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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
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真価と具現化

いつも読んでくださっている方ありがとうございます。初見の方もありがとうございます。ゆっくりしていってくださいo(^o^)o三月分です。最初はラプラス、ネスク、少し時間が戻ってミレド視点です。

 空気に電流が走った。魔力で生み出された雷だ。

 魔法発動を感じ取ったラプラスは瞬時にきた方向に無数の眷族を置いた。

 大方あの狼の姿をした人間が追い掛けてきたのだろう。

 地上の者共を滅ぼすまでの時間の猶予を与えたというのに愚かしい。


「ククク愚かなことです。良いでしょう。先にそちらの魂を頂きましょう。せいぜい愉快に踊りなさい」


 けしかけた眷族で視界が埋め尽くされ、やって来た人間の姿は一切見えない。

 無数に生まれる眷族に数の制限は無いに等しい。あの叡知の書を保有していた少女を取り込んだ影響である。

 あの人間の勝利は無いに等しい。


「ククク哀れな物です。ククククッ!!!!」


 顔を片手で覆って嗤うラプラスの真下で一瞬だけ黒く光った。

 黒い光が走った後、ズタズタと、肉が裂ける音の後、無数いた眷族が一瞬で灰となって元の魔素へと戻って行った。ガラリと眷族が居なくなった空間に一匹の獣がいた。

 神に近くなった筈のラプラスの背筋がゾクッと震えた。かつて感じた事の無い感覚。自分はあの獣に恐れを感じているのか。

 笑みを浮かべていたラプラスの顔にはその笑みが既に無くなっていた。

 黒い稲妻を纏った白い狼の姿が瞬きをした一瞬の内に見失った。


『返してもらうぞ……彼女を……!!!』


背後でした声の後、後ろからの衝撃でラプラスは抵抗する間も無く地へと落とされていた。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 足に魔力を込める。そして、上空へと飛び上がった。その先にあるのは、六対の翼に進化した悪魔とその眷属の背中だ。


『必ず……取り返す。』


 もう一人の自分からもたらされた情報は既に頭の中に入っている。

 足に溜めた魔力で魔法を発動させる。雷を纏わせるのではなく、足場を形成。そして足場を踏み込み更に高く飛び跳ねる。それを連続して宙を駆ける。


『この状態だと流石に『(ソフリア・クレ)』は取り出せないか………なら』


 具現化した鍵を回すのではなく、イメージで鍵を回せばいい。

 

「WOOOOOOOOW (反転せよ)」


 半時計回りに回した鍵がガチャン―――という音と同時にイメージが霧散し、黒い光が体を覆っていく。

 前回はこれを全開で使い、酷いケガを負った。代償とは自身の魔力以上を使った際に魔力が足りなければその分を体の機能で補おうとする現象だ。普通の魔法は魔力が足りなければ途中で発動しなくなる物が大半なのだが、「鍵」や禁忌の魔法は別である。

 神器「鍵」は他の神器の元となるプロトタイプだ。その力は強力故に代償が発生する。

 だから、魔法の一部に絞ればいい。

 本来は白い稲妻が黒稲妻となる。それを確認した後、開け放たれた鍵を再び時計回りに回す。

 完全には閉めず、ほんの少しだけ開いた状態を維持。


ーーーーー聖雷(パージ・ライトニング)、改め 名付けるしたら 【黒雷(ブラック・ボルト)】だ。


 どうやら雷を発動させた事でラプラスに勘付かれたようだ。

 ラプラスより先に進ませていた眷属達がこちらへ押し掛けてきた。

 ゾンビのような出で立ちの眷属。倒しても次々に現れるためまるでゾンビゲームをするようなものだ。まるで意味がないだろう。だがここを突破しないとラプラスの元まで辿り着けない。

 襲い掛かる眷属の体のどこかに小さな雷の針を打ち込んだ。


そして


『【黒雷迅(シュバルツバイバー)】』


 放った黒雷が小さな針を通じて流れて眷族を穿つ。その動きはまるで蛇のように次々と呑み込んでいった。そして黒炭になった後魔素へと帰っていった。一瞬の端から見れば光ったようにしか見えない。

 視界の開けた先には目的のラプラスがいる。

 体に力が入った。電力場を利用して大きく跳躍。ちょうどラプラスの真上に飛んだ。電力場を生み出し今度は上から下へ。纏った黒雷を前足に集め強化。


『返してもらうぞ……彼女を……!!!』


 ラプラスの背中に黒雷を纏った前足を思いっきり叩きつけた。


* * * *  * * *


 三分の二を削られ弱り切ったもう一人の落ちた自分は既に形を維持できていない状態だ。だけど今の自分よりも強いだろう。だけどここで負けている暇など無い。


ーーーーー闇夜に輝く光<ニュクス・ダフネス>


 レイヴからもらったこれを具現化させ固定化させる。白を基準にした戦闘服に金の美しい模様が入る。

 まるで、神器の使い手が使う顕現のようだ。顕現とは自身に神器を降ろすため最適の姿に変化する神器使いの技法の一つ。最適化したその姿は力が何倍にも増し魔力の使い方が効率的になる。更に種族によっては先祖帰りを起こすことも可能な代物。


 黒く濁った魔力をもう一人の自分が放ってきた。これに触れると、生命力を吸われ魔力を根こそぎ奪われる。手のひらに光の球体を生み出しぎゅっと握った。形が変わりいつも使う戦鎚(ブリリオ・ミーテ)に変わった。


「フンッ!!!」


 戦槌を思いっきり振れば、濁った魔力が弾き飛んだ。それまでは弾くことが出来なかったというのに、意図も容易く出来た。これならば抵抗できる。

四月分も執筆中なのでお楽しみに!

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