浪曲1・万年花見➁
ばってん「いや便子(つまり女2.便利女のこと)、云っても仕方ねえよ。野郎(つまり私)は石部金吉だ。どう脅しても何を云っても聞きやがらねえさ」
クソモト「(踊り終えて座り込みながら)よーこしょ。んだ、んだ。野郎は石部コンコン畜生だ。俺たち、睡眠妨害やら、やつのモノを壊すやら、盗むやら、仕事に就かせねえやら…いったい何年嫌がらせをやって来たと思ってんの?おりゃあもう疲れたよ」
ズべ公「なに云ってやがる。まむしのクソモトの名が泣くじゃないか。それこそ1日24時間、1年365日あいつにひっ付いてさ、部屋ん中でインバーダー(小型発電機の類)を鳴らすやら、天井を棒で叩き床を踏み鳴らし壁を叩きまくるやら…毎日毎日、飽きもせずにようやってんじゃんよ。今日もやってやがったくせに。疲れたなんて、笑わすんじゃないよ。アハハハ」
便利女「まむしとは何よ。うちの人を悪く云わないでよ」
(※注:クソモトと便利女で対、ばってんとズべ公で対です)
ズべ公「うちの人か。アハハハ。おまえもカマトトだねえ。そう云うおまえだってあいつに〝まだ生きてるよ〟とか〝かわいそうに〟とかさ、一つことを延々と、それこそ幾千万回も云いやがって。〝うちの人〟といいコンビだあね。アハハハハ」
便利女「そっちこそ何よ。昼も夜中も〝プータッ!〟〝死ねーっ!〟とか、大音声で、団地中に響き渡る大声で喚いてるのは誰なんだい?極妻気取っちゃってさ」
ズべ公「なんだってえ~?」
ばってん「まあまあ。止しねえ。仲間内で云い合ってどうする。奴もそろそろこいつ、兄弟のお陰で身体がまいるだろうさ。年ももう73になりやがって働けやしめえし、素っ寒貧のホームレスも間近だろうぜ。そうなりゃあ…」
ズべ子「待ち遠しいねえ、その時が。そうなった暁にゃあ、あの野郎…」




