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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
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破壊の天使-エクス・マキナ-

お久しぶりです。更新させて頂きます。


 撃ち込まれる光魔攻撃のレーザーを走りながら避け土魔法で作った弾丸をハンマーで撃ち込んで攻撃。しかし、あまり意味を成していない。


「きゃははは!!そんな攻撃、効くわけないじゃないですか〜!!きゃははは!」


 声高らかに嘲笑うグリモアを横目にメイは冷静に召喚された『 破壊の天使(エクス・マキナ) 』と呼ばれる機械仕掛けの天使を観察する。

 エクスマキナは両翼に発射砲を兼ね備え、そこからレーザー攻撃を撃ち放つ。その攻撃は、無詠唱(ゼロアクション)でメイが苦戦する理由にも繋がっている。

 『自己修復』も機能しているちょっとやそっとの攻撃ではすぐに修復されほとんどの攻撃が通らない。

 両手に装備された剣らしきものにも巨大な銃口があり、そこから放たれる範囲攻撃はメイを以ってしても防げず今は避けるので精一杯だ。

 赤い一つ目がじっとメイに注がれる。

 一瞬、翼がキラッと光ったかと思えば、レーザー攻撃が降り注ぐ。



「っ、詠唱省略【岩人形生成(クリエイト・ゴーレム)】!!」


 地面に触れると岩が巨大なゴーレムへと変わった。

 そこへ光の雨が降り注ぐ。

 撃ち抜かれた箇所は熱で撃ち抜かれたように焼け焦げていく。

 あまり時間は稼げないがそれでも盾代わりになった。今の内にメイはハンマーを構え走り出す。


「普通に考えれば、召喚主であるグリモアを倒すことが最善なのでしょうけど、………恐らく、あれはもう、グリモアの手綱は無いと考えられますよね。」


 今までの魔法を見るからにあの本が媒介となっている。

 だが、グリモアの手の『黒い本』は既に閉じられている。


「あまり時間を掛けていられませんから、……私らしく、 攻撃へ行きましょう。」



 ハンマーを地面に打ち込んだ。

 仕込まれた魔法が発動し、無数の巨大な土の杭が出てくる。

 これは遮蔽物としての役割と足場としての役割の両方が使える。


「【身体強化(レンジ)】!!!」


 唯一の得意魔法を発動して、


 一気に飛び跳ねた。


 エクスマキナの翼が再び、光った。

 あのレーザー攻撃が来る。


「それも予想済み、です!」


 ハンマーを構え、レーザーが飛んで来るのに合わせて振った。

 普通の目では見えないレーザー攻撃も、竜眼を持つメイにはゆっくりとした流れでギリギリ視認出来た。あとはメイの直感でハンマーを振るう。

 ジリリと熱い熱線でハンマーに熱が伝わって来る。勢いを殺し、流れるようにレーザーの軌道をハンマーでずらす。

 メイがハンマーを中心にグルっと一周し、空中で上へと押し上げた。


 押し上げられたメイはエクスマキナの丁度真上、


「落ちて下さい!!」


 レーザーの余熱が残るハンマーをエクスマキナへ叩き込んだ。

 エクスマキナは地面へと落ちて行く。


「なっ!」


 グリモアの初めて零した驚きの声には予想していなったという事が如実に表れていた。


「くっ、流石にこれだけでは…倒せませんか。」


 地面には落下したが、すぐに自己修復が発動する。非常に厄介だ。

 立ち上がったエクスマキナが両手の銃口をメイへと照準を構えた。


「まず――――」


 キュイーンと甲高い音の後、エクスマキナが構えた銃口から、エネルギーの塊がメイ目掛けて放たれた。


 巨大な爆発と衝撃波がメイを襲う。


 地面に落下していくメイ。


――――― 直撃だ。


 地面に落ちた衝撃が体を襲う。


「くっ…………ま、ずいです。」


 なんとか生き残ったが、直撃で『竜化』が解除された。次の攻撃は防げない。

 


「少ーし驚きましたが、ここまでのようですね〜。お疲れさまで〜す、聖龍のお人形さん。すぐに楽にしてあげますよ〜。――――『エクス・マキナやりなさい。』」


 命令を受理したようにエクス・マキナが銃口を再びメイに向けて構えた。

 キュイーンとあの甲高い音、熱源が銃口に溜まっていく。


(やっぱり、私では止められませんでした。ごめんなさいミレド様、グウィンダル様、みんな……。)


 そして、エクス・マキナのエネルギー攻撃がメイへ放たれた。広角を上げて笑みを浮かべるグリモア。

 メイが吹き飛ぶ直後、エクス・マキナとメイの間に立ちはだかる影が差し込んだ。


『―――――邪魔だ 屑鉄(スクラップ) 』


 脳内に響く声の後、結界のような薄い半透明の板がレーザーの前を塞いだかと思えば、レーザーの軌道を上空へと打ち上げた。


  上空で爆発を引き起こしたエクス・マキナの攻撃はその余波で地面を揺らした。


「あな、たは………」


 メイが瀕死の状態で首を持ち上げた先には見惚れてしまう程の美しい狼――――真っ白な大型の狼がいた。


「あなた様は――――!ああ、やっとお会い出来ました!我が()()!!」


 驚愕した後、歓びに声を震わすグリモア。彼女が『主』と呼ぶこの狼。一体何が起きているのか。


 別の方角でドーンという音の後、森を突き抜け、巨大な龍の姿が現れる。聖龍ミレドグラルだ。

 グリモアの何かしらの影響で今は荒ぶって暴れ回るミレドグラルが突如現れた。


 『グオオオオオ!!』と叫ぶ。


 そのすぐ近くにはミレドグラルと戦っていた炎竜のエリュトロンが倒れている。

 何とか風竜の権能の力で抑え込んでいたが、時間切れと共に体力、体の限界で倒されてしまった。


「グウィ――――ゲホッゴホッ」


 メイも限界が近く、急に声を出した事で咳き込んでしまった。

 ふらふらしながら何とか立ちあがる。

 そこへエクス・マキナが再び銃口からエネルギー攻撃を撃ち放った。


 しかし、狼の結界のような何かで再び防がれる。


『そこのお前、 後は任せろ そこの倒れてる奴を連れ、ここから少し離れていろ。』


 ジロリと視線だけをこっち(むけた狼にコクリと一回頷いた後、エリュトロンの方へ駆け寄った。


「ああ私の主様に何と言う事を………!この役立たずの人形!我が主様にその刃を向けた事、その身を持って償いなさい!!」


 半狂乱になっているグリモア。エクス・マキナは自分が呼び出した味方の筈なのだが……。

 状態がよく分からない事態へ移行しつつある。

 龍と、禁書と、機械………そして狼。


 カオスな状況だが、(ネスク)の胸の内には確固たる想いが宿っていた。


―――― 絶対に助ける、 と。

ちょっと当て馬感になってしまいましたが、メイもグウィンダルも、圧倒的強者相手に善戦した方です。何せネスクが目覚めて到着するまでずっと持ち堪えていたのですから。

 今後も竜"達"を登場させる予定なので、活躍をご期待下さい_(_^_)_

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