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チョッキとカエ  作者: にぼ
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自己紹介「留年マン」チョッキ

始めました。よろしくお願いします。


高校2年、2月末頃。俺は生活指導に呼び出されていた。話は大体目ぼしがついている。


学期末テストも終わり、今年度も終わりかけ。

大体わかる。アレだ。

単刀直入に担任からひと言「チョッキ、お前留年だ」

無駄だが、足掻いておこう。


「チョッキはやめてくださいよ。先生。あと僕は素行不良じゃありません!」


俺こと、伊駒 直希(イコマナオキ)は高校1年の4月からバイトに明け暮れ、友人らしい友人もロクにおらず、ソイツらとの放課後の約束は全無視で、家に直帰からのバイト。

すぐ帰ることからいつの間にか「チョッキ」なんてあだ名がつけられている。

が、高校生のアルバイトなんて青春の一部だ。悪いわけがない。


「あのな。チョッキ、お前の言いたいことは分かる。ウチはバイトは自由。でもお前、それ以外の成績と出席日数が足りてないんだよ」

「毎日来てるじゃないですか!誰かと話して授業妨害をしてるわけじゃなしに!」

「2時間だけ登校とかを毎日登校って言ってるのか?無遅刻無欠席が当たり前なの」

「………テストの点数取りましたよね。」


全教科20点くらい。もちろん出来てはいないが、授業態度が良かったりしたら単位は貰えるはずだ。

テスト期間なんて早く帰れるし、バイト先に目をつけられるに決まってるし、稼ぎ時だ。


「どの口が言うか。ったく自由な校風でお前だけだぞ。この学校からの留年生」

「今から挽回は?どんなことでもしますよ?」

「夏休みの補講をサボる。冬休みの補講も途中で抜ける。手の施しようがございません」

「………センセ、中退って選択肢は?」

「親への説明や書類等はコチラから渡すから親次第だ。あと、お前のアルバイトの申請書は来年からは出来なくするから」


完全に詰んだ。ウチの親は高卒はしておけと、毎月のように言う親だ。そんな親の耳にこんな話、先生からされようもんなら絶対留年生になるに決まってる。


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ここからは早かった。親に怒られたあと即決で留年。


もう1年アルバイト出来るとポジティブに捉える事とする。

勝手にやってる奴なんてゴマンといる。俺だけの話じゃないんだ。バイト先の現場仕事しながら未成年が飲んではいけないガラス瓶のアレを飲んでるオジイも無許可で学生時代はやっていた。


4月は下の学年だった同級生と一切口を利かずに、家に直帰しバイトに明け暮れていた。


が、しかしゴールデンウィークを過ぎた時。

再び担任に呼び出される。あの俺を留年にした去年と同じ担任だ。

自己紹介のあと散々いじられていたのでついでにイジメの相談もしちゃおう。

無視していても、クラスのメイクの濃い女にチョッキ先輩〜とか、一つ上の同級生に後輩呼ばわりはなんとなく惨めになる。


「お前、バイト禁止って言ったよな?」「してないっす」


給与明細のコピーをバンと出された。こんなのプライバシー違反だ。

下手人は大体わかる。親だろ。


「やぁん、パパン。ママン。アタチの敵なのね。現場監督とかバイト先の店長超困っちゃうわん」

「片っ端から先生が頭下げといたから、お前は気にすんな。」

「やぁん、テンテ?私みんなにいじめられながら、毎日毎時限いていますよ?」

「そこだけは褒めてやるよ。でもな、お前学校の決まり事破る奴、先生が揉み消さなかったら、退学だ」

「やぁん」


キモいギャル風味のアタオカにもなってしまう。

先生があらゆる手を封じてきています。全部自分が悪いのだが。


「と・に・か・く。お前は学生生活を楽しめ!あと、お前ら進級してすぐの交流会2日間サボったろ」


アレだ。去年もしたし、その日の緊急の人員で2日間の日当が4万とかで臨時収入と天秤に計って仮病を使った日だ

でも、おかしい。お前らってのは。

複数セコセコ高校生が金を稼いでいるわけがない。


「…お前カエって覚えてないのか?」

「名簿は覚えてるんで知ってますよ!アレですよね。結城 朱絵(ユウキカエ)ちゃん。知ってます知ってます」

「………名前だけだな。コレは。」

「はい。でそのカエちゃんと交流会にどんな関係が?」

「この交流会、サボると部活動強制加入なんだよ。あと、カエにはその部活の宣伝をしてもらう。」

「僕じゃないんですね」

「やりたいことがあるってさ」

「楽でなにより。」

「楽させるわけないだろ。お前のほうが素行わるいんだよ。明日から2年卒業するまで毎日日誌担当お前だ」


こうして、元バイト戦士のちょっと普通じゃない留年生活が始まっていく

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