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日々の生活に疲れた45歳が異世界で若返り、第二の人生をまったり満喫する♪はずっだったが、色々ほっとけない!   作者: 夢叶


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59 トラブルの予感?


ゆっくりと街道を進むこと数時間は経ったが、今のところ体の痛みや疲れは殆ど感じられなかった。

先程の町から王都まで早馬で半日以上、一日かからない程度だどルドが教えてくれた。普通の馬車で夜通し走らせて丸一日かかるとの事。もちろん、馬車を一日中走らせ続けるなんて現実的ではない。馬も休ませなければいけないので途中休憩しながら、野営で一泊するので、馬車で向かうなら一日半ちょっとかかるみたいである。


「……ねえ、王都に着くまでこのまま進むの?」


フードの奥からそっと周囲を窺いながら尋ねると、ルドは少し考える素振りを見せた。


「いや、クロが戻るまでまだ時間もあるだろうしな。無理に人混みの中に突っ込む必要もねえ。街道から少し外れた森で待機しよう.。少し先に鬱蒼とした森があったはずだ。あそこまで行くぞ」


街道の喧騒が徐々に遠ざかり、代わりに木々のざわめきと鳥の声が聞こえてくる。森に入ると、空気がひんやりと変わり、日差しも木漏れ日程度になった。


「ここなら人目もないし、ちょうどいいな」


馬を下りて手綱を木に結わえていると、ふいにルドの耳がぴくりと動いた。


「一応、周辺を確認しとくか」


ルドの提案に頷き、慎重に森の奥へと足を進める。しばらく進むと――


「……っ、あれ」


私は思わず足を止めた。木の根元に、誰かが倒れていて、すぐ近くには大きなオークが1体事切れて横たわっていた。魔物と闘ったらしく辺りは木が倒れ地面も荒らされていた。


「ルド! あそこ!」


駆け寄ってみると、犬の耳と尻尾を持つ獣人の男性だった。全身のあちこちに深い傷を負い、着ている服は血で赤黒く染まっている。意識はなく、荒い呼吸だけがかろうじて彼が生きていることを示していた。


「これは……酷いな」

ルドが眉をひそめながら傷の状態を確認する。


「た、たすけないと……!」

慌ててインベントリから栄養ドリンクを取り出そうとしたその時、さらに奥からかすかな声が聞こえた気がした。


「……ん? 今、何か聞こえなかった?」


耳を澄ますと、確かに小さな呻き声のようなものが聞こえる。声のする方向へ視線を向けると、少し離れた茂みの陰に、小さな影が横たわっているのが見えた。


「うそ……子供!?」


駆け寄ると、そこには年端もいかない子供が一人、ぐったりと倒れていた。


「息は……ある! でも、かなり弱ってる……!」

「ルド、この子も早く手当てしないと……!」

「ああ、分かってる」


いつになく真剣な顔でルドが頷く。

震える手でインベントリから栄養ドリンクを取り出す。馬に飲ませた時のことを思い出しながら、まずは子供の口元にそっと一滴だけ垂らしてみることにした。多すぎても危ないかもしれない、少しずつ様子を見ながら進めよう。


「……ん、う……」


子供の喉がこくりと動き、微かに眉根が寄る。反応があった!


大柄な犬獣人の口元にも同じように一滴垂らす。


しばらく待っていると、まず子供の方が小さく咳き込みながら目を開けた。


「……あ……」


子供は焦点の合わない目でぼんやりと私を見上げていたが、少しずつ状況を理解し始めたのか、みるみるうちに瞳に恐怖の色が浮かんだ。


「とう…さん…! 父さんは……!」


「大丈夫、あなたのお父さんもすぐそこにいるよ。」


そう伝えると、子供は必死に首を巡らせ、少し離れた場所で横たわる獣人の姿を見つけて息を呑んだ。


「あぁ……おとう……!」


「動いちゃだめ! まだ本調子じゃないから、ゆっくりね」


起き上がろうとする子供を優しく制止しながら、私はもう一度獣人のお父さんの様子を目にした。ルドが垂らした一滴の効果で、こちらも顔色が幾分か良くなってきているように見える。


「……ん……」


低い呻き声とともに、ゆっくりと瞼を開けた。


「気づいたか。動くなよ、まだ傷が塞がりきってねえ」


ルドが低く落ち着いた声で言うと、獣人は霞む視界の中でルドを見上げ、それから慌てたように周囲を見回した。


「……ロト……ロトはっ……!」


「ここにいるよ! 無事だから!」


私が子供――ロトという名前らしい――の方を指し示すと、獣人は大きく息を吐いて、緊張が解けたように体から力を抜いた。


「よかった……ほんとに……」


安堵の涙を浮かべながら、掠れた声で呟く。ロトの方も、父親が意識を取り戻したのを見て、ぽろぽろと涙をこぼしていた。


「いったい何があったの? こんな酷い怪我をして……」


私が尋ねると、表情がすっと強張った。ロトも怯えたように父親の服の裾をぎゅっと握りしめる。


「それは……」


言い淀む様子に、私とルドは思わず顔を見合わせた。


「みた感じ冒険者でもなさそうだが、何があった?」




再びルドが問うと、悩んだ末に思い口を開いた。






「俺たちは魔物の囮にされた」





な ん だ と !





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