34 ダンジョンどうする?
作品読んで頂きありがとうございます。
新しく連載します。前編、中編、後編の3部作。
元、強気女28歳が穏やかな伯爵令嬢に転生!!悲劇の主人公気取りの婚約者を切り捨て・・・新しく恋をします!
興味があれば読んでみてください。
このまま黙って知らない振りをしよう。そう思って顔を上げるとクロと目があった。
私が考え込んでいる間、ずっと見ていたようだ……
「……この文字……お前…読めるよな?」
突然そう言い出したたクロに、動揺を押し隠しながら出来るだけ自然に答えた。
「急にどうしたの?どうしてそう思ったの?」
「だって…お前…知ってるって顔に出てるぞ」
「えっ」
そんなに分かりやすく顔に出ていたのか…まぁ隠し事は苦手だしね。
ここで嘘ついてもしょうがないし……
「読めるよ。でも、作った人の名前なんて書かれていないから、勇者とか聖女は関係ないかもよ?」
「以前、勇者の文献を見た時に似たような文字が使われていたところがあった。だから何か関係がある可能性は高い。俺は何が書かれているか知りたい。……教えてくれないか?」
こんな小さな子にも勇者は人気なのか……ずいぶん昔の人だというのに人気者なんだね。
「俺も何が書かれているか知りたい! なぁ、教えてくれよ!」
ルドも興味津々で聞いてくる。内容は別に教えても構わにけれど……
封印解除の呪文は黙っておこう
「ここに書かれているのは、『ここには生活ダンジョンを作って隠してある悪用される事の無いように封印を施してあるが、必要になった時には使ってもらいたい』って書いてあるよ」
「「生活ダンジョン??」」
「なんだろうね?それしか書かれていないし…生活に必要な物が出てくる……とか?」
ダンジョンの中は気になるけれど…今、必要って訳ではないから封印解除するのもなぁ……
「”必要な時”って書かれているから…気になるけれど今はそっとしておいた方がいいと思う」
「だけど、ここまで来て気になるだろ?どうにか入り口見付けられないか?」
ルドはダンジョン発見を凄く楽しみにしていたみたいだけれども、今は諦めてもらおう。
クロはどうだろう…?
「私も気になるけれど、凶悪な魔物も一緒に封印されていたらと思うと…ね?クロもそう思わない?」
「確かに気になるけど、今の俺達じゃ力不足な気もする。古のダンジョンと言うからには軽い気持ちで封印を解くものではないと思う。それに、解除の方法も分からないしな」
私もクロの意見に賛成ではあるが…何か意味深な顔で私を見ている。
もしかして……小さいくせに聡明なクロだから私が他にも何か隠していることに気が付いたのかも…
「ここまで来たけどダンジョン捜索は一旦終了にして、これからの進路について考えようよ」
「それは無いだろ……いくら何でもあんまりじゃねぇ?」
「ルド、俺達は他にも考えることがあるはずだ。これからどうするか、そこに集中すべきだ」
そうだ、二人は追われているんだった。ダンジョンに気を取られてすっかり忘れていたよ。
「ねぇ、テントで休憩しながら今後について話さない?」
そう言ってテントを取り出して中に入る――
キッチンで手を洗い、お茶とプリンの準備していると二人も慣れた様子で、手を洗い終えてソファーに腰掛けて待っていた。もちろん入るときには「クリーン」しているけどね。
プリンをテーブルに置くと、二人の瞳がキラキラ。耳と尻尾がピコピコしていて可愛い。
いかんいかん。気持ちを切り替えて――
おやつを食べながら今後について話をすることにした。
「食糧や泊まる場所の心配はないから……ライディン国に帰るか、近くのフライギル国に行くか……それとも別の国にする?」
これから何処に行くのかだけど、この子達と、どこまで一緒に行動するかも考えていた方がいいよね……私としては、家族の元へ帰すまでって思うのだけれど……
「私はこの森から出られるなら、どの国に行ってもいいよ。できれば二人が家族の元に帰るまでは一緒にいたいと思うのだけど……2人はどうしたいのかな?」
「俺達は……少しルドと二人で話し合いたい」
そう言ってクロはルドを連れて部屋に行ってしまった。
二人が何から逃げているのかは分からないけれど、私にできることは協力してあげたいと思う。
ちゃんと家族の所まで連れて行ってあげたい…
まぁ、決めるのは二人なんだけど…
どうなるんだろなぁ……
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