契約の代償
お久しぶりです。9月は更新出来ませんでしたので、10月に更新させていただきます。
――――ケラケラケラケラ
三日月のように裂けた口で笑う悪魔がじろりと周りを見渡した。
『これは召喚主よ。召喚に応じ馳せ参じました。では、この世界を破壊して見せてましょう。クククッ』
物腰丁寧に一礼した悪魔が指をパチンと鳴らした。空に無数の魔法陣が浮かぶとそこからコウモリの羽が生えた動物の骨が現れる。悪魔は無数の眷属を従えるといわれているが、恐らくそれだろう。
『させるか!』
空気を伝い電流を放つ。眷属に当たるもあまり効果を感じない。
『効いてないか、ならこれで』
風魔法【風の刃】に電流を織り混ぜ、空中へ放つ。
刃が眷属を二つに分断して消滅させる。
『クックックッ。風の刃に電気を流す事で不可視の刃に変え眷属共を切ったといった所ですか。中々頭の切れる犬ですね。握り潰し甲斐がある事でクックックッ』
「あの人には手出し無用です。ラプラス」
『おやおや、お優しい事で。たとえ想いが伝わらずとも、あれには傷一つも与えないとは召喚主は一途ですね、クククッ』
「……人の心をずけずけと読むとは。躾のなっていない悪魔です。」
『これは失礼を。では、まずは代償を頂きましょう。願いには代償が必要とは世界の真理。さあ、貴方様は私に何を差し出すのでしょう?』
くつくつ笑う悪魔にグリモアが感情の消えた顔で片手に持つ本をペラペラめくった。
そして一つのページで動きが止まった。本の中からぽんと、光の玉が飛び出した。
その光の玉からは知った魔力を感じる。
『ソフィア!!!』
間違いない、この魔力は紛れもないソフィアだ。
そう感じ取るとネスクは駆け出した。
行く手を阻むように召喚された眷属が立ちはだかる。
『おおお、これは何とも澄んだ魔力です。クククッ、実に代償としては勿体ない事です。』
「これを残している限り、主様は私を求めてくださらない。なら、これはいらないのです。」
『ソフィア!!くそ、邪魔だ!!!』
阻む眷属に邪魔されて二人の元へたどり着けない。くそ、このままじゃ……
『クククッ良いでしょう。では代償として認めましょうとも。悪魔は誠実なのですクククッ。では――――』
具現化した悪魔の身体が膨れ上がったかと思うと黒い何かがグリモアの身体へと飛び出した。
『その魔力体と、貴方様で契約を結びましょう。』
驚いたようなグリモアがこっちに視線を向けた。瞬間、グリモアはソフィア諸共悪魔の中へ取り込まれた。
『……………あ……ぁ』
喉の奥から声にならない音が出た。
視界がくらっとする感覚で力が抜ける。
『クククッ、では―――始めましょう』




