聞いていたのだ。
カイルは少し考えると、
「それはあんまし、関係ねぇと思うけどな」
「え?」
ラピスはカイルの言葉を聞き、疑問を覚える。
「俺より、お前のほうがマスターと仲良いだろ?」
「そう?」
予想外の言葉にきょとんとするラピス。
「時々マスターとお前が親子みたく見えるぞ。少なくとも俺には」
ラピスはその言葉を聞いて、嬉しそうに顔をほころばせた。




