ネスクとソフィアの過去
更新します。いつもより短めですが、読んでいただけると嬉しい限りです。
ウィーン ウィーンとサイレンの鳴る音が鳴り響く。
どうやら、誰か記憶の中に侵入したようだ。
生命反応が主の反応と一致する。
霧が籠った焼けた村の中でもう一人のソフィアがニタリと笑った。
彼女の前には事切れたソフィアだった物が転がっている。事切れた彼女の意識はもうこの世のどこにも無い。
「主ネスク。すぐに向かいますから~。それまで私の記憶をご覧くださ~い。フフフフフッ」
妖しく嗤うもう一人のソフィアの周りを深い霧が包んでいく。
彼女の宿した炎が心の奥底でゆらゆらと揺らめくのであった。
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眩しい光で目を閉じ、再び目を覚ました時、景色は一変していた。
うっそうと生い茂る木々が立ち並ぶ森の中――――
「ここは……」
「ここは古の時代に存在した森の中さ。君が考えている聖域の森とは違う。」
「………あんたも来たのか。」
「当然さ。君の人間性を観察しt―――」
「あんたの性癖なんて知るか!!」
「冗談はさておき、付いてきたまえ。」
上から目線のジルにいら立ちを覚えつつも彼女の後ろを付いて歩きだした。
森の中は人の手が入っていない自然がそのままの森である。魔物の気配が全く無い。普通、こういう森には魔物が一匹は、いるものだ。
ダンジョンなどの特殊な場所では無い外の世界は普通に動物が存在する。その動物が大量の魔力に充てられて魔物へ変化する。人の手が加えられていない場所にはそういう魔物が存在する。
この場所は一体…………
「君の答えも時期に解ける。」
「あんた、俺の心を…………」
「魔法士ならこのくらい当然さ。さあ、…………ついた。」
いつの間にかジルの片手には大きな杖が握られていた。
変人なジルではあるが、やはり世界最高峰の魔法の使い手だけはある。
「ここに彼女の秘密と過去があるのさ。」
杖で指した先には小さな小屋がある。その小屋の扉がゆっくりと開くと、出て来た人物にびっくりした。
白い髪に真っ赤な瞳。その外見はソフィアその者。だが、身長が一回り小さい。それに服がいつも書庫で着ている服と異なる。
ボロボロの着崩れを起こしている服である。彼女のサイズに合っていない服から誰かのお下がりなのだろう。
こっちへやってきたソフィアがネスクの体に触れた時、体を通り越した。
「…………どういうことだ?」
「ここは記憶の中、私達は当然触れはしないし、相手に聞こえはしないのさ。さあ、場面が変わる。初めての君には少々不快だろうけど、まあ何とでもなるさ。」
キーンという耳鳴りのような音とともに頭がくらくらする。船酔いに似たその感覚に苛まれ、地面に膝を付いた。
クルクルと回る光景の後、場面が切り替わった。
ソフィアが村と思しき場所に入っていく所であった。




