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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
323/347

私とワタシ

更新します。いつもより短めになっちゃいました。すみません。

 次回、もう一人の黒いミレドの過去?記憶?…………です!

お楽しみに!!


※6/20追記。 21日に、次回である『堕ちた龍前半』を更新させて頂きます。20日時点で下書きは出来ていますが、もう少し手を加え構想したいため、遅らせて頂きます。申し訳ありません(;^ω^)

 衝撃波で後方へと飛ばされたミレドはそのまま自身にかけた『制約』の一つを解除する。出し惜しみできるほど余裕のある敵ではない。

 『制約』を解除したことで背中から龍の翼が現れた。

――――― 翼を羽ばたかせて上空へ。


「【聖弾・拡散(セインクーゲル・レイ)】!!!」

 光の弾を拳で弾く。弾いた弾は拡散しながら黒いミレドに槍が降り注ぐように襲いかかる。


「――――鋭爪(クク)……【怒狂(ベルセルク)】………」


 ドロリと淀んだ黒い魔力がもう一人の持つ鋭爪(クク)に纏わり付き形を変化させた。一斉に襲い掛かる光の弾が一瞬で黒い光に呑み込まれた。


「な…………なんじゃ、と…………」


 【鋭爪(クク)】は元々、完全なる龍形態の『龍の爪』を模した"模倣魔法"。この魔法は自分だけが使うことが出来る魔法(ネスクでも龍の爪を模したこの魔法は使えない)。

 その魔法を使えるのみならず、【鋭爪・怒狂(クク・ベルセルク)】というミレドも知らない形態を扱った。

 それは詰まる所……………………あり得ない。

 驚愕のあまりに、反応が遅れた。

――――――横からの打撃。


 強い衝撃を受け、翼を上手く使い体を立て直す。そこへ、追撃が襲いかかる。


「返して…………私の、力――――!」


「くッ!――――【鋭爪(クク)戦鎚(ブリリオミーテ)】」


 禍々しく変化した【鋭爪(クク)】の猛攻を戦鎚(ブリリオミーテ)で応戦する。全ての攻撃を捌きながら応戦を繰り返す。

 傷を受けた箇所に聖の魔力が働きかけて、徐々に傷を癒していく。

 大きく戦鎚(ブリリオミーテ)を振り上げてそこに魔力を込める。金槌部分が変化し、刃へ変わった。

 スパッと振り下ろせた戦鎚もとい、()()が空間を切り裂いた。

 堪らずもう一人の自分が距離を取った。


「ぬしは――――(まこと)()()()…………なのじゃな…………」


 もう一人の自分が答えないため独り言のようになってしまったが、その答えは既に出ている。【鋭爪(クク)】を使える事と『吐息(ブレス)』に似たものを使う事、そして、彼女の背中から生えた()()()が彼女のことを語っている。


「何故じゃ!何故わらわが『破滅の力』を使っておる!!」


「…………かえ……して」


 再び襲いかかって来たもう一人の自分。大鎌を鋭爪(クク)まで戻した。

 二つで一つの【鋭爪(クク)】の素早い動き。その動きに対応するには大きな得物では動きにくい。

 ここは自分も鋭爪(クク)と体術の方が良い。

 禍々しい怒狂(ベルセルク)と競り合う。そんな中、ポツリともう一人の自分が零した。


「返して…………私の………力…………私の…………ネスクを…………」


「ネスク、じゃと?何故あやつが出て来るのじゃ」



 激しく競り合った後、大きく切り離された。

 そこへ飛んでくるのは―――――吐息(ブレス)!!

 ミレドも、手の平に魔力を集め、撃ち出した。


「なっ!?()()()()()…………!」


 ブレスを通じて記憶が流れ込んでくる。

 その記憶に見覚えがない。それは、もう一人の自分の記憶。

――――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 その記憶を読み取った時、彼女の言う『力』とは何か。

 曖昧ながら分かったような気がした。


「ああ――ぬしはあの時、『諦めた』わらわ、なのじゃな」


 記憶を見て確信した。分岐点は―――――あのドルイドの森だ。

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