表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日々の生活に疲れた45歳が異世界で若返り、第二の人生をまったり満喫する♪はずっだったが、色々ほっとけない!   作者: 夢叶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
58/59

55 話を聞こう


クロがお風呂に入っている間に、私は夕ご飯の準備を始め、大量のだし巻き卵を作り終えたタイミングで、玄関が勢いよく開いた。


――バンッ!!


「戻ったぞー」

「!?…ルド!! えっ! 数日かかるって……」

「俺もそう思ったんだが、栄養剤? あれはヤバい代物だ!」


数日はかかると思っていたので、思わず目を丸くする。

しっかりと人型で戻ってきたルドは、興奮気味に話し出した。どうやら、栄養ドリンクの効果が超絶だったらしい。


「クロはまだ戻ってねぇのか?」

「馬と一緒に帰ってきてるよ。今はお風呂に入っている」

「詳しい話は、揃ってから話す……いい匂いがする……先にご飯食っちまっていいか?」

「もう少しでお風呂から上がって来るとは思うけど……」


余りにも、物欲しげな視線を送って来るので……負けた。


「準備するからダイニングテーブルで待ってて」


ルドに『クリーン』を掛けて、ご飯をテーブルへと運ぶ。

テーブルの上には、豚汁とだし巻き卵、サラダにごはん。少し物足りないので、パントリーから大量の唐揚げを追加する。

テーブル一杯に並べられたご飯を見てルドの目が輝きに満ちていた。


「先に食べちゃう?」

「……食べたい……いいのか?」

「たくさん作ってあるから大丈夫だよ」

「だったら……」


ルドが言い終わる前に、浴室からクロが出てきた。


「は!?」


「「……?」」


「どうしたの? ご飯たべよー?」

「お腹空いたー! 早く食べようぜ!」


「・・・・・・」


何でお前が戻って来ているんだ!? と、言いたい言葉を飲み込む。

俺の気遣い・・・すべてが要らない考えだったな。

俺があれこれ気にしていたのが馬鹿らしくなるくらい、いつも通りすぎる。

まさかルドが戻って来ているとは思いもしなかったが……こいつのお気楽さに、何だか救われたような感じもしないでもない。


「ほら、何してるんだ? 早く来いよ!」

「ご飯冷めちゃうよー!」

「……はいはい」


二人に急かされ、俺は小さく息を吐きながら、食事の席へと着いた。


「今日は留守番して暇だったから、色々と料理作って……これが豚汁で、こっちがだし巻き卵だよ。私の故郷の料理なんだけど、食べてみて」


真っ先にルドがだし巻き卵にかぶりつき「うんっまーーーい!!」と一気に食べ始めた。

「おい、俺の分も残しておけ。 これが…豚汁? 美味いぞ!」と言いながら物凄い速さで食べていく。

聞きたい事は沢山あるけれど……食事の後にした方が良さそうである。

だし巻き卵は卵20個分は出したのにすぐに無くなってしまった。卵の食べ過ぎ良くないのでは?ってことで、かぼちゃのサラダを追加で出す。たくさん食べてくれるから、作り甲斐があるのでうれしい。





食事と後片付けを終わらせ、ソファーでコーヒーを飲みながら今日あった出来事を順番に話すことにした。


「先に俺から報告させてくれ。『栄養ドリンク』アレはヤバすぎる!疲れ知らずで物凄く早くなる!調子乗ってめっちゃ走って行ったら……一時間半くらいで王都に着いちまった」


「「・・・・・・」」


なるほど。そりゃー帰って来られる訳だ。能力爆上げして疲れ知らず……さすが神様!!

無限に出せるけれど……やっぱり、取り扱いには注意が必要だね。


「言いたい事は色々あるが…王都で分かった事を報告しろ」


「ああ、そうだな……王都で分かったことなんだが、俺達が行方不明なのを把握していたのは、団長と俺達の両親だけで、他の連中には、極秘任務に就いている事になっていた。騎士団の中で混乱があるような感じはしなかった。誰かと接触するべきか悩んだが……今の状況で下手に動くのも危険だ。だから何もせずに戻ってきた」


「そうだな……明日は俺が王都まで行って確認する。だからルドはそいつを連れて馬で王都に向かってくれ」


「はあぁぁーしょうがねえな……なら、通信の魔石はクロに渡しておく。何かあったら連絡してくれ」



魔石をクロに手渡して再び明日の予定を立てる。クロは早朝には出るが、私とルドは無理せずに王都を目指すことになった。



「町へ馬を買いに行ってきたが、特に有益な情報は得られなかった」


クロはおもむろに立ち上がり、リュックを持ってきた。

中から巾着と紙袋を取り出すと私に差し出して――


「これはお前にだ。残りのお金も返しておく。必ず返すからな」

「お金のことは気にしなくてもいいのに……この紙袋は?」

「ローブだ。俺達がお前のローブを使っているから……あった方が良いと思って買ってきた」


袋から取り出してみると、ワインカラーのフード付きローブであった。襟元と袖口に可愛い花の刺繡が施されていた。


「かわいい……!」

「何の付与もされていないが、無いよりはマシだろう」

「うん! 十分嬉しいよ!」

「そうか」




短く答えたクロだったが、その表情はどこか安心したように見えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ