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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
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回廊を抜けた先で

お久しぶりです!更新させて頂きます。

 ガコンッという音で大きな石造りの扉が開いた。

 どうやらゲームのようにここにいたブラッディスライムを倒す事で開かれる仕掛けだったようだ。


「行くしか道はないか……」


 転移系の魔法も使えない上、【地図(マッピング)】もノイズが入ったように表示が無い。

 ズキズキと痛む四肢を抱えて長い回廊を進む。あちこちに読めない文字のような羅列が並ぶ。

 静まり返った回廊はまるで嵐の前の静けさのように不気味さを漂わせている。

 長い回廊が続く中、ふと考えてしまう。

 ここに呼び寄せたのは試練を受けさせるためにジルがここに呼んだのか?

 けどここでわざわざ受けさせる必要があったのかという疑問が湧く。

 書庫は本来精神を書庫内に招く仕組みだ。外の体がどこにあろうと関係無いはずだ。

 そうなると、自分は『何か』に呼ばれた?

 まあ、今は良い早く此処から出る事が最優先だ。


 長い回廊が終わった先にはさっきの部屋のように大きな石造りの扉がある。

 ぐっ、と力を込めて押すもビクともしない。

 仕掛けがあるようにも思えない。

 扉が錆び付いているのだろうか。


「仕方ない。―――――――はっ!!」


 拳を握り締め扉を思いっ切り殴り付けた。殴る瞬間、魔力の膜でコーティングして魔法が発動するように組む。

 爆発と共に穿たれた拳が大きな扉を吹き飛ばした。


「ケホッケホッ。やっぱミレドみたいにはいかないかゲホッゲホッ」


 本来は、扉だけを破壊するように組んでいたのだが、思いの外魔力が多かったのか魔力が爆発して触れた瞬間に爆発した。

 これ、下手したら腕ごと爆発してかもしれない。


 今は代償のお陰か、黒い鱗が現れている。それが逆に幸いした。

 まあ、どうあれ扉が壊れた事で中に入る事が出来た。

 中の造りはさっきの部屋とさして変わらない。

 唯一違うのは、扉がある部分が扉じゃなく魔法陣のような仕様になっている。

 見るからにあそこがゴール、それか(トラップ)だろう。


「迷ってもいられない。こうなったら……っ!」


 殺気で身体が自然と反応した。

 シュッと空気が切れる音と共に背後の壁に大きな切り跡が現れる。


「――――っ 【十字旋風(クロスウィンド)】」


 クロスする十字の風の刃が現れる風の攻撃へぶつかり撃ち返した。


「クックッこれは驚いた。まさかたかが人間が俺の魔法を押し返すなんてな!」


「誰だ!俺は急いでいるだ!邪魔すんじゃねぇ!!」


 もう一度【十字旋風(クロスウィンド)】を発動させる。


「今更お前如き人間が急いだって器は取り返せないぜ!」


―――― 器?こいつ何言ってるんだ?


 【十字旋風(クロスウィンド)】が次々に放たれる風の刃を受け掻き消された。

 襲い掛かる刃を右左へ避ける。


「ざ〜んね~ん!そこは俺の攻撃範囲(テリトリー)だぜ!」


 風を避けた先の濃い殺気で両手を盾にした。

 剣が弾けたような音で刃がすぐそこにあった。


「あっ?テメェ妙な物を抱えてんな。道理でスライム共で処理出来ねぇわけだ。」


「まさか、……あの部屋に閉じ込めたのはお前か!!」


 手を振りかぶった際に巻いていた包帯が完全に解けて鱗の両手が完全に晒された。

 鱗は既に肘辺りまで侵食している。

 このまま魔法を使い続ければ、前のゴブリン退治のようになるまでそう長くはない。


「中身を失くしたテメェには用はねぇ。だから魔物の餌にして少しは魔王様の役に立たせてやろうしたんだが、飛んだ誤算だ。」


 距離の開いた際に対峙した者の正体が判明した。

 頭に生える二本の捻れた角に蝙蝠の様な翼。それは魔族の象徴である。


「お前に構っている時間なんてない。そこを退け!!魔族!!!」


 空中に魔法陣を思い描き、実態のある鉄の剣を生み出した。

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