自己紹介「我がつよつよ」カエ
担任との会話でやらされる事が決まったこと
卒業までのバイト禁止。部活。日誌担当。
あとは強いて言うなら同じ部活をすると思しきカエという女とのコミュニケーション。
当たり障りのない業務中のコミュニケーションみたいなモノをしておいたら無難だろうか。
憂鬱な気分のまま。僕は教室へと戻る。
ゴールデンウィークの荒稼ぎとは一転、憂鬱だ。
おまけに言うと、今日はまだ始まったばかり。
よく言うとカエと会える。
悪く言うと今日の珍獣扱いも始まったばかり。
憂鬱な気分のまま、教室へと戻る。
「何があったん?チョッキ先輩〜」
ちらりと声の主をみて、シカト
以前のクラスのこの渾名をつけたと思しき女の妹。
この女の声がデカいせいで渾名は定着してる。
「シン姉に言いつけるで。」
「敬語使わせられるからやめてくれ。カエってどれ?」
カエッて女の顔を思い出せないのを思い出し、会話に乗っかる。
「用事でもあるん?」
「バイトがバレて面倒事を押し付けられた」
「チョッキくん、直帰出来なくなるんや。ウケるわ」
「で、カエってどれ?」
「…………いないね。聞いてくる!」
元いたグループの方へ戻っていった。
ちょっと話して戻ってくる
「最初の2週間以降全く来てへんで。ホンマに覚えてへんの?あんな目立つカッコしてるのに」
「覚えてたら苦労ない」
「ほら!髪色赤に染めて銀メッシュウルフ!パーカーで登校してる」
関西弁で髪の毛茶髪のイマドキ女より特徴あるのなら、覚えて居そうなモノだけど思い出せない。
「マスクしてて!目力つよい!アニメキャラみたいなクセ強な娘やん」
「すぐ帰ったりしてないか?ソイツ。多分ねてて覚えてない」
学校には来ているが、授業は寝て次の仕事の身体を充電をしていたので本気で記憶にない。
「2時間くらい来て帰ってたかも」
「それだ!思い出せないの」
「今日もおらんし、協力できひんわ。友達もみんな連絡先知らんってゆーてるし」
「うい〜」
適当に返事。ごめんな。愛樹シンの妹
お前の名前もあやふやなんだ。バイトをしてて色々な名前の人と関わると中々関わりが薄いと思い出せない。
このあとは適当に理解も出来ていない授業を聴き流し、お昼になる。
流石に呼び出されている風だったし、協調性があるなら来てくれるはずだ。カエさん。
しばらくぼーっとしてると、愛樹シンの妹がコッチきて、カエが来たと教えてくれる。
午前勤務が終わったらこんな感じだったよなぁと、今は禁止されているアルバイトの事を考える。
第一印象。他にないオンリーワンな個性な娘。
ブリーチを2回はしているであろうオレンジに近い朱の髪のウルフカットのクラゲの味の部分は銀。
メガネにチェーンをつけた黒マスクの女の子だ。
パーカーも独特でおそらく外国製。よく行くワークマンだったりでは売っていない髪の明るさとは対照的な深いパープルとも藍色ともいえる絶妙な色味を使っている。
「え、起きてる。始めましてチョッキくん」
「貴女が部活同じの方ですか…?」
元同級生の愛樹シンより全然自然な感じの敬語が思わず出てしまう。
「年下だよ、楽にして。お話ししたかったんだ」
「部活の事とか?」
共通の話題なんてこれくらいしか知らない。
個性的なのに絡まれる前に今までは帰っていたり無視したりしてやり過ごしていた。
「色々あるけど、そのことは今日の放課後話そう。」
「ん、分かった。あの先生もダルいこと押し付けてくるよな。お互い頑張ろう」
「………」
何か言いたげに目線を合わしてくるが、見えていないふりして用事は全て放課後に回すことにした。
無もない部室。
異性ふたりきり何も起きないはずもなく。
とはならず。
「チョッキくん、キミ学校ってモノに退屈を感じて要るのだろう。学外の活動で1年を過ごしたと聞いてね」
「まあ、そすね」
今でも電話して学校や家の人にバレない方法でバイトでもしてやりたい気分だ。今までしたことのないアパレル系も良いなとカエを見て思う。
「そんな退屈をぶっ壊そう!二人で!」
「……」
出来るのか?そんなことが。
つまらない流行りとか制服とか。
どうにもならないニュースとかみんな同じなだけで、フワッとしているだけの枠組みの中で。
「私もアナタもこの世にある楽しい事を知っていなさすぎる。」
何故かチクリとくる。高校生だからと適当に仕事を振られるが、高校生だからとそんな空気に甘えて。
学校では教えてくれない色んな事をしって、なにか満たされた気分になってるけど、根本的な退屈は消えなくて。
でも、学校は息がつまるし、日常もつまらない。
だが、図星を突かれて、やり場のないこの思いが何故かイラッときた。
無言の時間が続く。おそらくカエは何か言葉を持っているのだろう。
目で語ってくる。本音を言えよ。生半可な答えだと帰さないからと。
「確かに知らないと思う。今でも中退が良かったし、今お前と話してても何の徳もないとも思ってる」
「…そう。」
ほんの一瞬だけ彼女は寂しそうな顔を浮かべ。
すぐに元話していた真剣な表情へ戻す。
「じゃあ明後日の部活動紹介。やりたいことあるから。来てね。」
「…」
沈黙で返す。行くつもりだし、元々そういう教師との約束だ。




