↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あらはり かくり いまそかり  作者: 零 珊瑚屋
澄波編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/24

第17話 多分…不審者

「蒼太……ちょっとやり過ぎなんじゃないの? 今、ガツンってすごい鈍い音がしたけど?」


倒れている女性のぐったりとした姿を見下ろしながら、鈴がジト目で脇腹をツンツン突く。


蒼太気まずそうに目線を泳がせ、慌てて両手をぶんぶんと振った。


「えぇッ!? ちゃんと手加減したよ! トンッて! トンッて首筋を叩いたんだってば!」


「あんたの『トンッ』は一般人の感覚からしたら『ガツンッ』だからねぇ……。


 ねえ、生きてる? この人。……はぁ、やっぱりあたしがやれば良かったかしら」


「ちゃんと……手加減はしたよ……したんだよ…」


シュンとする蒼太を横目に、鈴はかがみ込んで倒れた女性の口元に手をかざした。


微かに温かい息が指先にかかる。


「ふぅ、良かった。生きてるわね」


「まぁ、声掛けてから腕が剣に伸びる反応が意外に速かったからね、このお姉さん。

 

 それで焦っちゃったんでしょ?」


「ギクッ!」


「はーい、まだまだ修業が足りませーん」


胸を撫で下ろした鈴は、女性の腰元に差されていた刀に目を留めた。


「とりあえず、物騒だから武器は預かっておきましょっ。


 どれどれ~、おぉ? 直刀だ。めっずらしい~」


スッと抜身にしてみる鈴。鈍く光る刃を検分するよう細部まで眺め、うーんと首をひねった。


「うーん、でもなまくらね。禍つと戦ったような刃こぼれの跡もあるけど、


 こんな刀で禍つと戦うのは大変そうだわね~。やっぱり女は黙って『澄波刀』ね!」


「てか、ここって『澄波刀』しかないじゃん…」


「じゃあ、道場まで連れていきましょ。蒼太くん?今度は優しく抱えてね」


「むぅ、結局、俺が運ぶのね……」


溜息をつきながら女性を抱え上げようとする蒼太に、鈴がズビシッと指を突きつける。


「変なところ触っちゃダメだからね!?」


「なっ――!?」


「う、うるさいなぁ、もぉ……わかってる……わかってるよ……!」


変な言いがかりに顔を赤くしながら、蒼太は慎重に女性を抱え上げた。


「ふふ、顔が真っ赤よ、うぶねぇ」


◇


蒼武館へたどり着くと、居間でくつろいでいた玄蔵が目を丸くして立ち上がった。


「おいおい!蒼くんに、鈴ちゃん、その女の人どうしたの!?」


蒼太は抱えた女性を落とさないよう気をつけながら、少し首をかしげて答えた。


「んー、わかんないけど……多分…不審者……かな?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。