↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の魔法使い  作者: みつ
第一章「灰と森」
PR
29/39

二十九話「魔法の練習」

次の日。

俺は父さんに魔法を教えてもらうことにした。

「父さん」

「ん?」

「魔法、教えて」

父さんは少し驚いた顔をした。

「魔法を?」

「うん。もっと使えるようになりたい」

「分かった。じゃあ、基本から教えるか」

俺たちは家の外に出た。

少し開けた場所に立つ。

父さんが俺の前に手を出した。

「魔法を使うには、まず魔力を集める」

「魔力を?」

「そうだ。そして、使いたい魔法を思い浮かべる」

父さんの手に、小さな光が集まっていく。

「火なら、火を思い浮かべる」

光が少しずつ形を変えていく。

そして――。

ポッ。

小さな炎が生まれた。

「こういうことだ」

「なるほど」

思ったより単純だ。

魔力を集めて、使いたい魔法を思い浮かべる。

「じゃあ、やってみろ」

俺は手を前に出した。

「魔力を集めて……」

目を閉じる。

「火を思い浮かべる」

頭の中に炎を思い浮かべる。

すると、手のひらが少し温かくなった。

「……」

もう少し魔力を集める。

そして――。

「火」

ボッ。

小さな炎が指先に現れた。

「……出た」

「おお」

父さんが笑う。

「初めてにしては上出来だ」

「やった!」

俺は思わず笑った。

魔法が使えた。

しかも、ちゃんと自分の意思で。

「もう一回やってみる」

「いいぞ」

何度か練習する。

まだ小さな火しか出せないが、少しずつ感覚が分かってきた。

魔力を集める。

使いたい魔法を思い浮かべる。

そして、魔法を使う。

……あれ?

俺はふと手を止めた。

このやり方。

どこかでやったことがある。

「……」

灰魔法だ。

最初に灰が出たとき。

俺は何をしていた?

魔力を集めようとしたわけじゃない。

灰を出そうと思ったわけでもない。

ただ――。

ずっと灰魔法について考えていた。

灰はどうやって使うんだ。

どうやったら出るんだ。

一体どんな魔法なんだ。

そんなことをずっと考えていた。

「……もしかして」

俺は手を見る。

「灰魔法が出たとき、俺は無意識に灰のことを思ってたんじゃないか?」

だから、出た。

意識して魔力を集めたわけでもない。

ただ、頭の中で灰を思い浮かべていた。

それに魔力が反応したんだ。

「……なるほど」

少しだけ、灰魔法の使い方が分かった気がする。

俺はもう一度、手を前に出す。

今度は意識して灰を思い浮かべる。

灰。

灰。

灰魔法。

すると――。

指先に、小さな灰が浮かんだ。

「……出た」

やっぱりだ。

少なくとも、前よりは自分の意思で出せる。

けれど――。

灰はふわりと浮かんだあと、ゆっくりと森の方へ向かおうとした。

「……またか」

俺は森を見る。

すると、後ろから父さんの声がした。

「……灰魔法?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。