↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の魔法使い  作者: みつ
第一章「灰と森」
PR
21/39

二十一話「あの影」

家に帰ってからも、俺は森で見たものをずっと考えていた。

灰色の身体。

人間とは明らかに違う姿。

そして――頭の中に響いた声。

『……灰』

あれは何だったんだ?

そもそも、あいつは本当に俺に話しかけたのか?

それとも、灰魔法が何かを見せただけなのか。

「……うーん」

考えても分からない。

まだ情報が少なすぎる。

俺はベッドの上で手を眺める。

「……は……い」

小さく呟く。

すると、指先にほんの少しだけ灰が浮かんだ。

「お……」

出た。

最近は前より灰が出やすくなってきた。

でも――

「……」

灰を見つめる。

あの灰色の影を思い出す。

灰魔法が反応したのは、偶然じゃない気がする。

俺がそう考えていると。

「レイ?」

母さんの声が聞こえた。

「な……に?」

「どうしたの? 一人で何かしてたの?」

母さんが部屋に入ってくる。

「う……うん」

俺は慌てて灰を消す。

「今、何か言った?」

「な……なんでも……ない」

「そう?」

母さんは笑って、俺の頭を撫でる。

「変なの」

「へ……んじゃ……ない」

「ふふ、ごめんごめん」

母さんは楽しそうに笑った。

……危なかった。

灰魔法を使っていたところを見られるところだった。

いや。

別に隠す必要があるわけじゃない。

ただ、なんとなく。

この魔法については、自分でもまだよく分かっていない。

だから――

もう少しだけ、自分で調べてみたい。

俺はもう一度、自分の手を見る。

灰はもう消えている。

でも、あの影を見たときの感覚だけは残っていた。

灰魔法は、あいつを知っている。

……そんな気がする。

「……し……り……たい」

「何を?」

「……な……んでも……ない」

俺はそう言って、布団に潜った。

まだ分からないことだらけだ。

でも、いつか分かる。

たぶん――

その時が来れば。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。