表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
345/347

ラプラスVSネスク その3

お久しぶりです。更新させていただきます。

 爪で鍔迫り合いしていたネスクは()()を蹴った。ついさっきまで空中にいた筈が、森の中。ラプラスがさっき発動させた魔法か?


『ここは…‥‥‥』


「ようこそ、私の箱庭へ。クククッ人間にこの魔法使うのはあなたが初めてですよ。誇りに思うがいい。そして死になさい!!」


 シャリシャリと爪を鳴らし、間を詰めてくる。眷属は既にいないようだ。

 黒雷の威力を増し、爪へ集中させる。振り上げたラプラスの爪に合わせ、こちらも爪を振るう。再び鍔迫り合いになり、火花が散る。二度、三度と打ち合うたびに速度は上がり、力も増していく。

 切羽詰まる攻防が続く中、ラプラスが右手の爪を引っ込めた。そして、


----------------------------パチンッ


 指を鳴らし、乾いた音が鳴った。鳴らした瞬間、横から殴られるような衝撃で体が軋みふっ飛ばされた。


『ゴフッ。』


 ふっ飛ばされ地面に叩きけられた。吐血した所にラプラスが迫ってきた。


「くくく。さあ、これで終いです!!!」


 振り下ろす爪が首元に。勝ちを確定させた事に笑みを浮かべるラプラス。

 狙うならここか………。


『【影縛り(シャドーウィップ)】』


 寸でのところでラプラスの動きが止まった。ラプラスの手足をネスクの影が蔓のように絡まり縛り付ける。ラプラス笑みが歪んだ。

 闇魔法の派生に影魔法と言うものがある。以前戦ったクロが使っていた魔法がこの魔法だろう。

 自身や他の者(物)の影を自在に操るこの魔法は相手の意表を付くのに適している。


『これでも喰らえ!』


 ()()を流す。黒雷が影を伝い、ラプラスの体へ。


「ぐががががががあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 苦痛の声を上げるラプラスに呼応するように空間が揺れている。

 受肉しているとはいえ、魔素で構築されている悪魔の体にはその威力が抜群のはずだ。ソフィアを取り返すにはまず悪魔ラプラスの弱体化が必須。

 同時にこの弱体化が一番の難関である。ソフィアの体を使っていたグリモアは魔導書の祖にして、神が生み出した『原初の本』と呼ばれる神が作った代物だ。それを取り込んだラプラスは神に匹敵する。


『これでもまだ笑いを上げるか?』


 その時、不可思議な現象が起きた。

 古いテレビの砂嵐のようにジジジとノイズ音が響く。そして、縛り付けていた筈のラプラスが黒く変化し―――消えた。


『……………何だ一体?』


「クククッ、事象は改変します。さぁ、続きを始めましょうかクククッ!!」


 喉を鳴らすような独特な笑い方でラプラスが背後から現れた。

 何が起きた? この森と何か関係があるのか?

 過った疑問を頭の片隅に追いやり、背後のラプラスの対応へ移った。

 黒雷で上がった移動速度と反射神経で爪による突き攻撃を躱した。


「無駄ですよ!私からは逃げられません!!」

『だろうな、ならこうするだけだ。【水面鏡】!!』

「っ、空間魔法!ですが、無駄です!!」


 【水面鏡】のゲートに向かってラプラスが爪を飛ばした。

 ネスクがゲートから現れると予想したラプラスの先読みだ。だが、ネスクの狙いはそこではない。


『ふっふっふ。引っかかったな!【土壁(アースウォール)】』

「なにっ!?」


 【土壁アースウォール】がゲートを通って飛ばしたラプラスの爪は呆気なく撃墜。そのまま、土壁はラプラス目掛けて殴り込んでいく。

 焦ったラプラスがふたたび爪を伸ばして土壁を砕く。その時、少しの隙が出来た。


『行くぜ!【土の牢獄(アースウィッカーマン)】』


 ラプラスが砕いた岩が堅牢な石の牢獄になり、そこから体の中心に収まるように人型に形成される。ゴーレムのように硬質な外見はなく、スラッとした見た目はデカい蝋人形のようだ。

 頑丈な【土の牢獄(アースウィッカーマン)】に力尽くで抜けようとするが、出ることはできない。何せ、【土の牢獄(アースウィッカーマン)】は攻撃を捨て、相手を縛る事に長けた魔法だ。


「くっ、出られませんか。ならば!」


 力尽くを諦めたラプラスが爪を振った衝撃と斬撃が檻を通り抜け、格子がスッパリと斜めにズレ切られた。


「クククク つくづく尺に触る人間ですあなたは!」

『なるほど。あれはそういう技だったのか』


 所見では見破れない程の早業であった。俺の使う飛ぶ斬撃と似た技だ。

 だが威力と速さは完全に上位互換である。あれを一度は生身で喰らった事に寒気が走る。よく生きていた物だ。


「ですが、クククッ 悪くない手でしたが私には通じません」


『だろうな。けど、不可視の斬撃が見れただけでも儲け物だ。さぁ、次はどんな手で行こうか。』


 劣勢の劣勢で嫌な汗が出る。搦め手で縛っても良く分からない現象でラプラスがするりと、何事も無かったように抜けて行く。まるで、ところてんの製造器になった気分。


―――――― ピコン


 俺だけに聞こえる通知音がなった。目端のゲージバーが100%になり、『完了』のボードが現れた。

……………解析が完了した。


「いいえ、貴方はこれで最後です。次などありません。

…………一撃です。

 再生が追いつかない一撃で仕留めて差し上げましょう。」


『………ああ。俺も同じ事考えてたぜ。ラプラス。次でお前を攻略して、ソフィを変えてし貰うぜ。』


 バチッと黒雷が弾けた。ネスクが【黒雷(ブラック・ボルト)】のギアを一つ上げた証である。

 対するラプラスは悪魔の特徴であると紫の色を持つ魔力を開放した。周りの木々がざわめき、人の悲鳴のように木の葉を揺らす。

 あまりの魔力に周りに影響が及んでいる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ