30 魔法を試してみる?
子供に、子供と思われていたなんて……なんだかショックである。
だが、小さいのにしっかりしていて知識もある二人だ。だから私が無知な分、余計に子供っぽく見えてるだけなのかも…
そもそも、この子達の事よく知らないし……
ルドは茶髪に緑の瞳をしていて身長も120㎝位かな?クロは銀髪で赤紫の瞳で110cmあるかな?
よく見ると二人ともかなりの美形だが、まだ幼いから可愛い。
特に耳と尻尾がすごくかわいい!たまにピコピコしてるのが可愛いのだ。
この際だから聞いておこう。
「二人とも犬獣人かな?」
するとルドが教えてくれる
「俺は犬獣人だがクロは狼獣人だ。獣人は身体能力が高く、幼い頃から戦いを学んだりするから人族の年齢と同じ扱いされても困る」
「ねぇ獣化できたりする?見てみたい!」
怪訝な顔してクロが答える
「身体能力が高いと獣化できるやつもいるが……今の俺達では無理だ……なぜそんなことを聞く?」
「だって子犬って可愛いよね!モフモフしたいよね!」
「「…………」」
二人は嫌そうな顔をしていたが私は気付かなかった。
子犬と子狼をモフモフする妄想に取りつかれていたから。獣化無理でも想像はOKでしょ?
しばらく妄想していた私だが、浮かれていた思考を振り払った。
これからの事を考えなければ…こんな可愛い幼子に戦いや危険な目に合わせたくないしね。
……でも。
魔獣と戦ったことのない私は、現状どうしても彼らを頼らないといけない部分があるのは悔しいけれど、それが現実だ。せめて最低限、自分の身くらい守れるようにはならないと。
私はちらりと地図を見てから、二人へ視線を向けた。
「これからについてなんだけど、私も攻撃できるか魔法と武器を確認したいと思うの」
突然話を切り出した私にルドは
「無理して戦えとは言わないが…どの程度動けるのかは確認しておきたいな」
「ねぇ、どこかで試してみたいと思うから……少し外出て練習場所探してみない?」
その言葉に、ルドとクロは表情を引き締めた。
「うん。もちろん危なそうならすぐ戻るけど……実際に周囲を見てみたいし、自分が出来る事知っておきたいしね」
私がそう説明すると、クロは少し考えるように耳を揺らした。
「自分の事なのに知らないのか?……記憶障害だったな。確かに、森の様子を知っとくのは大事だが…」
ルドも静かに頷く。
「このままって訳にはいかないし、進むことも考えなければならないからな」
そうして私たちは外へ出ることにした。 記憶障害……言い方!解せぬ。
――――――
外に出てテントをポケットに収納していざ出発。昨日の暴雨が無かったみたいに晴れ渡っていた。
私たちは岩壁の堀から出て歩き出す。
「近くに空き地みたいに開けた場所があればいいけど…」
地図を出したまま確認しながら進むことにしたのだが、現在地を大きくしないと見ずらい…………ズーム機能あるかな?
試してみるとできました!森なので、ちゃんとした道は無いけど通れそうな場所が示されていた。さすが地図様便利です。
「「……」」
二人は何も言わなくなった。
川沿いから少し離れてたところに何やら怪しげな表示がされていて……
――隠れダンジョン。
ゲームとか漫画みたいな単語である。
「古の隠れダンジョン?なんだろう?ねぇ、2人とも知ってる?」
とても驚いた表情をしてルドが言う。
「ダンジョンは大陸のあちらこちらに存在するが……隠れダンジョンは聞いたことが無いな…」
続けてクロも
「ダンジョンなんて見付けたら国に報告義務がある。……ここは不可侵の森だから今まで気付かれなかったのか…」
「どうする?そんなに遠くではないみたいだけど…行ってみる?」
「……一応、確認はしておいた方が良さそうだが…とりあえず入り口だけでも確認しておくか」
ルドの言葉に私もクロも頷く。内心では少しワクワクしているのだが、戦えるのか私。魔法で何とかなりそうな気もするが、まずは試してみない事には分からない…けど、行ってみたいと思った。
とりあえず、私たちはダンジョンのある方へ進んで行くことにした。
森の奥へ進むにつれ、木々の間隔が少しずつ広がっていく。
二時間ほど歩いただろうか…
やがて視界が開け――私たちは木々の少ない開けた場所へと辿り着いた。
私はテントを取り出して、
「少し休憩にしようよ。のども乾いたしお腹空いたしね」
二人も頷き、テントに入り休憩することにした。
「手を洗ってから、食べたいの取ってきて?私は先に飲み物準備しておくから」
二人は急いで手を洗いに行く。ピコピコと耳が動き、しっぽも揺れて…かわいいなぁ。
手早く準備して、みんな揃って「「「いただきます」」」
――食事休憩を経て再びテントの外へ――
「ここなら魔法の練習しても大丈夫かな?少し試してみたい」
「強力な魔法でなければ大丈夫そうだが…使える属性は?火は気を付けた方がいいからな」
そんなルドの言葉に私は首を傾げる。
「属性って?私のは生活魔法だよ? 」
「「えっ!!!」」
えっ?どうしたのかな?生活魔法も使い方次第で攻撃できると思うのだけど…?
「生活魔法って…生活に使う程度の便利な魔法なのだが…無理じゃねぇ?」
ルドが呆れた表情で言うし、クロもクロで、
「お前大丈夫か?記憶障害が悪化したのか?」
二人とも酷い!!私の生活魔法は一味違うんだから!
「生活魔法って使い方によっては攻撃にもなるんだから!まぁ見ててよ」
まずは、庭掃除には欠かせな草刈り。草刈りの威力を上げれば攻撃になると思ったんだよね。
試しに近くの草に――
「草刈りカッター!」
言ってて恥ずかしかった。ネーミングセンスが……残念過ぎた。
だが、魔法の威力は結構あり、近くの大木までスパッと!切れていた。
私は振り返って二人に――
「結構イケるんじゃない?でも、もう少し強くないと魔物は倒せないのかな?」
威力は何となくだが調節できる気がする。もう少し強い方がいいのかと考えていると、
あれ?何にも言ってくれないの?もしかしてダメダメだったとか?
二人を見ると―― 目を見開いて固まっていた。
「ダメだった? もう少し威力あった方がいいのかな?」
「「なんだそれーーーー!!」」
はて?
「生活魔法だよ?威力を上げたら攻撃にも使えると思ったけど……もっと威力あげてやってみるか」
「「待て、待て待て!威力ありすぎるだろう!!」」
「これくらいの攻撃だったら魔物倒せる?」
二人は、ぶんぶんと首を縦に振って頷く。
そっか…魔法で倒せそうでよかった。……正直、武器(包丁)は出したくない……
「お前、ヤバくないか?生活魔法のレベルじゃないだろ……」
「……さらに威力を上げれるみたいだし…本当に戦った事ないのか?」
「無いから今試しているのだけど……これって普通じゃ無いの?」
「「普通じゃ無い!」だろ!」
おー声が揃ってるー
「まぁ攻撃魔法にも使えるってことでいいじゃない」
「そんなことが……」「使えるから良いのか?」
とか、なんとか、ブツブツ言ってるが気にしないことにした。
だって生活魔法ssだしね! 便利で最高ー!!
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