表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
344/347

ラプラスVSネスク その2

5月分が終わりましたので更新させていただきます。

前半はラプラスVSネスク。後半はミレドと結末です。

ミレドは現実の方でまだ大きな役割があるので、この章ではこれで出番終了ではありません。

「クククッアハハハッ!!! 実に愉快愉快!ゴーレムの連鎖核爆発で吹っ飛びましたねぇ!」


 魔石に多量の魔力が入ると、魔石が耐えられず爆発を引き起こすことを核爆発という。

 その爆発が連鎖的に起こる事を連鎖爆発と言いその威力は一国を完全に地上から消し去る程の威力を伴う。故に、多量の魔力を魔石に留める事は禁止されている。正に悪魔の一手である。

 ラプラスの残っていた眷属は爆発に呑まれ、全て消滅した。

 ラプラスはただ一人爆発から難を逃れ、顔を片手で覆って笑っていた。巨大な爆発が空間を覆い尽くした後、収束して行く。

 その様子はまるで太陽が西の空へと沈んで行くようだ。


「おや?おやおやぁ?」


 爆発地点の中心地点、ネスクを覆う結界がその攻撃を凌いでいた。

 ポピードール達の爆発から逃れるのが不可能と見たネスクはその場で今現時点でできる最小で最硬度の結界を展開した。多少の被爆は覚悟を決めていたが、何とか持ったようだ。だが、


――――結界を解こうとした直後に結界がヒビ割れ崩れた。


「………もう一度の爆発は無理そうですね。クククッ」


『うるせぇよ。笑うだけしか脳の無い野郎が鼻を高くしてんじゃねえよ!』


「クククッまだ言葉に出せるだけの余裕があるようですね。では、()()()()!」


 パチンッと乾いた音を指で鳴らすと、空間が開き先ほど以上のポピードールが姿を現した。

 口端を吊り上げて勝ち誇ったような笑みを浮かべたラプラスが『行け』と命令を出すと、ポピードールが一斉に動き出した。


 それを見たネスクは魔力を溜める。

 先の爆発で一つ分かった事がある。


『武技『雷双(ライソウ)』』


「クククッ血迷いましたか?無駄ですム・ダ!!!」


 『雷双』を見て煽るラプラスを他所にネスクは集中していた。

 放った『雷双』がその先にいるポピードールに当たる擦れ擦れに、ネスクは別の魔法を繰り出す。


『【水鏡背面(ドッペルミラー)】!!』


 範囲を『書庫』で探知した全てのポピードールに指定して発動させた。全てのポピードールの背後に小さな水球が浮かぶ。

 1体のポピードールが『雷双』で粉々に吹き飛んだ瞬間、それは起こった。


 『雷双』に当たったポピードールと同じように全てのポピードールが黒焦げとなり、塵に変わった。

 【水鏡背面(ドッペルミラー)】とはいわば反射魔法である。自分もしくは指定した相手の状態を他に投影する魔法である。

 自分の怪我を投影させてもいいが、勝手に始まる炎による治癒のせいで投影する事が困難だ。

 他人から他人への投影は集中しないと難しいがしょうがない。


 ぐっ と足に力を込めた。黒雷を用いて一気に距離を縮める。


 だが、始めの奇襲と違い一度見せているため流石に反応される。


「ククク!眷属共を片付けた程度で何を調子付いているのですか?」


 待ち構えていたラプラスが爪を鋭く伸ばし、突きを繰り出す。


『武技『雷双』!‼』


―ーーーーその攻撃を雷双で受けた。バチバチと飛び散る火花が散る。


 互角の攻撃と攻撃ではあるが、奴はまだ魔法を一切使っていない。


「この程度の攻撃など児戯以下。そろそろ片付けてしまいましょう!!!!」


 ラプラスの魔力が一気に膨れた。魔法発動前の兆候だ。保っていた均衡の崩壊に違いない。


「―――魔法発動 因果律の均衡を歪め 空間よ開け放て」


 空間が暗い夜の空のようにラプラスの周囲から徐々に変化していく。

 それは膨大なラプラスの魔力から生まれた魔法だ。詠唱付きであるが故に強力なのは確定。


「ククク さぁ私の魔法を目に刻んで死に行きなさい

ーーー【歪曲する始原の悪魔ディストリングプリモディアルラプラス】」


魔法名を唱えた瞬間、ネスクとラプラスを覆うように暗い空間が一気に溢れて覆い隠した。


 * * * * * * * * * * * * * * * * * * 


「最後に………何か言い残すことはあるかのう」


 ボロボロなミレドの前には地面に仰向けで転がったもう一人の自分がいる。その姿は両腕が無く、体の一部が黒い泥に侵食されたまま両腕の端から消滅を始めている。

 それは行き過ぎた力を取り込み過ぎた代償だ。

 未来の自分の一人である目の前の自分は『ソフリア・クレ』を取り込み自らが失ったものを取り返しに………いや、取り戻しに来た。

 自分であるが故に気持ちは分からなくもない。だが、共感は出来ても共有は出来ない。


『ワタシハドコデマチガッタ』


「もっと仲間を信頼すべきじゃった。ポ―アを、クーシェを信じ協力すればヌシも違ったじゃろうな。じゃが………ヌシは逃げた全てから、自分からも。ヌシは立ち向かうべきじゃった。」


 自分の弱さが未来の自分をここまで落とさせた。それは、今の自分にも言えることだ。少しの違いでこうなっていたのは自分かもしれなかったかもしれない。

 【鋭爪(クク)】に切り換えていたのを【大鎚(ブリリオ・ミーテ)】に戻した。

 魔力を込めると<闇夜に輝く光(ニュクス・ダフネス)>の影響で黄金に輝く。

 振り上げたブリリオ・ミーテを前に観念しているもう一人の自分の意思とは関係ないようにして黒い泥が暴れようとしている。


「ではのう。ヌシの事は忘れぬ。ヌシのおかげで大切な事を思い出せた。」


 ミレドがブリリオ・ミーテを振り下ろした。抵抗とばかりに暴れ出す黒い泥がトゲのように伸ばして来るが重量があり、弱点である<闇夜に輝く光(ニュクス・ダフネス)>の前手も足も出せずに押し潰された。

 ミレドは最後の感触をずっと感じ取っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ