25 続 これからどうする?
私も手早く風呂を済ませ、シンプルなワンピースに着替えた。
きれいさっぱり気持ちよかった♪
お風呂上がりの二人は可愛かったな… ずぶ濡れの子犬みたいで…
ドライしたら、ふわふわのもふもふ。ちょっぴりブラシングさせてくれたけど…
余り触られるの好きじゃないのかな?
まぁ…今日知り合ったばっかりだし。しばらくは一緒に居てくれるみたいだから…
チャンスはいくらでもあるはず!
リビングに戻ると二人はソファーにもたれてウトウトしていた。
この子達も大変だったみたいだし疲れているんだろう…
そう考えてたら――クロが私に気付いて目を開ける。
「疲れてるよね?食欲ある?さっき少し食べたけど、夕ご飯にする?」
今後の事を、もう少し詳しく話したいけれど、早めに休ませたい思いもある。
「…食べたい」
「……ん…………ごはん?」
――ルドの腹がぐぅぅぅ……と盛大に鳴った。
「……ルド………」
クロは呆れてルドは“ごはん”で目覚めた。そして私は吹き出した。
「ふふっ……どれぐらい食べれそう?いっぱいあるから遠慮しないでいいよ」
「正直言うと…たくさん食べたい!まともに食べてなかったから……」
ルドは少し気まずそうに視線を逸らしながらも、腹の虫には勝てなかったらしい。
その言葉に、クロの表情がわずかに曇る。
「……食料もろくに無かったからな」
ぽつりと落ちた声は小さかった。
逃げている途中だと言っていた。
きっと、落ち着いて食事を取る余裕なんて無かったのだろう。
私は二人を見比べて、にこりと笑う。
「じゃあ今日はいっぱい食べよう。沢山あるから!」
「本当か!?」
ルドの顔がぱっと明るくなる。
「うん。本当。食べてもなくならないから!」
「「えっ!?」」
しまった!うっかり口が滑ったー!!
やばい!誤魔化す?ちゃんと説明する?どうする??
テンパった私から出た言葉は――
「ちっ違う!食べたら無くなるけど、勝手に補充され…!」
「「「はぁーーーーぁ!?」」」
あっ。(゜Д゜;)
誤魔化そうとしたら言っちゃった……
「「「・・・・・・・・・」」」
どうする私……
考えた結果。 しばらく一緒にいることだし―――
まぁいいっか!
隠し通す自信ないしね! 今更だよね!
細かいことは気にしないでおこう。どうせ “変な奴” って思われているし!!
この際、見てもらった方が早いかも…
そう思った私はキッチンへ2人を案内することにした。
「ちょっと一緒に来て?」
お互い顔を見合わせ頷くと素直についてきた。
まずは冷蔵庫から説明しよう。
「ここには冷やしてある食べ物が入っているよ」
中を見てびっくりした様子で…
「食べ物がたくさん……」
「……冷蔵箱か?」
ついでに、冷えたお茶を取り出して置く。
後で、ご飯と一緒に頂こう。
次にパントリーへ案内~
「ここには、すぐに食べれる軽食とイロイロ食べ物を置いてあるからね」
「「・・・・・・・」」
「見たことのない美味しそうな食べ物が……」
「……空間?…時空魔法か?……非常識すぎないか?……」
私も仕組みなんて知らないから…細かいことは気にしないで欲しい。
私のスキルは非常識だから気にしたら負けなんだよ!
困惑する2人を無視して――
「どれ食べる?夜ご飯はここにあるの食べよう?」
私はキッチンへ行き、大き目の平皿を3つ持って二人の元へ戻ると、ルドとクロは食べ物に釘付けである。……
「好きなの選んで向こうで食べよう。」
困惑するクロ……目を輝かせているルド。
お皿を渡して私も選ぶことにしたのだが二人は動かない。
遠慮してるのかな?
「どうしたの?私が選ぶ?」
そう聞くと、二人は無言のまま、こくこくと頷いた。
もしかしたら見慣れない食べ物なのかも。私は二人の皿へ同じものを選んで入れることにした。
ハンバーガーとチースバーガー、ポテトと唐揚げ。
今日ぐらい野菜なくてもいいよね。
備え付けられていたトングを使って持っている皿にのせて……
ダイニングテーブルへ案内~ お茶も準備OK
―――
「さぁ食べよう。いただきます。」
そう声を掛けると、二人はまた一度顔を見合わせた。
それから小さく頷き合い、恐る恐る食べ始める。
ルドがバーガーを勢いよくかぶりつく――次の瞬間、目を見開く。
「――っ!?」
慌てて口を押さえながら、もぐもぐと必死に咀嚼した。
「んぐっ……うまっ……!?」
「ふふ、よかった」
隣ではクロが慎重にチーズバーガーを見つめている。
黄色いチーズがとろりと溶けていて、かなり怪しんでいる。
「……これは……何だ?」
「チーズバーガー美味しいよ」
クロはゆっくりと一口かじって――ぴたりと動きが止まった。
「……どう?」
「………………うまい」
「ここにある食べ物は何でも美味しいはずだよ?」
「?」
「おかわりも沢山あるからいっぱい食べて!」
「……ありがあとう…」
小さく零れたその一言に、私は思わず笑ってしまう。
微笑ましく見ていると、ルドはすでにポテトへ移行していた。
「これもうまい!」
二人とも夢中で食べくれてる。お腹空いていたんだな…いっぱい食べて欲しいと思った。
私もバーガーを手に取り食べようとすると――
2人はもう食べ終わっていた!
早すぎじゃねぇ!?
「……おかわりする? 食べたいの取ってきていいよ?」
するとルドとクロは目をキラキラ輝かせ――
「「いいの!?」か!?」
相当お腹が空いているのだろう……お腹いっぱいになるまで食べてもらいたい。
「好きなだけ食べていいよ。遠慮しないで・・・」
そう言い終わる前に二人の姿はすでに無かった。
キッチンの奥から「「取ったのが元通りになってる!!!」」
うん。……ビックリだよね~ 自動補充有難い!!
キラキラの笑顔で戻ってきた二人の皿には山積みの食べ物・・・食べきれるのか?
そんな私の心配をぶち壊すように、おかわりを4~5回繰り返し、やっとお腹いっぱいになったらしい。
小さい体の何処にそれだけ入るんだ???
―――
後片付けを済ませて少し話し合う事にした。
「この森について教えてくれる?」
そう尋ねると、ルドはわずかに視線を巡らせてから静かに口を開いた。
「ここは魔獣の森、その中にあるとされている不可侵の森だと思う。俺達も不可侵の森に来たのは初めてだから、そんなに詳しいわけじゃない。ただ…知ってるのは不可侵の森は未知なる部分が大半だ」
――不可侵、っていうぐらいだから……危ない場所、なのかな?
ルドの説明を引き継ぐように、クロも淡々と言葉を続ける。
「魔獣の森は名前の通り魔物や獣が棲む森だ。
この大陸の中心に位置していて、各国全てがこの森の何処かに接している。
けれど、この森はどの国にも属しない…してはいけない事になっている。
こへ来るのは主に冒険者や狩人、討伐隊の連中ばかり。
森の奥へ進むほど現れる魔物は強くなるから、深部までたどりつい話は殆ど聞かない。
その深部付近に魔物が殆ど現れない領域があると伝えられている。
それが不可侵の森と呼ばれている場所だ。」
――だから森を歩いた時に生き物と遭遇しなかったのか…
ルドがさらに話を続けた。
「魔獣の森は800年前の勇者と聖女が古代竜と戦った森とも言われている。
伝承では、勇者は古代竜を討伐できずに封印したとされている。
そして、300年程前からその封印が弱まってきているせいなのか、魔獣が増え、力も増しているのが現状だ。封印の状態を確認できたものがいないので憶測にしか過ぎないのだがな。」
!!勇者と聖女ってまさにファンタジー…もしかして異世界人だったりして……
面白い! 続きが気になる!
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