11話ー事件
とある日の夕方、それは起こった。
焦げ臭いにおいの漂う中庭
激しい炎に焼かれた植物だった残骸たち
そこに残された血痕
________それらはすべて、魔族によるものだった。
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ここは、ギルド“黒曜の旅団”
「魔族が、学園に!?」
声を荒げたのは、ストロベリーブロンドの髪に茶色の瞳を持つ美しい女性。
このギルドのマスター、ブランシェ・エトワールだ。
「ああ。昨日の夕方、なんの前触れもなく襲撃されたらしい。
『襲ってきたのは2人の人型の魔族だ』と入院中の教師が証言したみたいでこの 国の上層部も慌ただしくなってる。
それに…魔族が教師を脅し、こう尋ねたらしいんだ。
____『シェイリルの姫は何処にいる』とな」
真紅の髪に翠色のつり目をした男性、“紅天の盾”のギルドマスターであるリク・グロウが淡々と告げた。
『シェイリルの姫』という単語に、それを聞いていたブランシェは目を見開いた。
そんな表情をすると思っていなかったリクは、探るような視線をブランシェに向けると、問いかける。
「お前、__何を隠しているんだ?心当たりがあるんだろう」
その問いに対し、ブランシェは口を結ぶだけだった。
昨日の事件が原因で、学園は休校となった。
「何で…、ここに居ることが漏れたの」
自室でラピスは考えていた。
学園に魔族が襲ってきたのはきっと、自分のせいだ、と。
首飾りを固く握り締め、ラピスはその顔を強張らせた。
首飾りにはめ込まれた紫水晶に、ラピスは大切な人の面影を見た。




