わらわは負けぬ
久しぶりに更新します。
記憶が流れてくる中、2つの吐息のエネルギーが限界に達し爆発を起こした。
現実世界ですれば、国の1つか、2つが消し飛ぶぐらいの爆発だ。
何とか立て直して黒煙の中でもう一人の自分の姿を探す。
「!」
背後の殺気で咄嗟に鋭爪を展開した。爪と爪の間に黒く染まった鋭爪の突き刺し攻撃が首元まで来て止まった。
「ぐぐぐぐ!さ、すが、妾じゃ。ここまで追い込まれたのは久方ぶりじゃ。」
力は互角。だが、魔力はもう一人の自分の方が遥かに上。今のこの状況も、相手にすれば児戯に等しい。
「不思議じゃ。おぬしほどの力があれば、妾など敵になどならぬ筈じゃ。なぜ、最初から全力で来ぬ?おぬしが言う力も、全力を出せば、直ぐに取り戻せた筈じゃ。」
ずっと不思議に思っていた。
さっきの吐息にしてもそうだ。自分よりも遥かに魔力が高いのに、その力は約ニ割といったところか。
ほとんど全力を出せていない。
「………ドウデモイイ。」
「やっと、会話が通じたと思えば『どうでも良い』じゃと?おぬし、妾を舐め過ぎじゃなかろうか?」
首元まで届いた黒い鋭爪をわずかに押し返した後、自分の鋭爪をわざと解除した。力の均衡が崩れたため、そのまま黒い鋭爪は喉を突き刺そうと飛んでくる。
黒い鋭爪はそのまま振り切った。だが、そこにミレドの姿は無い。
突き刺したと思えば、黒い煙幕となってかき消えた。
『おぬし、ネスクの得意技を忘れとらせぬか?あやつが出来るのじゃ。このくらい、朝飯前じゃ!』
黒いミレドの背後に現れたミレドが、変形させた鋭爪を撃ち放った。
「―――――発射!!!」
撃ち放った魔力砲を黒いミレドは鋭爪を盾にガードをするがあまりの高火力に押し負けた。
地面から上がる黒煙で姿は見えないが、確実にダメージは受けているはず。
鋭爪の中央の刀身が銃口に変わった新たな鋭爪はまるでのようである。その銃口から放たれる魔力弾は容易く龍鱗の強固な防御を打ち砕く。
「おぬしのように後悔ばかりに拘っておる輩にわらわは負けぬ!
ネスクも、妾自身の力も。おぬしには渡さぬ!!」
あの時あの森で、ポーアの喝を受け、自分の決断で決めた選択に後悔はしない。
煙が吹き上げた中、黒いミレドが姿を現す。その体には所々に大きな亀裂が入っている。
不思議なことに傷口からは何も見えない。血も流れていなければ、肉が見えているわけでもない。
ただ傷口から見えるのは『無』。まるで宇宙空間だ。
「オマエ、敵。…………コロス…………コワス……チリモノコサナイ」
黒いミレドの纏う黒い霧が全体を覆い隠すほど膨れ上がった。
次に姿が現れた時、彼女は完全なる龍の姿へと変わっていた。
―――――――――― GRUHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!
咆哮と共に撒き散らす生命を奪う霧が増した。草原の命を奪い、吸い上げられた草は枯れ、跡形も残らない位のレベルで消え去っていく。
「そっちがその気ならば、妾も!!!」
胸に手を当て龍の心臓に掛けられた制約を一つずつ解いていく。
勇気の証は背中に、勇猛なる剣は爪に、強靭な力は足に、そして正義の導を以て全ての制約を破棄。
強まった聖なる光が溢れ、人の姿から真なる龍の姿へと変化を果たす。
『さあ、決着の時―――!!!誤った選択を取り戻そうとするおぬしが勝つか、選択した道を貫き通し、全てを為そうとする妾が勝つか…………。
妾の全てを掛けて、―――――――勝負。』
開幕早々にお互い吐息を撃ち放った。
白と黒、全てを掛けた二人の戦いは強烈な一撃と共に始まった。
ここ二週間弱、色々忙しくて中々手に付けませんでした。申し訳ありません。
しばらく不定期になっちゃいますが、最後まで書こうと思いますので、何とぞ長い目でお願いしますm(__)m




