44 魔獣を狩りまくろう!
それから私たちは魔獣を狩りまくった。
魔獣を狩りながら、ライディン国へと向けて元気よく進んでいく。
地図に表示される近くの赤い点を見つけては向かい、片っ端から討伐していく。
この辺りは比較的強い魔物が多く生息しているらしく、手に入る素材もどれも高価なものばかり。
魔石に加え、牙や角、皮に爪と、次々と貴重な素材がインベントリへと収まっていく。
まさに軍資金集めにはうってつけの場所である。
それでも、今後のことを考えれば、お金はいくらあっても困らない。
素材はインベントリに入れておけば劣化もしないし、必要になった時にまとめて売ればいい。
備えあれば憂いなし!
次々と出てくる魔獣だが、もはやお金にしか見えない。
見た事もない魔獣が次々と出現するが、戦闘は一瞬なのでとても楽である。
あとは「解体」と唱えるだけで、魔獣は魔獣は一瞬にして魔石や牙、皮、角、肉などの素材へと早変わり。それらは次々とインベントリへ収納されていく。
「これ……全部売ったら、一体いくらになるんだろう?」
思わず頬が緩む。
「おい。気を抜くなよ」 その直後だった。
ズシン、ズシン――
「うわっ!?」
地面を揺らしながら、大きな牛の頭を持つ人型の魔物が姿を現す。
何やら武器まで持ってるんですけどー!!
咄嗟に魔法を放つ。
「草切カッター!」 シュッ――。風の刃が一直線に駆け抜け、次の瞬間。
ドサリ。
草切カッターで一撃! 首ちょんぱ!
牛の頭が鈍い音を立てて地面へ転がる。
頭を失った巨体はなお数歩よろめき、やがて力尽きたように、その場へゆっくりと崩れ落ちた。
「……ミノタウロスも一撃か……俺の出番が殆ど無い」
クロは呆れたように呟く
「だが、草切カッターって……。なんか締まらねぇな……」
威力は規格外なのに、魔法名だけは生活感たっぷり。
「えぇ!? ちゃんと倒せたんだからいいじゃない!っと、解体!」
解体されたミノタウロスは、皮や角、魔石、骨などの素材が部位ごとにきれいに並び、その隣には見事に切り分けられた肉がずらりと並んでいた。
「!! お肉!」
思わず目が輝く。しかも、ロースやモモ、ヒレといった具合に、部位ごとにきれいに分けられているではないか!! 食用の気遣いなのか、お肉の下には大きな葉っぱが敷かれている。
「すごい……完璧に解体されてる!」
「ミノタウロスの肉は、かなりの高級品だぞ」
「今日の夕飯はステーキで決まりだね!」
大量の高級お肉に心が弾む。
ランクが高い魔獣ほど、驚くほど美味しいらしい。
食べ物には困らないけれど、未知なる食材。しかも美味しい高級肉!
そのあとも、ミノタウロスに、コカトリス、さらにはオークキングまで。
次々と討伐し、気づけば、高級素材と高級お肉が山ほど手に入っていた。
インベントリに入れておけば腐ることも無いしね!
私はすっかり上機嫌で、つい頬を緩めてしまう。
沢山の高級お肉にウハウハである。
私たちは日が暮れるまで、ひたすら魔獣を狩り続けた。
「よし!今日はここまでにしてステーキを作ろう!!」
クロとルドの瞳が輝く。二人のしっぽもブンブンである。
適当な所にテントを取り出し、三人まとめて「浄化!」
「今日の夕飯はミノタウロスのステーキ祭り!」
私は満面の笑みでいそいそとキッチンへ行き、インベントリから取り出したのは、昼間手に入れたミノタウロスのロース肉。美しい霜降りが入った見事な肉塊。
筋肉ムキムキのミノタウロスなのに何故か霜降り。細かい事は気にしないでおこう。
ご飯炊く時間が惜しいので今日はパンで我慢することにする。
ルド犬は……お手伝いが出来そうにないので、クロにお皿やパン、冷蔵庫に入ってあるポテトサラダの準備を任せ、私はステーキに集中する。
少し厚めにカットし、軽く塩コショウをしておく。
フライパンを熱し、ミノタウロスの脂をひとかけ――
ジュワッ。 ジュゥゥゥゥ……。
「うわぁ……もう美味しい匂い!」
肉を焼く音と香ばしい匂いが部屋いっぱいに広がる。
表面にこんがりと焼き色がついたところで裏返すと、肉汁がじゅわっと溢れ出した。
次々と焼いて、出来上がったモノはインベントリに入れておく。
これで、おかわりも出来立て熱々がすぐにでも食べられる。
最後の三枚のステーキを香ばしく焼き上げると、お皿へ盛り付けてテーブルへ運ぶ。
「完成! ミノタウロスステーキ!」
ジュウジュウと音を立てる肉からは、食欲をそそる香ばしい匂いが立ち上っている。
テーブルの上には、クロが準備してくれたパンやサラダも並べられていた。
ルド犬も一緒に食べるようで、椅子の上にちょこんとお座りし、尻尾をぶんぶん振りながらステーキを凝視していた。
「初の異世界肉! いただきます!」
「「いただきます」」
期待に胸を膨らませながら、ステーキにナイフを入れると、驚くほど柔らかい。
切り口はほんのり桜色。絶妙なミディアムレアで、肉汁がじんわりと溢れ出す。
「完璧な焼き加減……!」
生活スキル・魔法が発動しているのかシェフ顔負けの出来栄えである。
一口頬張った瞬間、肉汁がじゅわっと口いっぱいに広がる。
「おいしいぃぃぃぃ!」
和牛にも似た上品な旨味がある。だが、それをさらに上回る濃厚なコクと、口の中でとろけるような甘い脂が広がっていく。
「何これ!? お肉が口の中でとろける! 旨味がすごい!」
「「おかわり!!」」
「早っ!!ちゃんと味わって食べてよね!」
「前にもミノタウロスのステーキを食べた事はあるが……それ以上に美味しくてな」
「だよな! 俺もそう思った!」
二人の尻尾は、はち切れんばかりにぶんぶんである。
私はまだ一口しか食べていないのに……追加の肉を10枚ほど出しておく。
二人は再び猛烈な勢いでステーキへ襲いかかった。
「……だから早いってば!!」
気にしてもしょうがないので、私のお肉に集中する。
噛むたびに溢れる肉汁。脂身はしつこさがまるでなく一口ごとに幸せが押し寄せてくる。
高級品と言うのも頷ける逸品である。
明日も狩ろう。
軍資金のため――そして、美味しいご飯のために。
そんなことを考えながら、私は二枚目のステーキへと手を伸ばし――
「「おかわり!!」」
「……」
追加のお肉をこれでもかと、全部出してやった。
「今日のステーキはこれでおしまい! まだ焼いてない肉はたくさんあるけど、今後のためにも明日もいっぱい狩ろうね!」
「おう! ここにいる間に狩りまくろうぜ! 明日は今日の倍以上に食べたい!!」
「お前らの場合、魔獣を狩る理由が完全に食い気になってるぞ……」
クロの呆れた声が響くが、そんな言葉などどこ吹く風。
私は満面の笑みでビシッと人差し指を立てる。
「美味しいは正義です! インベントリに入れておけば、いつでも高級お肉が食べられるし、食べきれなくても売ればいい! 明日も沢山狩って狩りまくる!ついでに軍資金も増える!」
「…確かにそうなんだが…明日は俺達にもしっかりヤらせろよ!腕が鈍る」
「お前がやり過ぎて、俺達の取り分なんて無いに等しいからな。」
「別に気にしなくてもいいのに……」
「「気にする!!」」
「明日は大人しく見学に集中してろ」
まぁ、機会があればすぐに魔法で攻撃するけど…今は黙って頷いておくことにした。
クロが怪しげな顔で見ているが、気付かない振りして残りのご飯に集中する。
明日も狩りまくってやる!!
面白い! 続きが気になる!
と思ったら
広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして頂けたら嬉しいです
【★★★★★】にしてくれたらものすごく嬉しいです!!
ナイスマークをポチっと
して頂けたら感謝!感謝です!
読んで頂きありがとうございます!




