0058 運命
──同時爆発テロ当日(sideアリア)──
この日、アリアは早朝から一人で町の探検に出かけていた。
「ふんふふーん♪ ごきげんよう小鳥さんたち! 素敵な朝ですわね!」
のんきに鼻歌を響かせながら枝にとまった小鳥たちにアリアが話しかけると、一目散に逃げられた。
ついでに足元の草花は萎れ果て、窓から顔を出して朝の空気を満喫していたエルフも悲鳴を上げて部屋の奥へと引っ込んでしまう。
残念、姫パワーが足りなかったらしい。
「まあ! 人を化物みたいに! 失礼しちゃいますわ!」
などと言いつつも三歩も進めば、すでに彼女の興味は朝露に輝く美しい町並みへと移っていた。
巨木と水晶、色とりどりの草花が織りなす景色は、まさしくおとぎ話に登場する妖精の国そのものだった。
朱色の鳥居を潜り、色鮮やかに咲き誇る花の香りを楽しみながらあっちへふらふら、こっちへふらふら。
すると突然、朝の爽やかな空気を切り裂くようにホイッスルの音が鳴り響いた。
「こらー! そこの不審者! 待ちなさい!」
「アン・ドゥ・トロワ♪ アン・ドゥ・トロワ♪ やあお嬢さんごきげんよう♪ 素敵な朝だねぇ。ハハッ!」
何事かと思いアリアが音のした方へ視線を向ければ、全身銀色タイツのおじさんと目が合った。
どういうわけかお尻の部分だけ丸出しで、バレエダンサーのようにくるくる回りながらエルフ警官から逃げている。
どこからどう見ても不審者だった。
不審者が回るたび、もじゃもじゃの汚い尻に挟んだリボンがヒラヒラ踊る。
「私は月の妖精♪ 月の光を捕らえられるのは~、鏡のような湖面だけなのさ~♪」
アリアが何かリアクションを起こす間もなく、不審者と警官は嵐のように彼女の前を通り過ぎて行った。
静かな朝が台無しである。
ぶるりと頭を振って目に焼き付いた汚い映像を掻き消し、気を取り直して散歩を再開するアリア。
今の出来事は無かったことにしたようだ。
月の妖精があんなのであってたまるか。
それからしばらくエルフェリア市内を存分に散策したアリアは、ゴール地点に定めていた世界樹の根元へたどり着いた。
「あら? あれは……」
世界樹の根元にぽっかりと開いた大穴の周囲に、弓で武装したエルフ兵の姿がある。
何かを警戒しているのか、周囲を見渡す視線はやけに鋭く、なにやら物々しい雰囲気だ。
何事だろうと気になり、アリアは大穴の横に立っていた兵士に声をかけた。
「随分と警備が厳重なようですけど、何かありましたの?」
「ひっ!?」
「……そんなに怖がらなくてもいいじゃありませんの」
「な、なんだ女の子か。ごめんごめん。最近森の様子が変だろ? それがどうやら魔族の仕業なんじゃないかって情報が入ったらしくてね。今は町中どこもこんな感じさ。君は観光かい?」
「ええ、中を見せてもらうことはできまして?」
「構わないよ。一応身分を確認させてもらってもいいかな?」
もはや慣れつつあるやり取りを挟みつつ、兵士に冒険者証を提示し、大穴に入る。
そこはどうやら聖神教の大聖堂のようだった。
世界樹の根を支えるように水晶の梁が何本も通されており、世に二つとない独自の建築様式には目を瞠るものがある。
奥には世界樹の根に絡めとられた巨大な金属製の右腕が鎮座しており、それが放つ異様な気配が場をしんと満たし、独特な雰囲気を生み出していた。
大翔がこの場にいたなら「巨大ロボの右腕」とでも評しただろう。
「すごいだろう? あの右腕は現存する神代の遺物の中でも特別大きなものなんだ」
背後からの声に振り返ったアリアは、そこに立っていた人物を見て思わず目を見開いた。
声をかけてきたのは、長い銀髪を後ろで三つ編みにしたエルフの少年。
迷彩柄のポンチョを羽織っており、オリーブ色のズボンと頑丈そうな黒いブーツを履いている。
大聖堂には似つかわしくない、兵士のような恰好だ。
────似ている。
真っ先に浮かんだ感想がそれだった。
他人の空似だとは分かっている。だがその一言で片づけてしまうには、目の前の少年はあまりにも記憶の中の彼と瓜二つで。
カイル・ギアハート。
アリアの専属騎士にして、初恋の人。
だがカイルはアリアが九歳のときに事故で命を落としている。彼であるはずがない。
「創世の時代、聖神に敗れた魔神は身体を五つに切り分けられ、各地に飛散したと言われている。この大聖堂は右腕の封印と監視を目的に建てられたんだ。色々あって今じゃすっかり観光スポットになってるけどね」
慣れた様子で少年────ハルトが大聖堂の説明に移ると、アリアが不思議そうに首を傾げた。
「あなた、わたくしが怖くありませんの?」
「どうして?」
「他のエルフの方々はわたくしを見ると怖がりますのよ。理由を聞いても本人たちもよく分からないみたいで困っていましたの」
「ふぅん」
ずずい、とハルトがアリアに顔を寄せ、彼女の瞳をまじまじと覗き込む。
近くで見るとやはり似ている。
彼はエルフだ。おそらくカイルよりもずっと年上で、種族も違うため血縁でもないだろう。
頭ではそう理解していても、生まれ変わったカイルが再び自分に会いに来てくれたと錯覚してしまうほどに、目の前の少年は初恋の人に瓜二つだった。
どぎまぎしたアリアが頬を染めてきゅっと唇を噛み締めると、ハルトはどこか納得したように「ふむ」と声を漏らす。
「君はどうやら精霊に近しい存在のようだね」
「そ、そうなんですの?」
「精霊がどうやって生まれるかは知っているかい?」
内心の動揺を隠しきれずアリアが裏声で問うと、少年は魔神の右腕を見上げて問い返す。
「動物霊が自然物に宿り、長い時間をかけて大自然の気を取り込むことで変化した存在。それが精霊ですわ。何に宿ったかによって精霊自身の属性が決まるのですよね」
「その通り。よく勉強しているね。まあ中には記憶の精霊みたいにどこから生まれたのか分からない子たちもいるけど」
と、少し困ったような笑みを浮かべるハルト。
それから彼は軽く目を伏せ、少女から感じる朧げな気配を言い表す言葉を探るように胸の前で拳を握りしめる。
「僕はこう見えても古いエルフでね。精霊が持つ属性を五感で感じることができるんだ。君から感じるのは、昏くて安らかで、だけど少し冷たい、そんなイメージだ」
「……もしかして、それは死のイメージ?」
おそるおそるアリアが聞くと、ハルトは「そう、それだ」と、どこか納得したように小さく頷いた。
「あなたは死が怖くありませんの?」
「僕には君がとても魅力的に感じるよ」
黄金と新緑、二人の視線が交わり、惹かれ合う。
永遠にも思える一瞬の交錯の中で、二人は互いの間に奇妙な絆が結ばれていくのを感じていた。
千の言葉を交わすよりも雄弁に、されど一瞬の内に行われた瞳を通じての会話。
ハルトが優しく微笑みかければ、アリアは自分の顔が熱を帯びたのを自覚した。
「────あ」
つぅ、と、アリアの頬を珠の雫が伝う。
涙の理由が分からず戸惑うアリアを前に、ハルトは顔を曇らせ一歩距離を取る。
「……っ、ごめん」
「ま、待って!」
呼び止める声も虚しく、ハルトは踵を返して大聖堂から逃げるように走り去っていく。
流れ落ちた涙の理由も分からず、伸ばしかけた手は虚しくも空を切る。
自分以外誰もいなくなってしまい少し肌寒くなった大聖堂で、アリアはしばらくの間、呆然と立ち尽くしていた。
すると突然、町の方から大きな爆発音が聞こえた。
その衝撃で天井の埃がパラパラとアリアの頭に降り注ぐ。
「な、なんだ!?」
「分からん! 警戒し────」
大聖堂の入り口を警備していた兵士の声は耳慣れぬ轟音にかき消され、どこからともなく吐き出された鉛の雨に引き裂かれた。
兵士二人が一瞬のうちに血煙に変わる様を目撃したアリアは、反射的に天井の梁の上に飛び乗り、身を隠す。
「クリア。目標地点に到達」
『────ザザッ。対象物を回収し、速やかに合流ポイントへ向かえ』
「了解」
恐る恐る梁から顔を覗かせ下の様子を窺うが、声は聞こえど姿が見えない。
しかしよくよく目を凝らすと、空間が僅かに揺らいでおり、そこに何かがいることが分かった。
透明な侵入者たちは淀みない動きで大聖堂の四隅に円錐形の機械を設置していく。
並行して天井の梁や世界樹の根にも杭のようなものが次々と撃ち込まれていった。
足元に突き刺さった杭をアリアが「えいっ!」と引っこ抜く。
頭の部分に赤と緑のランプがついており、どことなく危険な香りがした。
「ベータ班ゲート設置完了」
「アルファ班も完了です」
「チャーリー、完了」
「デルタも完了だ」
「よし、一〇秒後に起爆する。タイマー合わせろ」
おそらくリーダーと思しき者の声が響くと、先程大聖堂の四隅に設置された円錐の頂点に稲妻が迸る。
それぞれの円錐が電流で正方形に結ばれると、魔神の右腕の真下で空間がぐにゃりとねじれ、何処かへと通じる黒穴が開いた。
(いま起爆と言いました!? これのことですわよね!? ど、どどどどうしましょ!? どうしましょう!?)
あたふたと爆弾をお手玉したアリアは、とっさにそれを円錐形の機械へ向けて放り投げた。
細腕からは想像もつかないほどの速度で投げ放たれた爆弾は、謎の機械に深々と突き刺さり────。
ドッカァァァァン!!!!
一〇秒のカウントダウンを待たず大爆発。
円錐形の機械の一つが壊れたためか、魔神の右腕の真下に開いていた黒穴が不規則に揺らぎ始めた。
「な、なんだ!? 何が起きた!?」
「隊長! あんなところに妙なガキが!」
「なんだと!? アイツのせいか!」
「見つかっちまいましたわー! ごめんあそばせ!」
とうとう姿の見えない侵入者たちに見つかってしまったアリアは、ひとまず逃げようと窓の外へ意識を向け強く念じる。
虚空瞬在。
魂の座標を任意の地点にずらすことで肉体を瞬間移動させる死者の歩法。その応用である。
だが────。
バチッ!!!!
「痛ったぁ!? なんなんですの! って、あら? あららららら!? あ────れ────っ!?!?!?」
彼女の身体は見えない壁のようなものに阻まれ、弾かれてしまう。
直後、ぐねぐねと揺らいでいた黒穴が大きく広がり、その引力に吸い寄せられたアリアは、抗うこともできず穴の中へ引きずり込まれてしまった。
「まずい、ゲートが暴走した! 総員退h────」
アリアを丸呑みにした黒穴はさらに大きく広がり、透明な侵入者たちもろとも大聖堂をまるごと飲み込むと「ガオンッ!」と口を閉じる。
跡には球形に抉れた世界樹の洞だけが残され、美しかった大聖堂は跡形もなく消え去っていた。
◇
──冒険者ギルド エルフェリア支部(side大翔)──
「────現場付近を漂っていた精霊の記憶を読み解いた結果、君たちの仲間は魔族が開いたゲートの暴走に巻き込まれたことが判明した」
爆破テロ翌々日の朝。
冒険者ギルドの仮説支部に呼び出された俺たちは、ギルドマスターからアリアの行方について話を聞いていた。
どうやらあの爆破テロは陽動で、魔神の右腕と呼ばれる神代の遺物が封印された大聖堂への襲撃が本来の目的だったらしい。
ところが事件当日、偶然現場に居合わせたアリアのおかげで敵の計画に狂いが生じ、魔人の右腕ごと全員仲良く行方不明。
……と、そういうことらしい。
「行方の手掛かりはないの!?」
目の下に隈を浮かべたリゼラが血眼でギルドマスターに食いかかる。
一昨日からずっと心配してたものな。
「空間系異能者の調査報告では、どうやらあの場にいた者は全員空間のひずみに飲み込まれて世界樹の頂上付近へ放り出されたらしい」
「すぐ助けに行くわ!」
「待つんだ。報告書には魔神の右腕の放つ魔力の影響で、頂上付近が異界化している可能性も示唆されている。それに世界樹の上層は銀等級クラスの禁足地だ。仲間が一人欠けた状態の君たちを行かせるわけにはいかない」
「っ!!!! 邪魔するって言うならギルドマスターだろうと容赦しないわよ!」
一瞬で沸騰したリゼラが、ギルドマスターに人差し指を向ける。
クラーケン討伐の褒美に貰った指杖がギラリと白金の輝きを放ち、ギルドマスターがギョッと目をむいて僅かに後ずさった。
「落ち着けって! ギルマスに喧嘩売って何になる!? お前らしくもねぇ!」
「私らしいって何!? 知ったような口聞かないでよ!」
すぐさまアーシュラが間に割って入り、手首を掴んで指杖を下ろさせようとするが、リゼラに抵抗され激しいもみ合いになる。
が、いくら弱っているとはいえ、相手はこの道一〇年のプロだ。
狂気のガリ勉姫が体術の天才に力で敵うはずもなく、リゼラはあっという間に床にうつぶせの状態で組み伏せられた。
「放して! どきなさいよ!」
「じゃあまず暴れるのを止めろ! どうしたんだよ急に!? いきなり暴れられてもワケ分かんねぇよ!」
必死の抵抗を試みるリゼラだったが、身体の重心を押さえられてはどうにもならず、やがて力尽きたように握りしめていた拳を床に下ろし、弱々しく嗚咽を漏らした。
「なんでよ……っ。どうしてアリアばっかり……。転生って何? いい子にしてたら、死んだ後は楽園に迎えて貰えるんじゃないの!?」
予想もしなかった答えに、俺とアーシュラは思わず顔を見合わせてしまう。
なんと答えていいか分からず、ひとまず様子を見ようとアイコンタクトを交わす。
「アリアとまた会えたことは、何よりも、心の底から嬉しかった。……けど、気づいちゃったのよ。あの子がいなくなったら、今度こそ私は私でいられなくなる……」
まるで血を吐くようなその独白は、オーランで感じた違和感の正体に繋がっているような気がした。
「……教えてよ。神様なんていないんだって、全部嘘だって知ってしまったら、私が正しいと思ったことが善いことだって、何が証明してくれるのよ……!?」
あまりに想定外な問いを投げかけられて、俺の中に一瞬、空白が生まれた。
そんなの、普通に……いや、違う。
これ、多分、俺が思ってるよりもずっと重い話だ。
何を善しとして、何を禁忌とするのか。
そういう誰の中にもあるはずの、物事の善悪を測る物差し。
あるいは、何をもって『普通』とするか。
おそらく今、リゼラはその『普通』が揺らいでいる。
あの噴水広場で、リゼラは聖神教が自分の価値観の土台になっていると言っていた。
それは多分、日本で育まれた俺の『普通』とは、似ているようでまったく異なるものだ。
────これは、困ったぞ。
だって俺自身、物事の善悪を判断するためのルールブックが無くとも、心の平静が取れてしまっているのだから。
それがどうしてなのか自分でも言語化できないのに、こうすればいいなんて言えるはずもない。
「────これはある海賊団の掟なんだがな」
長い沈黙を破り、いつになく難しい顔のアーシュラが探り探り口を開いた。
「神に祈るな。神に縋るな。祈る暇があったら身体を動かせってな」
まるで自分の中にある見えない物差しを言葉に直すように。
口に出すほど、アーシュラの表情に郷愁の色が混じっていくのが見ていて分かった。
「そいつらは義賊なんて呼ばれるような連中だったんだが、そんでも海賊には変わりねぇ。悪人限定とはいえ奪うし、殺しもする。海神教の教えだと、海を罪人の血で汚した奴は死んだら地獄に落ちるって言われてるんだが、それでもやるんだ。なんでか分かるか?」
馬乗りを解いたアーシュラがリゼラの顔を覗き込んで問う。
俯きがちにリゼラが小さく首を横に振ると、アーシュラは「だよな」と苦笑を零した。
「それが正しいって信じてるからだ。勿論、海賊の正しさなんてどこにも書かれてねぇし、どんな神サマだって許しちゃくれねぇ。テメェの中にしか無ぇもんだ。だから状況次第でいくらでも揺らいじまう。それこそ船みてぇにな」
それはどこか今のリゼラと似ている気がした。
リゼラも同じことを思ったのだろう。
その先の答えが知りたいと、どこか縋るように青い瞳が揺れた。
「だから海賊は“仲間が最初に信じた自分”を信じる。そうすりゃ、どんな荒波が来ようと仲間がテメェの初心を思い出させてくれるからな」
そうだろ? と、アーシュラが眉を上げつつ俺に視線を投げ寄こす。
仲間が最初に信じた自分を信じる、か。
確かにそれなら、どんなに状況が変化しても自分の芯は変わらない。
リゼラがブレそうなら俺たちで支えてやればいいし、逆に俺がブレそうになったらみんなが支えてくれる。
そう思えば安心できる。
俺が頷き返すと、アーシュラは再びリゼラの顔を覗き込み、柔らかい笑みを浮かべた。
「大丈夫だ。アリアは強ぇ。お前はアリアの一番のダチだろうが。だったら誰よりもあいつを信じてやらねぇでどうする」
「そうだよ。きっと今頃のんきに世界樹を探検してるって!」
俺とアーシュラが励ますと、リゼラは顔を伏せたままのそりと身体を起こす。
それから、長く、深く、肺の中の空気をすべて出し切るまで息を吐き────ほんの一瞬、励起した魔力の光が全身を薄く包んだ。
時間にして、コンマ一秒。
光が収まると、リゼラは弱気な自分を追い出すように顔を両手で「ぱちんっ!」と叩いて顔を上げた。
「…………ごめん、弱気になってた。ありがとうアーシュラ、ヒロト」
目元こそまだ赤いままだったが、いつも通りの冷静な魔法使いの顔がそこにあった。
「なんだよ。急にいつも通りじゃねぇか。魔法使いの秘技ってヤツか?」
「そんな大層なものじゃないわ。簡単な自己暗示と脳内ホルモンの調整をちょっとね。ギルドマスターも、取り乱してすみませんでした」
「気にするな。よくあることだ」
感心した様子のアーシュラに答えつつ、リゼラが改まって頭を下げると、ギルドマスターは笑って許してくれた。
心の広い人で助かった。
「時間が惜しいわ。すぐに臨時メンバーの募集をかけるわよ。それと物資の準備も」
「あ、そうか。荷物は全部アリアに持ってもらってたから、俺たち今何も持ってないのか」
そういえば魔法の袋もずっとアリアに預けっぱなしだ。
……ダメだな。俺も寝不足で頭が回ってない。
「じゃあ二手に分かれたほうがいいな。オレとリゼラは買い出し、ヒロトはギルドで臨時メンバーの募集だ」
「わかった」
かくして俺たちはアリア救出のため行動を開始した。




