Re:class6 「前夜祭ー後編」
二人は真っ裸にタオルを巻いて行きますが、体に触れているものも透明になる、という設定なんでよろしくお願いします。
―――limit29:48...
服を脱ぎ捨て、真っ裸にタオル一丁で駆け出す。もはや一刻の猶予も許されない。<サバイバル>を翌日に控えた男のロマンを賭けた闘いが今始まった。
「スゲーな…!マジで透明じゃないか、俺たち」
「そりゃあ、それなりのリスクを冒して頂戴してきたからな。効力が無けりゃウソってモンだ」
感心してるな、実のところ俺もビックリだ。
「ただし、声はまる聞こえだから注意しろよ!」
翔は大きく頷く。
大浴場<スパ・ルージュ>へ走る俺たちは足に風を纏っている。 そもそも今は女子の入浴時間なので、残った男子はこの二人のような考え(青春の過ち、思春期の煩悩とも言う)を行動に移さないよう、部屋で待機令が出されている。
各フロアと広間にはしっかり寮監の教師が監視にあたっている。
―――limit25:08...
〜三階大広間〜中央螺旋階段〜
早速だが大問題発生。
(チッ…!おい、翔!なんでこんなときに寮監どもが周回してやがんだ…!?)
(俺が知るか!)
てっきり寮監も自室にいると思っていた。大きな誤算だ。つーか<ステルス>って寮監相手に効くのか?
わからん。なぜならこれが初挑戦だから!
といったものの、一階の<スパ・ルージュ>に向かうにはこの階段しかない…。
(さて、晃。どうするよ?)
(…、決まってんだろ?できるだけ気配を消して、ゆっっっっくーーり突破だ…)
(りょーかぁーい…)
足音は既に消してあるが、その上息も殺し、気配を最大限まで絶ってそろそろと寮監を横切る。
寮監は何らかの気配を感じたようではあったが、なんとか気づかれずに済んだ。
―――limit18:24...
ちくしょう!!思ってたより階段で時間食わされちまった!!
〜<スパ・ルージュ>前〜
よし、なんとか無事にここまでたどり着いた。幾度か危険なシーンがあったが、それも着いてしまえばこっちのモンだ。
(さぁーて、お待ちかねの「秘密の花園」見学ターイム…!)
(マジで来ちまったな、…退屈しねーよ、まったく)
翔は苦笑いを浮かべている。
ったく、この期に及んでまだ素直に喜べないのか、こいつは。
何はともあれ、<ステルス>の威力はハンパなかった。あの寮監の目をかいくぐるんだから、そりゃもうすげえよ。
―――limit17:14...
〜女子更衣室<ロッカールーム>〜
中は湯煙で充満していて、何も見えなかった。
(チクショウ…、これじゃ何も見えねぇな)
何のための風の能力だと思ってやがる!
軽い空気の移動で湯煙を払って、空中から堂々覗く。
((…………………!!!))
「秘密の花園」…!!まさかこれほどとは!!!
(エロいな……)
(あぁ…、エロい…)
翔も冷静を保とうとはしているが、その頬は赤らんでいた。
この光景を焼き付けようとしていたが、ここで予想外ハプニング。
(ぶっっっ!!!!!!)
あぁそうさ、鼻血をぶっこいちまった…。
いくら<ステルス>を使用していても、彼の鼻から流れ落ちる赤い液体まで、見えなくしてくれるわけではない。
一方、まさか上からのぞかれているなどとは夢にも思っていない女子の方々はというと。
「ハァ…、うつだわ…」
ため息ひとつ。
「どうしたの?」
「あの後、アイツとベンチで寝ちゃってね。二人揃って<ペナルティ>だったんだけど……」
ふと目の前の湯にポタポタと赤い液体が降ってきたことに気づいた。
不思議に思って上を見上げると、天井から滴たる赤い液体。
「……………」
「キャアァあアアぁアァ!!!!!!!」
―――limit08:33...
(おい…!!しっかりしろ、晃!!)
とうの晃が気絶寸前である。じゃあなんでこんなことしようと思ったんだか。
(おいおい…、これはどういうことだ?!)
まだ8分以上あるにも関わらず、体の色がどんどん濃くなっている。<ステルス>の効力が消えかかっているのだろう。
同時に晃も気を失った。この、まさにこの瞬間まで翔は気づかなかったが、彼らが浮遊しているのは晃の能力によるものだ。
…つまり術者が気を失った今、術は解ける。
(マジかよッ…!!?)
二人は無残に浴槽に落下していく。 まぁ下はお湯だし、死なないだろ…。
結構、安易に考えていたがなんとか助かったようだ。
隣では気絶した晃がプカプカ浮いている。
「…、ふぅ、なんとか無事だったな…」
…少し前、伊織が叫び声を発し、浴場内は混乱状態であった。これ以上のチャンスはない。
「この騒ぎに紛れて逃げ……」
晃を担ぐ翔の前に見覚えのあるシルエットが二つ(タオルを巻いていたので裸は見られなかったが)。
「……。アンタたち…こんなところで…何してるのかしら…?」
開いた口が塞がらないとはこういうことか。
伊織が、怒ってる…。というかなぜこんなときにこのバカはのびているのだろうか。
四人は初等部の頃からの長い付き合いである。伊織が本気でキレたとき、どうなるかはすでに嫌というほど知っている。とりあえず必死に弁明する。
「ちっ…違うんだ、伊織、これは…、晃がだなぁ…」
「問答無用!!《煉獄の炎槍<グラキエス・インフェルノ>》!!」
香奈は恐ろしく微笑む伊織の隣で苦笑いを浮かべている。
「<灰になれ>…」
どうやら俺の発動は間に合わないようだ、死んだと思う。
「ギャアァーー!!!!!」
◇
「…、これに懲りたら二度とこんなバカなことしないように…。幸い、私たち以外の子たちは先に上がったらしいから、この件は私たちが預からせてもらうわね」
こうして男たちの長い夜は幕を閉じた…。
次回、ついに始まる<サバイバル>!生き残るのは誰なのか?優勝は誰の手に!?




