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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
4章 奈落の底編
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昼過ぎの刹那

更新します。次回から急展開に入って行こうと考えています。今回は、50話構成で考えているので、どんどん行こうと思います!!


 恵とフードコートへやって来た。手に持っていた荷物を椅子へ置き、場所取りをする。

 母いわく、荷物持ちと場所取りは男の役目………らしい。


(恵が戻ってくるまでメニューでも決めておくか……)


 ここのフードコートは自分の好みの物を注文できる各場所まで注文に行く形式である。

 見渡しただけでも、たこ焼きやお好み焼き、オムライス、ハンバーグ、パスタ、その他にも、ポテトにハンバーガーと空腹を誘う物が沢山見える。

 他にも、アイスクリームやクレープといったデザート系も見える。いかにも、恵が食い付きそうなものだ。


 スマホを取り出し、時計を確認する。


 既に昼過ぎである。今から昼ごはんを食べると夕食までの時間があまり無いため軽食で済ませた方が良さそうだ。


(時計……か………あれは何だったんだ?)


 先週の夜に体験した不思議な出来事を思い出すが、科学的に有り得ない現象だったため疲れた頭が見せた幻覚、幻聴と思ってはいるが、あの時感じた胸の痛みは本物である。


 何か、大事な事を忘れている……そんな気がしてならない。


「あ~もう!考えても拉致開かない!!にしても、恵遅いな………どこ行ったんだ?」


 周りを確認するも恵らしい人はいない。

というか、恵が一人でも十分目立つため分かると思うのだが………。


(嫌な予感がする………)


 席を立ち荷物だけ置いて席を離れた。






「あ―――、やっぱり。フラグだったな………」


 堪らず顔を覆いたくなった。

 席を離れた少し先で男二人が恵に絡んでいる所に遭遇した。

 恵を"一人"にさせた所がフラグだったのだと反省する。


「ねー、いーじゃんか!!ちょっとくらい。君可愛いからさぁ、俺達と遊ぼうぜ。」


「君、映画好き?今から映画館行こうよ。」


「あ、あの。人を待たせているので!通してくれませんか?」


 迷惑そうにする恵の前に鼻ピアスをした男と耳ピアスをした男が一方的に詰め寄っている。

 心無しか恵の体が小刻みに震えているように見える。


(あんまり面倒事に関わりたくないが………)


 成長したとはいえ、"根"の部分は変わっていない。

 はっきりと言ってはいるが、相手から強引に来られると、恵は昔から弱い。


「ね、ちょっとだけ付き合ってくれよ!」


「は、離してください!!」


 強引に手を取られた事で恵が少しのけぞった。

 恵の手を掴んだ鼻ピアス男の手首を思いっきり握り、恵を自分の体の方へ流して受け止めた。


「うちの連れに何かご用ですか?」


 無意識のうちに低い声になった。


「お、大朏君………」


「なんだぁ?テメェは?」


 男の手首をぎゅっと握ると痛かったのか恵の手を離した。


「この子の連れです。そういうのは礼節を守ってして下さい。迷惑ですから。」


「おいおい、急にしゃしゃり出て来やがって………テメェ。ブッ殺すぞ!!」


 キレだした耳ピアスがガンを飛ばす。

あまり怖くないが、近くにあったテーブルと椅子を蹴り飛ばした。

 器物破損の上に、脅迫、更に営業妨害。

 この二人組、それを分かっていてやっているのだろうか………。まあ、これ以上関わらないのが一番ベスト。


「俺達、昼飯を選ぶ途中なんで………」


 恵をクルッと回した後に背中を押してその場を後にしようとするが、


「かわい子ちゃんを横取りしておいて、はいさよなら。んな、都合の言い分けねえだ、ろっ!!!」


 鼻ピアスが右拳を振り上げて襲い掛かってきた。


―――― こいつ、そんなに俺達の邪魔をしたいのか?


 スローモーションで見える男の動きを振り向きながら眺めて心の中の()()がそう呟いた。







「う、がぁぁぁぁぁっ!!」


 男の声がフードコートの空間に響いた。


「勝っちゃん?どったの?」


 ついさっきまで横から入ってきた美少女の連れと言う男に勝っちゃんが不意打ちで殴りかかった。

 男は何もしていない。なのに、急に勝っちゃんが苦しみだし倒れた。

 倒れて転げ回る勝っちゃんは仕切りに「右手が!」「右手が!」を繰り返す。

 特に変わった様子も無い右手にハテナを浮かべるだけである。

 そうこうしている内に、男と美少女は行ってしまった。


 ピー!!!! 


 遠くから響くホイッスルの音。


「やべぇよ。勝っちゃん!!!逃げようぜ!!」


「う、が!!あがっ!!!」


 痛みを訴えて動かない勝っちゃん。焦るも、どうすることも出来ない。

 そうこうしている間にも、警備の者が近づいて来ている。

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