45 クロのお許しでました
私たちは軍資金調達のために魔獣を狩りまくった。
もちろん、お肉の為だけじゃないよ?
今回はクロとルドが中心となって戦い、私は見守り隊である。
ルドは漸くクロのお許しがあったようで人型イケメンの冒険者風を装っている。
身長はクロよりも少し低めだが私と比べたらかなりの高身長。
程よく鍛えられた筋肉に、人懐っこい顔。
爽やかな雰囲気をまとったイケてるお兄さんである。
ルド犬も可愛かったけどね。
腰にはしっかりと包丁帯ベルトを装着しているが、違和感なくかっこいい。
本来なら「包丁を腰に下げている」という時点で生活感が漂いそうなものなのに、ルドが身に着けると妙に様になっていた。……解せぬ。
きっと、日本製の柳葉包丁(刃渡り60cm)だからだと思う。
なんとなく……日本刀にも見えなくないのかも?
対して私はというと――
今日は見守り隊なので武器は持たず、日傘を片手に優雅に観戦中である。
この日傘(万能傘)はインベントリにあったヤツである。
絶対防御 温度調節及びサイズ自動調整(意思設定でサイズ大きくもできる)
絶対反射(如何なるモノも通さないが倍の力で自動反撃する。反撃調節可)
結界やバリアみたいな感じなのだろうか……
機会があったら性能を試したいが、ルドとクロは息の合った連携で次々と魔獣を狩っていく。
クロが魔獣の注意を引きつければ、その隙を逃さずルドの柳葉包丁が急所を貫く。
反対にルドが正面から斬り込めば、背後へ回り込んだクロが容赦なく拳を叩き込む。
ドゴォッ!!
鈍い衝撃音とともに、魔獣の一部が粉砕する。
あぁ……お肉がぁ…… ぐちゃぁっと……
もったいないと思うが……見事な連携だった。
ルドとクロは息の合った戦い方をして淡々と狩り?討伐しているので、傘の出番は無さそうである。
倒した魔獣を魔法で解体してインベントリに収納。
今日の私の仕事である。 魔法万歳!!
「魔獣、多くない? 結構な数がいると思うのだけれど……これが普通?」
お昼ご飯を食べながら何気なく訪ねてみた。
「前にも話したが、ここ数年で魔獣は明らかに増えている。しかも、最近は変異種や亜種が確認されることもあるらしい」
「古代竜の封印が弱まっているって可能性があるらしいが……確かめようもねぇな」
「この辺りは、Aランクの冒険者であっても油断できない場所だ」
午前中だけでも、かなりの数の魔獣を討伐した。
それでも『地図』には、まだ赤い点がいくつも表示されている。
安全地帯が有難い。普通の冒険者なら、いつ魔獣に襲われるか分からない状況で、呑気に休憩なんてできないだろう。
そこで、ふとあることを思い出した。
「結構歩いてきたし、そろそろ他の人と会う可能性あるよね? 冒険者に知り合いとかに遭う可能性は大丈夫?」
すっかり忘れてたけれど、二人には、呪いだったり、敵から隠れている訳だし……
もし知り合いに見つかったら、面倒なことになるんじゃ……。
「……可能性はある」
クロが静かに口を開いた。
「この辺りまで来る冒険者は多くないが、素材目的で腕に覚えのある連中が足を踏み入れることはある。それに――」
「俺たちを探している者が、この森へ入ってくる可能性もゼロではねぇな」
ルドも真剣な表情で頷く。
「なぁ……地図で魔獣も確認できるんだし……人も確認できねぇか?」
言われてみれば……そうかも?
地図を見ながら
「地図さん、人の居場所も確認して欲しい」
ピコン!
「「「???」」」
一見したところ何も地図に変わりはない。
……! 試しに地図を縮小して確認してみる。
「「「あっ!!!」」」
いました! たぶん人! 青い点が3つ!
「青い点が三つある! これ、人じゃない?」
「この森で三人組……冒険者のパーティーかもしれねぇな。」
だいぶ距離があるみたいなので、今すぐ出会う可能性は無い。
森の中に自分たち以外の人間がいることが分かっただけで、場の空気は少しだけ緊張感を帯びるのだった。
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