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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
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そして外へ

お久しぶりです。やっと書くだけの気力が出来たので更新させて頂きます。

 掌にくるくると風魔法【風の刃(エアカッター)】を作り、立ちはだかる魔族へ撃ち放った。


「クハハハッ!こんなそよ風如き効かぬわ!!我ら魔族を舐めんじゃねぇぞ小僧!」


 魔族が大きな拳を一振り凪ぐと風の刃は壁へと弾かれ消えた。

 まるで魔族の体は鋼で出来ているようだ。


「初めからこれだけで勝てるとは思ってねえ!」


 最初の風魔法は囮。本命はこっちだ。

 気をそらした隙に回り込み、一気に踏み込む。代償が発動してか、人の身の時より、踏み込みの飛距離は今の状態だと以前よりダントツである。

 この一年。何回も繰り返した魔物との戦闘は伊達じゃない。


「はっ!」


 今出来る力を乗せて剣を振るった。


「甘いぜ。人間!!!」


 強烈な魔力の嵐が壁の如く、振るった剣を阻み弾いた。


「っ!」


「くはははっ!死ねぇ!!!」


 魔族の手にはいつの間にか剣が握られている。魔力の障壁、そして剣の強さも今までの相手と比べると比べ物にならない程早い。

 魔力を削られるが今ここでヤられるよりマシ、か。


「【聖雷(パージ・ライトニング)】」


 白雷を纏わせ、弾かれた剣で魔族の振り下ろされる剣を流し、脇腹へ蹴りを入れた。


「ちっ、人間のゴミくずのくせに………!!」


 魔族は苦虫を噛み潰したように嫌そうにギリっと睨み付ける。

 やはり魔力の壁のような物に阻まれまるで鎧を蹴ったような感触だった。

 防御され、まともに入っていない。


「人間にしては妙な技を使いやがる。森人が使うヤツに似ているが()()な。気色悪りぃ。キサマのそれを見ていると、無償にイライして仕方がねぇ!!」


 魔族が詰めて踏み込んで来た。

 右、左、突きからの縦薙。躱していなしているが力からの強く徐々にこっちの体制が崩れてくる。


「オラオラ!このまま斬り殺してくれる。」


「俺は……こんな所で、手間取ってられないんだ!」


 再び【聖雷(パージ・ライトニング)】を発動。(なぎ)を切り返して魔力の壁へと魔力を流した。

 扉で使った奴を魔族へ向けて爆発させる。剣は駄目になるが元々【構造具現化(クラフト)】で作り出した物。

 今はそれより、ここを抜ける事を第一にする。


―――――――――  ボ   ン !!!!!


 剣先に膨れ上がった魔力が弾け飛び、更に【聖雷(パージ・ライトニング)】で威力を上げて黒煙と共に吹き飛ばした。


 部屋の壁に背中から打ち付けながら、一気に魔法陣へと飛び込んだ。

 魔法陣の文字が淡く光り出し、模様部分から光が溢れた。


「ぐああああっ!キサマ!!殺してやる!!必ず殺してやる!!!!」


 煙で状況が分からないが野獣の遠吠えのように威圧の篭もったその声が聞こえた所で魔法陣が発動して視界が切り替わった。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「はぁ ハァ はぁ………」


 魔法陣から降りると地上らしい場所へ繋がる階段を上る。

 視界が赤く染まり、自分今どういう状態なのか分からない。

――――人なのか、再び 獣へと変わったのか


 唯一分かる事は()()自分の足で歩いていると言う事だ。


「ハヤく………行かなきゃ。ミレド……ソ フィア………」


―――――― あと少し  もう少し………


 外の光が漏れている重い身体を持ち上げて階段を上り切り、外へと歩き出した。

 遠くで誰かが大魔法を放ったのか地面が揺れその余波が起こっている。。


『Wooooooooh!!!!!!(今、行く)』


 ざわつく森に狼の遠吠えが駆け巡った。

 あまりの圧倒的強者に『奈落』の魔物達は恐慌を起こし、ある魔物は逃げ出し、ある魔物は自らを強くすべく別の魔物を食らった。

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