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ストーカー三昧・浪曲、小話、落語  作者: 多谷昇太
講談(1)お力
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本願を果たした一葉

わかります。そりゃわかります。確かにこれは当該URL(上のURLですね)にある通り、往時車上生活者にまで追い詰められていたわたくしが見た、樋口一葉との単なる幻の邂逅だったやも知れません。しかし、しかしですよ皆さん、私はこの類のことが明治時代の、生前の一葉の身に、確かに起こったのだと、固くそう信じているのです。その時の相手が(もちろん私などではなく)彼女の魂に蘇った父・正義氏であったか誰であったか、ひょっとして文学仲間の斎藤緑雨さいとうりょくう氏であったのか、それは正直わかりません(彼、斎藤緑雨は他の誰が何と云おうと彼女一葉を信じこれを応援し続けたのです。彼女の死後、妹・邦子が保存して置いた一葉の原稿を譲り受けこれを整理し、一葉全集として世に送り出したのは正しく彼でした。彼と一葉の妹・邦子が居なかったらば樋口一葉の著作が今のような形で我々の眼の前に現存していたかどうか、これは分かりません)。ですが、往時の一葉の感激が私の一葉恋慕の余りに時空を超えて私の心に伝播したのだと、そうお思いください。どうぞお願い致します。

 えー、とにかく、これで一葉は甦りました。魂の中の陰に覆い尽くされそうになっていたのを一気に、夜明け前の闇に曙光が差し広がるように、彼女の魂にある闇を、陰を一気に駆逐したのです。このとき彼女は自分を許し、同時に他の人々、友人や知人、市井の人々すべてを、自らの心の内に受け入れ、これを許したのです。同苦同悲の存在として、彼らのあるがままを暖かい心の内に受け入れ、これを抱擁したのです。この時にやっと、自らが造った「埋もれ木」のお蝶も、「にごりゑ」のお力の存在をも越え得たのでしょう…。

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