54 お留守番
ルドは王都に、クロは町へ向かっていったので、二人が戻って来るまでしばらく時間がある。
「さて、何をして時間を潰そうかな」
そういえば……イベント理にあった謎の食糧の種。
まだ確認してなかったっと思い、鑑定してみる事にした。
インベントリから取り出した種は親指ほどの大きさで、形は同じようである。
「…普通の種には見えるけど……」
一つ手に取り、鑑定を発動する。
「鑑定」
ピコン♪
目の前に半透明のウィンドウが表示される。
【食糧の種】
作りたい食べ物を想像しながら魔力を込めると色々な種が作れる
種は植えることで成長し、収穫可能となる
(どこでもすくすく成長できる優れもの 味も最高!)
…うん。
何となく思ってた。スゴイよ。
チート種ありがとうございます。
思わず種に向かって頭を下げる。
とはいえ――今のところ食べる物には困ってないので、必要になるまでは黙っておこう。
しかし、インベントリの中に、どうしてこんな種が入っていたのだろう。
神様は必要になる何かを予見しているのか……
まぁ、考えても分からない事は気にしないでおこう。
そう結論づけて、私はあっさり思考を放り投げた。
暇だ・・・
最近は3人一緒に行動していたから、1人でいることに寂しさを感じる。
以前はそんなことなかったのに……
前の世界のことを考える。この世界に来てまだ二週間ぐらい?だけれど……前の自分、転移前の感情というか、家族や友達の事を余り考えない自分がいる。
感情が薄れたというか……記憶が薄れたというか……料理や仕事。手作業などやってきたことは鮮明に覚えているけれど、家族や友達に対しての感情がほぼ薄れている。
この世界で生きていくために神様がそうしたのかは分からないけれど、これでよかったんだよね?
今は18歳になって新たな人生を歩み始めたのだから、過去の事は思い出としてこれからの事をしっかりと考えなければいけない。
しかし、今は待つ以に外何も出来そうにないので……
「久しぶりに手間のかかる料理でも作ってみるか」
ビーフシチューとグラタンを作ることにした私は、意気揚々とキッチンへ向かった。
冷蔵庫を開け、必要な材料を確認する。牛肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも。そして、ビーフシチューのルー。グラタン用には、マカロニ、鶏肉、玉ねぎ、牛乳、チーズ。
「……材料、ちゃんとあるんだよねぇ」
改めて考えると、私の食材事情はかなり恵まれている。
異世界に来たというのに、料理に困らないどころか、前の世界とほとんど変わらないものが揃っているし、パントリーにある出来立て食料も豊富である。
……神様。
本当にありがとうございます。
食生活だけは絶対に妥協しません。
まずはビーフシチュー。二人とも結構食べるので大量に作っておこう。
野菜を切り、牛肉を焼き、鍋へ。玉ねぎをじっくり炒めて、肉と野菜を加えて煮込んでいく。
ぐつぐつと煮込んでいる間に、今度はグラタン作り。
大量のホワイトソースを作り、具材を炒め、マカロニを加える。
耐熱皿に盛り付けて、最後にチーズをたっぷりかけて、大皿5つ分のグラタンを仕込んだ。
「……いい感じ」
オーブンに入れれば、あとは焼き上がるのを待つだけ。
ふと、鍋から漂ってくる香りにふと、思う。
ビーフシチューは煮込みに時間がかかる……だが、生活魔法で時短できるのではないだろうか?
鍋にそおっと手をかざすと、使えそうな魔法が頭に浮かぶ……
「時短調理」
ふわっ、と淡い光が鍋を包んだ。
「おお……?」
鍋を覗き込んで、思わず目を見開く。
さっきまで普通に煮込んでいたはずなのに、見た目はもう何時間も煮込んだかのような仕上がりになっている。
「……すご」
私はスプーンで少しだけすくい、味見をする。
ぱくっ。
「……!美味しい」
肉は柔らかく、野菜にもちゃんと味が染みている。
思わずガッツポーズ。「生活魔法めちゃくちゃ便利じゃん!」
次は、グラタンをオープンに入れて「時短調理!」あっと言う間にチーズとろとろのグラタン完成!
次々とオーブンに入れて魔法をかけ……料理終了。
出来立ての料理をインベントリに収納する。
しまった!!
時間つぶしのはずが一時間弱で作り終えてしまった。
面白い! 続きが気になる!
と思ったら
広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして頂けたら嬉しいです
【★★★★★】にしてくれたらものすごく嬉しいです!!
ナイスマークをポチっと
して頂けたら感謝!感謝です!
読んで頂きありがとうございます!




