16 獣人さんと話してみよう
警戒心むき出しにしてで怒鳴る子供。怒ってる様で怯えてる?
その子の足元にもう一人倒れている小さい子がいて・・・
――まさか、死んではいないよね?
嫌な想像が頭をよぎり、思わず息を呑む。
どうしたら良いかと考え込んでいると、子供は苛立ったように再び声を荒げる。
「聞いているのか! 何者だ? 答えろ!!」
ビックリして咄嗟に叫んだ言葉が――
「迷子です!! 怪しい人じゃ無いです!!」
・・・・・・・
自分で言った言葉にビックリして固まった・・・
相手も思ってもいない言葉が返ってきた様で固まった。
どう考えても怪しさしかない。迷子には間違いないけど!
――気を取り直して、出来るだけ穏やかな口調で話しかけてみる。
「倒れている子大丈夫? 近くで声が聞こえたから気になって来てみたの」
本当は、初の異世界人遭遇に期待して来ました!とは言えない!!
倒れている子が気になるのは本当だけどね。
「何者だ? 何が目的だ?」
先ほどより幾分か声色は和らいだけど、警戒は薄れて無い。改めてよく見ると、子供の服はずぶ濡れで、体は傷だらけである。これ以上警戒されないように優しく言葉を掛ける。
「私の名前は奈々、人間だけど怪しくないよ。怪我しているけど何があったの?倒れている子も大丈夫なの?」
子供は目線を少し下げて、足元に横たわっている子を気にしながらゆっくりと話し出した。
「俺たち急に襲われて……逃げている途中で川に落ちて流されたんだ」
なんと!襲われただとー!
何に襲われたのか気になるけど・・・
「二人とも怪我してるし、その子の状態も確認したいから近寄ってもいい?」
私に敵意がないと思ってくれたのか、しばらく考えてから頷いてくれた。
倒れている子に近づき身体状況を確認すると、呼吸はしているが意識が無く、この子も傷だらけで逃げる途中で負った傷なのだろう。
痛々しい姿に眉をひそめながら、せめて、傷だけでも治してあげたいと思い聞いてみる。
「二人とも傷だらけだから治してもいい?」
「!!回復魔法が使えるのか!? 今は手持ちが無いので後で必ずお金払うので治してください。お願いします!」
勢いよく頭を下げてお願いされるが、子供からお金を貰う気は無い。
「お金は要らないよ。気にしなくて良いから――まずは君から “スキンケア!”」
「えっ?スキン? え?」
混乱する子供・・・
そうだよねー普通は“ヒール”とかなんだよねぇー
子供の体が薄っすら光りに包まれて消える。光が消えたと同時に傷が無くなっていた。
スキンケア凄い!目の前の子は傷一つない綺麗な肌をしている。
さすがに洋服は直らなくてボロボロのままだけど傷が治って良かった。
倒れている子にも「スキンケア!」
2人の怪我が治って一安心だが、この後どうしよう・・・
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