8話ーリィルの矢
その日はSクラスとAクラスが合同で行う戦闘訓練のある日だった。
元々クラス分けの基準は入学試験の結果に左右される。
筆記試験と実技試験の両方で優秀な成績を収めた者はSクラス、実技のみで優秀な成績を収めた者はAクラス、という様に実技優先で分けられている為、戦闘訓練はその2クラスが合同で行うのだ。
学園の訓練場
今日は「魔術のみ」のような指定がないため、生徒たちはそれぞれの武器を持ち、その場所に集まっていた。
「今日はクラス対抗で試合をしてもらうぞ。なお負けたクラスは明日一日、実技をなしにするので一切手を抜かないこと!いいな」
大柄な教師がそう告げると、生徒たちがやる気に満ち溢れた声を上げる。
それもそのはずだ。
この学園に入学した生徒たちは強くなるためにここへきたのだから。
生徒たちが戦いを繰り広げるなか、ラピスはそれをつまらなそうに眺めていた。
(Sクラスでもあの程度…。マスター。私がここに来ることに、意味はあるのかな?なんで、私をここにいれたの?)
ただ、それだけが疑問だった。
元々ラピスはここに入る気などなかったし、そんなことをマスターに言われるとも思ってなかった。
何故、自分はここに入れられたのか。
何度考えても、ラピスにはわからなかった。
「ラピス!私、呼ばれたから行ってくるね」
弓を片手に持ったリィルに向かって、ラピスはコクリと頷く。
(リィルは、どんな風に戦うのかな)
興味がわいたラピスはリィルの試合を見るため立ち上がった。
試合開始の合図がかけられると同時、二人は動いた。
「『____踊れ 深炎の禽!!』」
「『その一撃は水の流星っ、ウォーター・アロー!』」
相手の魔術で作られた炎の鷲に、リィルは水の魔術で構築された矢を放つ。
ぶつかり合う炎と水
突如として爆風が巻き起こり、相手の生徒はおもわず目を閉じる。
______だが、それが間違いだった。
「『すべてを撃ち抜く風の流星、アリーウインドッ!!』」
ソプラノの声が響き渡る。
放たれた矢が爆風を貫き、一直線に飛んでゆく
翠色に輝く矢が相手に届きそうな刹那、強烈な光を発した。
竜巻に囚われた相手
飛翔の魔術を自身にかけるリィル
空中からの一撃に射られ、相手は倒れ込んだ。
(リィルの戦い方、面白いな…。コントロールも上手い)
試合を眺めていたラピスは、小さく笑みをこぼす。
______その目は爛々としていた。




