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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
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ラプラスVSネスク その4

遅くなっちゃいましたが、ようやく構成が終わりましたので更新させていただきます。

 先に動いたのはラプラスであった。

にたりと嗤うと、パチンと指を鳴らした。あの見えない飛ぶ斬撃が来る。


「くくくっ避けれるものならば避けなさい!!」


 何とも嫌な手札で攻めて来る。けど、何回もくらえば慣れて来るもの。


『そう何度も効いてたまるか!』


 怒りに燃える心を静め目を閉じて全身の感覚を研ぎ澄ます。

 無音の中にかき分けて来る何か。空気を舞う細かな埃のように舞う魔素が揺らいでその刃は目の前まで。


(そこかっ!)


 空気中に一際大きな電流が走った。見えない斬撃は雷によって打ち消した。


「な、に?!」

『てめぇに呆ける暇なんてねぇぞ!!』


 武技「雷双」を飛ばした。ラプラスは口元を嚙み締めた後、雷双の斬撃を回避した。


「人間風情がっ、神の力を手にした私を煩わせるなど万死に値する!!」


 翼を広げた飛び上がったラプラスは全方位に斬撃を撃ち放った。

 一定方向など無い乱方向の斬撃が嵐の如くネスクを切り刻もうと襲い掛かる。


『ここまでは想定内だ』


 奴は人間を下に見ている。当然、自身の攻撃を破られれば、頭に血が上る。

【解析】から得られた情報からの予測を利用しない手はない。


『〈自動(オート)〉モード起動。励起せよ』

【了解しました。これより、〈自動(オート)〉モードを起動します。】


 『書庫』の返答の後、感覚が一部剥がれるような感覚の後、体が勝っ手に動き出した。前みたいな失敗は犯さない。しっかりと手綱(主導権)は渡さない。

 自動化したネスクの体は斬撃の嵐をいともたやすく避けていく。その動きは常人離れをした動きだ。


「ちょこまかと !ですがいつまでそうしていられますか?」


 所々で切り傷が増えていく。蒼い炎がその度に癒すが、痛みの感覚は残る。


『くっ……』


 体にかかる痛みが精神に及ぼす影響は計り知れない。けど、ここで諦めてたまるか!

 〈自動(オート)〉モードで掻い潜りながら魔力を練る。空中に浮かんだラプラスまで攻撃を届かせるには多少の溜めがいる。


『よし、〈書庫〉良いぞ!』

【了解しました。電磁場を生成、目標呼称『悪魔ラプラス』までの距離を算出。完了しました。】


 脳内に浮かんだ数式らしいものが消えた後、足場に魔力が籠もった。

 浮かび上がったネスクが斬撃を回避しながら距離を詰めて行く。


「ククククこれで終わらせましょう!!!」


 巨大な魔力の塊が宙に浮かぶ。某戦闘アニメを彷彿とさせるそれはラプラスの魔力から生み出された物。


【警告。回避を推奨します。あれに触れた瞬間身体が切り刻まれ跡形も無く消滅します。確率計算中………約99%】


『だろうな。けど、今が勝機だ!』


 斬撃が止んだ事で一気に縮められる今だからこそ出来る事がある。


『保ってくれよ俺の身体、【反転】の割合を変動!!』


 回していた鍵を2割増しの約4割まで開いた。

 ぞわっと体の奥底から力が溢れる。


「あなたに私は倒せません!これは決定した未来です。この攻撃を受け跡形も無く消滅しなさい!!」


 ラプラスの腕が振り下ろされると、速度を増して魔力の塊が落ちてくる。

 巨大な塊が新幹線よりも速い落下速度で迫る。

 間違いなくこれをまともに受ければ玉砕する。

だけど――――、


『ここで受けなきゃ男が廃る!!!』

【理解不能理解不能】


 警告アラームの後に『書庫』のエラーが表示される。

 がっ、と爪で受けるも下へ下へと押し負ける。


『ググググググッッ!!!!』


 押し負けて行っている様子をラプラスがクツクツ笑っているのが分かる。


「ククククククククッ、これだから人間は、己の信念の為に自らが負ける選択肢を取るとは。もう少し賢い選択が出来ていれば良かった物を!!!」


『てめぇに理解されなくて結構だ。てめぇみたいな人の命を何とも思わない奴に、俺の気持ちを理解されたくもねぇ!!!』


【理解不能りかかかk…………アップデートを開始。しばらくお待ち下さい。】


 アップデート中の文字が表示されたかと思うと、【解析】のバーのように%が上って行く。

 そして、100%になると身体が光り出した。


【アップデート完了。身体の最適化を開始。形状生成中。仮称『フェンリル』から仮称『バイコーン』へ生成変化します。】


 爪が蹄に変化し、頭身が少し高くなる。纏う黒雷が身体の一部のように自在に動かせる気がする。


『うおおおおおおおおおおお!!!!!』


 喉の奥底からの雄叫びと共に2本の角を持つ黒馬(バイコーン)が魔力の塊を貫き、ラプラスの目の前まで迫っていた。


「な、貴様!!!!!」


 バイコーンに変化したネスクが狙うのは奴の『翼』。

 奴が唯一直せない器官であり、【解析】で判明した奴の弱点。まずは、12翼中(始めに削った2つを除いた)残り10翼ある内の2つだ。


『【黒雷魔馬シュヴァルツェルバイコーン】』


 2本の角に黒雷を溜め、溜まった黒雷を撃ち放った。翼は見事に撃ち抜かれラプラスの魔力が大幅にダウンした。


「き、さまっ。よくも私の翼をっ!!!殺してやる。絶対にっ!!!!」


『おいおい、さっきまでの笑いや喋り方はどうした?顔の皮が剥がれているぞ!』


「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスッ!!!!」


 2翼削った事でさっきみたいな魔力の塊を撃つのできない筈だ。再び見えない斬撃が飛んで来る。


『〈書庫〉任せた』

【了解しました。仮称『フェンリル』にモードチェンジします。】


 再び身体が光ると、元の狼に姿が変化した。

 狼の機動力を活かした回避でラプラスの斬撃を避けて行く。


『〈書庫〉』

【了解しました。魔法【水鏡背面(ドッペルミラー)】を発動します。】

『からの、武技『雷双』!!』


 怒りで我を失ったラプラスは背後に展開した【水鏡背面(ドッペルミラー)】に気付かない。

 そして、ネスクの武技『雷双』によって翼が1翼削られた。残り7翼。

 完全に翻弄されつつあるラプラスに変化が現れたのはそれからだった。


「ぐ、が……。あああああぁ!!!!」


 体が黒く変色し、体が膨張していく。

 巨大な何か変化して行くラプラスの姿は見る影がない程に悪魔らしからぬ物に変化した。

 まるで地底のそこに住まう『怪物』だ。

いやぁ、暑すぎて中々思いつかない日々が続いています。先月は、この時期だというのにエアコンが壊れて大変でした。もう一話更新できればなぁとは考えていますが、まだ未定のため気長に待っていただければありがたいです。なるべく急ぎます(汗)

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