41 ライディン国へ出発
翌朝、私たちは『地図』を頼りに、ライディン国へ向けて出発した。
しっかりと冒険者スタイルで準備は万端である。もちろん、ポケットには軽食を詰め込んでおくことも忘れていない。
驚いたことに、クロも冒険者風の洋服を身にまとっている。なんと、クローゼットに入っていたらしい。
さすがテント様である。
しかし、凄いイケメン!身長高いし、スタイル抜群。ちびっ子も可愛かったけどね!
残念なことにルドは……
ルド犬のままであった。
まだ、クロからのお許しが出てないみたいだ。
可哀想だけど、黙っておこう。
私は地図を展開し――
安全地帯の道を進みながら、ライディン国を目指すことにした。
「歩きだと……大体一週間から十日ってところだな」
「結構かかるんだね。でも、テントもあるから、寝泊り食事は心配いらないから安心だね」
「テント……非常識な反則技だけど、正直助かる」
ルドも「まったくだ」と言って何度も頷いている。
ちゃんとした食事を取り、十分な睡眠を確保することは、旅する上で何よりも重要だ。心身の疲労は、判断力や戦闘力にも大きく影響しそうだしね。
全てが揃っているテント様は完璧な存在である。
地図を見ながら、ライディン国を目指して不可侵の森を進む。
ときおり休憩を挟みながら歩みを重ね、やがて日が西へ傾き始める頃には、不可侵の森の境界付近まで辿り着くことができた。
これ以上進むのは明日にしようということになり、私はテントを取り出した。
「不可侵の森は、やはり魔物は出ないんだな」
クロが感慨深げに呟く。
「これで、不可侵の森には魔物が出ないことが証明されたな」
「今までは不確かな情報しかなかったし、実際にそんな領域が存在するなんて世間に知れたら、大騒ぎになるだろうな」
「だが、実際にここまで辿り着ける奴は、そう多くないと思うぞ」
二人がそんな話をしている横で、私は内心首を傾げていた。
――いや、正確な地図がなければ無理じゃない?
とはいえ、この世界には地図を作るための特別な魔法や道具でも存在するのかもしれない。
そう考えると、少し興味が湧いてくるのだった。
「ねえ、地図って普通につくれるの?」
突然の私の質問に困惑する二人……
「地図はあるにはあるが、大体の地形が分かる程度だ。そこまで詳しく記されているわけじゃねぇ」
「ましてや、ほとんど人が入れない場所なんて地図すら存在しない。魔獣の森も、全体の大まかな地図しかないんだ。不可侵の森なんて存在すら怪しい物だったんだ」
「お前の持っている地図は反則級の代物だ。悪用されねぇよう、気を付けろ」
ここは素直に頷いておく。
利用されるのは嫌だけど、必要とあればどんどん使うけどね。
今のところ心配することは無いけれど、人里に出たら気を付けよう。
翌朝。
しっかり食事をとり、ぐっすり眠ったおかげで元気いっぱいだ。朝の支度を済ませると、私たちは再び歩き始めた。
ここから先は、すでに不可侵の森を抜けている。
つまり、魔獣との遭遇に十分警戒しなければならない。
とはいえ、不可侵の森から国境付近まで安全な道が続いているため、その道を辿って進めば、森の中を闇雲に進むよりはずっと安全に移動できる。
「これから魔獣が出てくる可能性は十分にある。俺達のいる場所は比較的に強い魔物が多い。安全地帯とは言え周囲の警戒は怠るな」
クロの言葉を聞いて私はルド犬へ視線を向けた。
戦闘になったら大丈夫なのだろうか?
「もし魔獣が出て戦う事になったら、ルドは大丈夫なの? 人の姿に戻った方がいいんじゃない?」
私が尋ねると、ルドは「待ってました」と言わんばかりに目を輝かせる。
だが――
「こいつは大丈夫だ。戦闘になっても、まぁ……どうにかなるだろ」
クロが淡々と言い放った。
期待に満ちていたルドの表情が、一瞬でしょんぼりとしたものへ変わる。
まだ許してもらえていないらしい……。
地図を確認しながら、安全地帯を進んでいく。
今までとは違い、周囲からは動物らしき気配や鳴き声が時折聞こえてくるようになった。
この世界の魔物や動物を、私はまだ実際に見たことがない。
どんな姿をしているのか楽しみではあるけれど、いざ目の前に現れた時、本当に戦えるのかと聞かれると自信はなかった。
面白い! 続きが気になる!
と思ったら
広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして頂けたら嬉しいです
【★★★★★】にしてくれたらものすごく嬉しいです!!
ナイスマークをポチっと
して頂けたら感謝!感謝です!
読んで頂きありがとうございます!




